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教材を何回繰り返す?

2011.07.26

オンラインTOEFL対策コース受講生の方から、「問題集などの教材を何回繰り返すべきか」というご質問をいただきました。

 

その方には、まだ返答していませんが、同様の疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
まず一般論としての私の回答をこの場でお伝えします。

 

「同じ教材を何回も繰り返すべき」という学習法をよく聞きます。

 

しかし、TOEFL対策において、基本的には数回もの繰り返しはお勧めしません。

 

「効果がない」というつもりはありません。
繰り返すたびに,学ぶものはあるはずです。

 

しかし、このような方法はあまり効果的ではないと考えます。

 

1.数回も繰り返すと、内容に飽きてくるため、集中力も低下する。結果、学習の効率が下がる。

 

繰り返しに対して飽きたり、単調に思ったり、気がめいったりするなら、やめましょう。
気が乗らないようなものに取り組んでも、学ぶものは多くはないであろうことは明らかです。

 

2.数回もの繰り返しを行わないことによって、その時間の分、新たな問題に取り組むことができる。

 

問題の出題の範囲がだいたい決まっている大学入試や各種資格試験、TOEICなどとは異なり、TOEFLは出題される内容の範囲が極めて広いため、これだけを行っておけば十分と言えるものはありません。
よって、例えばある1冊の問題集のみを繰り返しても、その問題集には出てこなかった単語や表現、文法構造などが本試験で問われることになります。
学習の「質」も大切ですが、「量」をカバーすることも大幅スコアアップ達成には必要です。

 

では、どのくらい繰り返せば良いのか?

 

私は基本的には、取り組む回数は2回、つまり1度取り組んだ後に、再度復習を行えば十分と考えます。

 

ここでの「2回」とは、「Listening問題を2回だけ聞けばよい」「Readingのパッセージを2回読めばよい」ということではありません。

 

例えば、Listeningなら

 

問題を解く。
問題の聞き方や解法を確認する。
聞き取れなかった・理解できなかったところを確認したあと、学習法の実践を通して、最終的に、問題音声を聞いて「表現が聞き取れ、意味が分かる」状態にする。
(その状態になるために、時には、何度も問題音声を聞いたり、何度も音読やリピーティングを行うことにはなる)

 

ここまでが1回目の取り組み。

 

その後、その問題を含む問題集が1冊終了したあと、再度、最初から問題の音声を聞く。
以前に不正解を選んだ問題は、正解の選択肢を確認。(問題を解き直してもよい)
問題音声を聞いたとき、 「表現が聞き取れ、意味が分かる」状態になっていない問題は、学習法の実践を通して、「表現が聞き取れ、意味が分かる」状態にする。

 

ここまでで2回目の取り組み。

 

これだけ取り組めば十分でしょう。

 

もちろん、2回目の取り組みで「表現が聞き取れ、意味が分かる」ようになったと思った問題を、その後改めて聞いたら「聞き取れない」「意味が分からない」という箇所が出てくるものもあるでしょう。

 

3回目に取り組む価値がない訳ではありませんが、気持ちがそこそこフレッシュな状態で問題に臨めるのはだいたい2回目まででしょうし、先ほどもお伝えしたように何回も繰り返していると、新たな問題に取り組む時間がなくなってしまいます。
2回「表現が聞き取れ、意味が分かる」状態になるように取り組んだら、それで十分です。
他の問題集に移りましょう。

 

しかし、2回と言っても、それぞれの回のときに「問題を解いて、正解や解法を確認しただけ」「問題を音声を聞き流しただけ」というのでは取り組みとして不十分です。
(問題を最初に解いたときから「表現が聞き取れ、意味が分かる」状態になっていて、問題も全問正解だったときを除く)

 

そのような中途半端な学習をしていると、それぞれの回の取り組みにおいて 十分に実力が向上せず、改めて問題を聞いても「聞き取れない」「理解できない」箇所も多くなります。
よって、繰り返しが必要となりますが、そのときにはすでに3回目になるため、問題に対して飽きが生まれ、集中して取り組めないかもしれません。

 

「繰り返す」ことが学習のゴールではありません。
何回繰り返すということ自体に価値はありません。

 

学習のゴールは、目の前の問題を「表現が聞き取れ、意味が分かる」「意味を理解しながら、スラスラと読める」「自分の目標レベルの回答が話せる/書ける」ようにすること。

 

回数をこなすことに満足するのではなく、その学習を通じてゴールに近づいているかどうかを常に意識しましょう。


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