人が勧める学習法・教材に関して
TOEFL学習を行っていると、先輩や友人、予備校で知り合った人などから「こんな学習法・教材によってスコアが上がった」というアドバイスを受けることもあるでしょう。
アドバイスをもらえることは、非常にありがたいことです。
貴重な意見として参考にさせてもらいましょう。
しかし、ある人が良いと言っていた学習法・教材に取り組む際、注意しなければならない点があります。
1.自分に合いそうな学習法・教材なのか?
学習者のレベル・嗜好は皆異なります。
ある人にとって非常に効果的であった学習法・教材は、別の人には向かない可能性があります。
ほとんどのアドバイスは学習者個人の経験に基づいて行われます。
人から学習法・教材を勧められた場合、その人と自分の英語力、学習スタイル、論理的考察力の違いを意識しましょう。
2.その人にとって、より効果的な学習法・教材があったのではないか?
何かを行って成果を出した場合、多くの人は成果を出すためにとった自分の手段に対して肯定的な印象を持ちます。
しかし、本人には分からない、実はもっと効果的な方法があった可能性もあります。
特に成果を出すまで非常に長い期間がかかっている場合、その人が行った学習法・教材は、もしかしたら本人にとってベストではなかったかもしれません。
3.勧められた学習法・教材に取り組んだ結果、実力の向上が実感できるか?
ある学習法や教材に取り組んだ際に「自分にとっては難しすぎる」「なかなか進まない」「進めた範囲の問題に対する理解度が向上していない」という印象を持った場合、その学習法・教材は自分にとってベストな手段ではない可能性が高いと言えます。
特に、ある程度の期間取り組んでも「より読める」「より聞ける」等の実感が持てない場合は、別の学習法・教材への取り組みを検討しましょう。
人から勧められる学習法・教材として、特に注意しなければならないのが
「TOEFL対策はOfficial Guideだけで十分」
「(単語と意味の羅列による)単語本で単語力をアップすべき」
というもの。
Official GuideはTOEFL対策に欠かせません。しかし、それだけで100以上獲得できるような人はTOEICで言えば900以上くらいの実力があったり、帰国子女や留学経験があったりと、もともと高度な英語力を持っている人に限られます。
また、単語と意味(+例文)の羅列による単語本は記憶に残りにくく、覚えるためには、何回もの意味の確認や、カードを作成して「覚えた・覚えていない」の仕分けの繰り返しが求められ、多大な根性が必要です。
単語力のアップのために、このタイプの単語集を使う場合は、過去に同じようなタイプの単語集を使ってうまくいったことがある場合にお勧めします。
あと、これまであまり英文を読んでいない人がこのタイプの単語集を使って単語力を増強しようすることはお勧めしません。
例えば、英文を読むのに慣れている方は、TOEFLで出題されやすいアカデミックなボキャブラリーを覚えることによってTOEFLのパッセージが読みやすくなるでしょう。
しかし、英文を読む機会がこれまでほとんどなかったのに、単語集にだけ取り組んでも、英文理解のための単語以外の要素(表現のまとまり、文法、情報の提示の流れ等)には慣れないため、単語力はそこそこ上がっても、パッセージの読解能力はほとんど上がらないということが起こり得ます。
学習法・教材は、ある人にとっては非常に有効でも、自分にはあまり役に立たないかもしれません。
当初は、その学習法・教材が自分のレベル・嗜好に合っているかどうかを確認しながら進め、向かないと判断したら、別の学習法・教材に移りましょう。
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