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【新TOEFL解説②】2026年1月から大幅刷新! Listeningセクションはどう変わる?

以下の記事の続きです。今回はListeningセクションがどう変わるのかを伝えます。

今回もサンプル問題を見せながら、どのような問題「形式」になるかを紹介します

 

» 【新TOEFL解説①】2026年1月から大幅刷新! Readingセクションはどう変わる?

 

 

2.Listening

 

Listeningセクションでは以下の「4つ」のタイプの問題が出題されます。

 

1.Listen and Choose a Response(返答選択)
2.Listen to a Conversation(会話)
3.Listen to an Announcement(案内)
4.Listen to an Academic Talk(講義)

 

 

問題数と制限時間について

 

(下の)いくつかの文書に記載された説明からListeningセクションの問題数は、おそらく35〜45問になると思われます(30〜40問と記載しているものもあります)。
ただし、この問題数についてETSは「最適化に向けて変更されるかもしれない」と述べており、現時点では確定していません。

 

制限時間についても、現時点では明らかにされていません。下に示されている「約27分」「約18〜27分」という記載は、Listeningセクションの「制限時間」ではなく、ETSが多くの受験者はその程度の時間でListeningセクションを完了すると見積もった目安の時間です。

 

35〜45問と問題数に差があるのは、採点されない「ダミー問題(Pretest問題)」が含まれるかもしれないから。ダミー問題は、ReadingまたはListeningセクションのどちらかに出題されるThe number of Reading and Listening items depends on whether a test taker receives pretest items. All test takers will receive either Reading or Listening pretest items.)ため、Readingの問題数が多い場合には、Listeningは35問になると予測されます。

 

» Updated TOEFL iBT Test Overview

 

 

» Test Content and Structure(TOEFL公式サイト)

 

 

» TOEFL iBT Practice Test 1

 


» Full-Length Practice Test 1 & 2(オンライン上で解ける問題)

 

 

 

問題タイプ別の問題数について

 

先ほど「Listeningセクションの問題数は、おそらく35〜45問になると思われます」とお伝えしましたが、現在、試験全体のセットとして公開されている Practice Test 1 および Practice Test 2 では、どちらもListeningセクションは34問になっています。34問の内訳は

 

Practice Test 1 & 2 共通

モジュール1

Listen and Choose a Response(返答選択):8問
Listen to a Conversation(会話):2 + 2 = 4問
Listen to an Announcement(案内):2問
Listen to an Academic Talk(講義):4問
小計:18問

モジュール2

Listen and Choose a Response(返答選択):8問
Listen to a Conversation(会話):2問
Listen to an Announcement(案内):2問
Listen to an Academic Talk(講義):4問
小計:16問

合計:34問

 

モジュール1と2の違いは、モジュール1の方が会話問題が1題(2問)多いこと。

それぞれの問題タイプの問題数は、返答選択:8問、会話:2問、案内:2問、講義:4問 となっていますが、ETSが公表している全体の問題数は35〜45問と奇数のため、実際の試験ではタイプ別の問題数が異なる可能性があります。8月初旬に公開予定のオンライン模試では、どうような構成になっているのかが気になるところです。

 

 

話者について

 

» Updated TOEFL iBT Test Overview

 

 

新TOEFLの概要では、Listeningセクションにおいて「北米、英国、オーストラリア、ニュージーランド」のアクセントで話されると説明されています。
実際に公開されたサンプル問題でも、北米以外のアクセントを持つ話者が含まれています。ですが

 

「じゃあ、英国やオーストラリアのアクセントに慣れておかないとダメなの?」

 

と心配する必要はありません。

現在オンラインで公開されている2つのPractice Testでは、話者のアクセントはいずれも強くなく、どの話者も聞き取りやすい話し方をしています。実際の試験では、強いアクセントで聞き取りづらかったり、北米の人が話さないような表現が使われることはないと予測します。

 

そもそもこれまでのTOEFLにおいてETSは「北米以外の人のアクセントを持つ話者も含まれている(だから、TOEFLは国際的なテストですよ)」とアピールしてきましたが、実際には話者のほぼ全員が北米アクセントでした。それだけETSはアクセントに対して非常に慎重な立場を取っていると言えます。

 

実際にどのようなアクセントの話者が登場しているかについては、以下の “Full-Length Practice Test 1 & 2” でご確認ください。

 

» Shop Official TOEFL iBT® Test Resources

 

 

 

Listen and Choose a Response

 

Practice Testでは、返答選択問題は16問出題されていました(モジュール1:8問、モジュール2:8問)。

このタイプの問題では、話者の短い発言(1文)を聞き、その発言に対して最も適切な応答を、選択肢を「読んで」選ぶことが求められます。

 

では、返答選択問題を体験していただきましょう。

 

女性の発言(クリックして音声を聞いて下さい)に対する返答として最もふさわしいものを、選択肢から選んでください。

 

 

 

 

 

If you need me, just text.「困ったことがあったら、メッセージしてね。」に対する適切な返答は

 

You haven’t given me your number yet. 「まだ電話番号を教えてもらってないよ」です。

 

text「テキストメッセージを送る」のような、現代的で日常的に使われる表現が含まれているのが、新TOEFLのリスニング問題の特徴のひとつです。「メッセージを送る」という行為と「電話番号を知っていること」が結びついている点にも今の時代らしさが感じられます。

 

もう一問、確認しましょう。

 

女性の発言に対する返答として最もふさわしいのは以下のどれでしょうか。

 

 

 

 

 

How much does expedited shipping cost?「速達配送はいくらかかりますか?」

 

正解は、 We don’t offer that. 「それ(速達)は扱っていません」

 

expedited shippingは「通常より早く届ける配送方法」、つまり「速達」を意味します。expeditedの意味が分からなかったとしても、その後のshipping cost「配送料」が聞き取れていれば対応できる問題です。

 

この会話ですが、もし背景のある画像が表示されるのであれば、場所は郵便局や配送窓口になります。しかしながら、新TOEFLのListening問題では人物のみの画像が表示されるため、具体的な場所の手がかりはありません。

 

返答選択問題(Listen and Choose a Response)では、会話内容はcampus lifeに関連すると説明されているものの、明らかにオフィスでの会話と思われるものも含まれています。そんのため、大学内での会話と限定しないほうがいいでしょう。

 

» Updated TOEFL iBT Test Overview

 

 

 

Listen to a Conversation

 

前述のとおり、「会話」問題は Practice Test 1 & 2 では 1題あたり2問が続き、モジュール1では2題、モジュール2では1題、合計6問出題されていました。

 

会話問題は、現在のTOEFL iBTでも出題されていますが、新TOEFLでは大きく変わります。

 

最も大きな違いは、話の長さ。
現行のTOEFLでは、会話は長い場合、3分を超えることもありますが、新TOEFLでは今のところ、1つの会話が20〜40秒程度と大幅に短くなっています。
そのため「話が長くて集中力が続かない」と感じていた人にとってはかなり聞きやすくなるでしょう。

 

また問題数も変化しています。
これまでのTOEFLでは、1つの会話のあとに5問続きますが、新TOEFLでは2問のみ
話の長さが短くなったことに伴い、問題数が少なくなっています。

 

話のトピックも変わります。
現在のTOEFLの会話問題では、一方は教授や職員、もう一方が学生という設定がほとんどで、科目登録や課外活動の手続きに関する内容だけでなく、アカデミックな話題に発展することもよくありました。

それに対して、新TOEFLでの会話のトピックは

「食事、社交活動、教育、娯楽、サービス、健康、趣味、家庭、買い物、通信、旅行」といった、誰にとっても身近で、特別な知識がなくても理解しやすい、大学生活や日常会話でよく登場する話題

になると公表されています。

 

» Updated TOEFL iBT Test Overview

 

 

話す2人の関係性も変わります。

すでにお伝えしたとおり、現行のTOEFLの会話問題は、教授や職員と学生という状況ですが、新TOEFLで会話を行う2人は友人同士または職場の同僚といった水平な関係になっており、先生や職員は登場しません
(中にはキャンパスと無関係の、明らかに職場での会話と思われるものも含まれています)
ただし、これは現時点までに公開されている問題に基づいた分析結果であり、今後公開される問題でも同様の傾向が続くかどうかは分かりません。

 

それでは、Practice Test 1の会話問題を1つ聞き、続く2問に答えてみましょう。
ここでの音声はもともと研究用に録音されたものであり、音質があまり良くない点はご容赦ください。

 

 

 

 

 

 

続いて、問題に移りましょう。

 

 

 

 

 

以下が会話のスクリプトと正解の選択肢です。

 

 

Listen to a conversation.

Man: Did you see the maintenance request about the air-conditioning?
Woman: Yes, I called the technician this morning. They said someone should be here shortly.
Man: That’s a relief. It’s getting uncomfortably warm in here.
Woman: I know—I called as soon as I noticed. Hopefully, it’s just a minor issue and they can get it working again without too much delay. In the meantime, why don’t you go out to lunch early? Maybe it’ll be better when you get back.

 

11. Why did the woman call a technician?

(A) An air-conditioner is leaking.
(B) A room is too hot.(正解)
(C) An elevator needs maintenance.
(D) A window will not open.

 

12. What does the woman suggest the man do?

(A) Finish an assignment early
(B) Wait for a service agent
(C) Open a door
(D) Take a break early(正解)

 

現在のTOEFLの会話問題と比べると、かなり短くなっているのが分かりますよね。
以下に、現行TOEFLと新TOEFLにおけるListeningの会話問題の主な違いをまとめました。

 

 比較項目  現行TOEFL (〜2026年1月20日)  新TOEFL (2026年1月21日〜)
 話の長さ  長いときは3分以上  約20〜40秒程度と非常に短い
 問題数  会話1題に対して5問  会話1題に対して2問
 会話の話題  大学での手続きが多いが、
アカデミックな内容になることも
 日常的で身近な話題
(例:食事、趣味、健康、旅行など)
 登場人物  学生と教授・職員など  友人同士または職場の同僚などの水平な関係
 キャンパス
 内外の場面
 大学キャンパス内  キャンパス外の職場などでの話になるかも
 背景知識の
必要性
 アカデミックな知識が必要な場合もある  特別な知識は不要で、内容は理解しやすい
 集中力の
要求度
 長さ・難しさから集中力を
保つのが難しい
 短いため集中しやすい。しかし短い分、
聞き逃すと正解が選べないことも

 

 

 

Listen to an Announcement

 

「案内」問題は、Practice Test 1 & 2 の両方でモジュール1、モジュール2それぞれで1題ずつ出題されており、1題につき2問、合計で4問となっています。

 

ETSはこのタイプの問題について、“a short academic-related announcement (about 40–85 words)” 「学業に関連する短い案内:およそ40〜85語」と説明しており、案内・告知・発表は一人の話者による短いスピーチになります。

 

» Updated TOEFL iBT Test Overview

 

 

 

案内が行われる状況はさまざまで、例えば教室で生徒に向けて行われるものや、大学のラジオ放送を通じてのものなどがあります。
以下のように、その状況は問題の冒頭で示されます。

 

Listen to an announcement in a classroom.
Listen to an announcement in a student lounge.
Listen to an announcement at a university club meeting.
Listen to an announcement on the campus radio station.

 

 

それでは、Practice Test 1の「案内」問題を聞き、続いて出題される2問に解答してください。

 

 

 

 

続いて、設問に解答してください。

 

 

 

 

以下、案内問題のスクリプトと正解の選択肢です。

 

 

Listen to an announcement in a student lounge.

 

Man: Attention everyone! The student lounge will be closed tomorrow from one P.M. to three P.M. for maintenance. We will be repairing a broken pipe in the ceiling. We apologize for any inconvenience this may cause. Please plan accordingly and consider using the library or the campus café during this time.

 

11. What is the main purpose of the announcement?

(A) To inform students about a schedule change(正解)
(B) To announce new lounge amenities
(C) To notify students of a new facility
(D) To encourage students to use the lounge more

 

12. What should students do during the closure?

(A) Wait in the lounge
(B) Assist with the maintenance
(C) Use alternate spaces(正解)
(D) Visit the library website

 

この問題では、実際の案内部分は52語で、話の長さは23秒ほどでした。
ETSは案内問題について「40〜85語程度」と公表していますがが、85語あたりだと話は長くても40秒ほどなので、1分を超えるような案内問題は出題されないと予測します。

 

 

Listen to an Academic Talk

 

この問題タイプの名称が “Listen to a Lecture” ではなく、”Listen to an Academic Talk” になっているのは、話の長さがレクチャー(講義)と呼べるほど長くないからなのでしょう。
ただし、内容や出題形式は従来の「講義」問題とだいたい同じであるため、私はこのAcademic Talkを「講義」と呼ぶことにします。

 

上でお伝えしたように「講義」問題は、Practice Test 1 & 2 の両方において、 各モジュールで1題ずつ出題されており、1題につき4問、合計8問となっています。
下のETSの発表でも、講義問題では「4問」出題されると明記されています。

 

» Updated TOEFL iBT Test Overview

 

 

会話問題と同様に、講義問題も新TOEFLでは大きく変わります。

 

最大の違いは、やはり話の長さ。
現行のTOEFLでは、講義が長い場合は6分を超えることもありますが、新TOEFLでは講義の語数が100〜250語と明示されており、仮に250語であっても2分以内に収まるはず。
長さが1/3以下に短縮されることで、会話問題と同様に、集中力を保ちやすいのは間違いありません。

 

問題数にも変化があります。
今のTOEFLでは、講義1題につき6問が出題されますが、新TOEFLでは4問へと減っています

かなり短い話の中で4問も問われるため、一部でも聞き逃すと1問失う可能性が高いと考えた方がいいでしょう。

細かい点ですが、話者の構成にも変化があります。
現行のTOEFLの講義では、教授が話す途中で学生が割って入って発言したり、質問することもありますが、新TOEFLでは、おそらく教授1人が最後まで話し続けると思われます。

 

それでは、Practice Test 1の講義問題を1つ聞き、続く4問に答えてください。
新TOEFLの講義問題が実際にどのような長さ・形式・内容なのか、体感しましょう。

 

 

 

 

 

続いて、4つの設問に解答してください。

 

 

 

 

 

 

以下、講義問題のスクリプトと正解の選択肢です。

 

 

Listen to a talk in an environmental science class.

 

Professor: An ecological footprint is a measure of the environmental impact of an individual, community, or country. It calculates the amount of natural resources consumed and the waste generated by human activities, usually expressed in global hectares. By comparing ecological footprints, we can understand how different lifestyles and practices contribute to resource depletion and environmental degradation. For instance, the ecological footprint of someone living in a developed country is typically larger than that of someone living in a developing country, mainly due to higher consumption levels and waste production. Factors such as energy use, transportation, food consumption, and housing play significant roles in determining the size of an ecological footprint. Understanding ecological footprints is crucial for promoting sustainability. It helps identify areas where changes can be made to reduce environmental impact. For example, if you consume locally produced foods, you’ll likely reduce your ecological footprint because less energy will be used for transporting that food. Governments and organizations can use ecological footprint data to develop policies aimed at achieving sustainable development. I’ll discuss some examples of that next.

177語

 

13. What is the main topic of the talk?

(A) Changes in consumption in societies over time
(B) A measure of environmental impact(正解)
(C) Environmentally damaging activities
(D) The role of governments in sustainability

 

14. Why does the speaker mention developed and developing countries?

(A) To contradict a theory related to the ecological footprint
(B) To show that resource depletion can be similar regardless of lifestyle
(C) To illustrate the usefulness of comparing ecological footprints(正解)
(D) To point out that production efficiency reduces the ecological footprint

 

15. What does the speaker mention as a way that people can reduce their ecological footprint?

(A) By disposing of waste appropriately
(B) By joining an environmental organization
(C) By using environmentally friendly forms of transportation
(D) By eating locally produced food(正解)

 

16. What will the speaker most likely discuss next?

(A) How information about ecological footprints has been used in creating policies(正解)
(B) How data about ecological footprints has been collected
(C) Why the idea of ecological footprint is often misunderstood
(D) Why sustainable development can be difficult to achieve

 

 

新TOEFLのListeningセクションの解説は以上です。
上記の内容は2025年7月までに公開されている情報に基づいています。
8月にオンライン公式模試が提供開始された後は、その内容を踏まえて情報を追加・修正を行う予定です。

 

 

 

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