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Listening問題は何回聞く?

先日、受講生の方からの相談の中に

「単語集のパッセージを100回以上聞いている」

というものがありました。

Listeningスコアアップのために問題は何回くらい聞くのがよいのでしょうか。

もちろん、5回や10回、20回、100回という答えはありません。
何回聞くべきかは、

「問題の難易度」
「学習者のレベル」
「Listening問題に取り組む目的」
「取り組みによる到達度」

によって変わってきます。

例えば、自分にとって非常に易しい問題を聞いたとします。

表現がすべて聞き取れた。
意味はすべて理解できた。
馴染みのない表現はひとつもなかった。
設問はすべて迷うことなく解答し、全部正解だった。

としましょう。

最初に聞いた時から、すべての「表現が聞き取れ、意味が分かる」状態であったのなら、その問題は卒業してもOKです。

つまり、これ以上、聞かずに次の問題へと移る。
聞くのは問題を解いた時の1回だけ。

しかし、学習の目的が単なる聞き取りではなく、問題の中の表現を自分のアウトプット(SpeakingやWriting)の向上に活かすことであったら、問題をまた聞き、自分の口で問題のスクリプトを発話することは欠かせません。

続いて、自分にとってかなり難しい問題を聞いたとします。

表現は80%くらい聞き取れた。
意味は60%くらい理解できた。
自分の知らない単語や表現がいくつも使われていた。
不正解の問題があった。

この場合、自分の知らない単語や表現の意味を確認し、不正解だった問題の正解の選択肢に納得した後、聞き取れなかった20%と理解できなかった40%をつぶす作業が大切です。

そのために繰り返し聞いたり、スクリプトを見ながらリピーティングをしたり、音読をしたりして、音声や表現に慣れることによって、最終的に「表現が聞き取れ、意味が分かる」ようにしましょう。

学習の目的は、問題音声を聞いた時、「表現が聞き取れ、意味が分かる」ようになることであり、そのために必要な回数だけ問題を聞きましょう。

前もって回数を決める必要はありません。
難しい問題ならば、問題の一部、または全部を「表現が聞き取れる」ようになるまで、「意味が分かる」ようになるまで繰り返し聞きましょう。

「表現が聞き取れ、意味が分かる」ようになったと思ったら、その後、その問題は聞かなくても結構です。
しかし、何回も集中的に聞いたから、問題の音声や表現が一時的に記憶され、「表現が聞き取れ、意味が分かる」ようになった部分もあるはずです。
是非、時間をおいてから改めてその問題を聞き直し、その際、聞き取れなかった、理解できなかった部分をつぶしましょう。

「表現が聞き取れ、意味が分かる」状態になったあと、問題の音声に対してシャドウイング等を行うこともできますが、Listeningセクションで安定的に20以上取れない人はそこまでやらなくてもいいでしょう。

ひとつの問題を深く聞くことも大切ではありますが、多くの問題に広く取り組むことによって、単語や表現の知識を増やし、アカデミックな英文に慣れ、背景知識を増やしていくことも大幅なスコアアップに欠かせません。

最初にご紹介した受講生の方は、

「問題音声の再生回数が100回と表示されていたものの、じっくり落ち着いて集中して聞いた回数は10分の1くらいかもしれない」

ということをおっしゃっていました。

問題をなんとなく繰り返し聞いてもListening力は大して伸びません。
問題の音声を聞く際は、それによって、聞き取りや理解が上がっているのかを意識しましょう。
繰り返し聞いても、これ以上聞き取りや理解が向上しないと感じられる場合は、それ以上の取り組みはやめ、次の問題に移りましょう。

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