Integrated Speaking – Task 6 分析と対策(1)
五十峰です。
さて今回はTask 6についてです。
Task 6はacademic lectureですね。恐らく多くの方が苦手意識を持っているかもしれませんね。ある意味純粋なリスニング能力を試される分、テンプレートなどで誤魔化しが効かないのが原因かもしれません。ですので、ここでよい評価を得るためには楽をせず、純粋に力をつけて頑張りましょう。
1) レクチャーの概要
Task 3の連載の時にも書きましたが、市販教材の中には「ありえへんTask 6」が蔓延しているのも事実です。本試験でこれはない、という形を理解する事で、逆にこれには気をつけなくてはならない、という事項により気が付くでしょう。
ありえへんその1 – ディスカッション形式になっている
⇒ 本試験ではレクチャー、つまり一人が講義を行うだけです。
ありえへんその2 – ただ単に科学的現象や概念の説明に終始している
⇒ Listening sectionではありですが、Speakingにおいては単なる説明だけではなく、もっと判りやすい具体例を2つ用いて構成されています。
ありえへんその3 – 具体例がわかりづらい
⇒ その2と似ていますが、キッチリそれとわかる具体例が2つ出ます。
(内容に関しては様々ですが)
ありえへんその4 – やたらに長い
⇒ 本番では長くても2分ぐらいです。字数にすると約300 words以下ぐらいです。
2) まずは抽象概念を理解する
Task 6は短いなりにもレクチャーになっているわけなので、当然main purpose / idea / topicがあります。多くの場合は、”Today, I want to talk about…”とか “Let’s discuss why…”みたいな感じで、単刀直入に言ってくれますので、これは判りやすいですね。ただ、この時点ではまだ輪郭がハッキリせず、抽象な表現にとどまっています。
例:
“So today let’s talk about what kinds of effect a film has on its viewers. A film can create various emotional responses in the audience. I’m sure you’ve all experienced laughing, crying, being excited or sad, while watching films. Let’s focus on one such type of emotion, namely nostalgia. Nostalgia, of course, is a bittersweet longing for things, persons, or situations of the past.”
この時点でTopic = a movie’s effects / Focus = nostalgiaというのが判ってますよね。nostalgiaが何か、というのも恐らくメモをとらなくても聞いているだけでわかると思います(もしくは元々判っていた)。ここまでが抽象概念にあたります。
ただ、ボーっとして聞いているだけではいけません。忘れないように確実にメモって、さらにそれを喋るときに使えるようにしなくてはいけません。もちろん理解度が優先である事はTask 4の連載時でも書きましたが、正しいトピック・目的・意図を正しい言葉で再現できないことにはTask 6は高評価を得ることはできません。ですので当たり前にわかっていることでも、「喋る材料として」あとで使えるよう、適度にメモっておきましょう。
3) 具体例を理解する
さてlecturerが説明しようとする抽象概念に、具体例が加わります。この具体例の、
a) カテゴリ・名称を確実にメモる
b) それぞれの具体例を確実に聞き、理解する
が高得点取得には欠かせません。特にb)の詳細が多ければ多いほどリスニング力をアピールできます。ただ、当然のことながら全ての詳細をメモる必要もありませんし、多くの詳細をメモッたところでとても時間内に話せることは無理です。あくまでも、主題に直結する詳細を確実に理解し、それを話す際に再現できる程度のnote takingを行いましょう。
例:
“Okay, there are two types of nostalgia: personal nostalgia and historical nostalgia. ① Personal nostalgia refers to wistful memories of the past. ② Let’s say the viewers are watching a scene in a movie which shows many children running around in the school playground, playing baseball, laughing out loud, getting dirty and wet. Then the viewers recall their school days and get the warm feelings because they themselves have done those things.”
さて、まず確実にtwo types をゲットすべきですね。難しい単語ではないのでP (personal) とH (historical) とメモればよいでしょう。そして①Pの特徴と②Let’s say以下のPの具体例を理解し、必要であれば書き足します。今回は映画におけるnostalgiaなのでそれを忘れないように。
続いてHの具体例が続きますね:
“By contrast, movies cause the viewers to have historical nostalgia. ① Historical nostalgia is a feeling that a distant past is perceived as preferable to the present. ② For instance, a movie shows a scene in the American Wild West. Pioneers are riding horses, cultivating land, and building their own houses. Families sit at a dinner table, say their prayers, and eat simple meals but everyone looks happy. The viewers could not have lived in the Wild West, but they somehow long for such a good period of time, perhaps better than their current life.
さてこちらもP同様、①が簡単なdefinition、②が具体例になっています。当然のことながら、PとHの違いを明確に話す必要があります。しっかりと話せますか?
さて次回はいよいよ連載最終回です。引き続きTask 6について学習しましょう。
それでは。
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