101点獲得のご報告をいただきました! その3
101点獲得のご報告をいただきました! その2(2016年5月23日)
の続きです。 今回は、IさんのTOEFL対策の内容について感想を書きます。
Iさんが以下の抜粋でおっしゃっているように、自分の弱点を見つめ、そこに重点的に取り組むことは実力アップに効果的です。
苦手なセクションへの対策は、敬遠してしまったり、取り組みはしても単に問題を解いて確認するだけなど、楽な方に走ってしまいがちなもの。
しかし、苦手としているセクションに大幅スコアアップの余地があるならば、効果的な取り組みを行うことによって、目標スコア到達にかなり近づけます。
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> このままではまずいと思い自分のこれまでのスコアや受験雑感(毎回の試験が終わるたびにその時の感触をメモし、実際のスコアとの乖離を確認するようにしていました。)を見直した結果、以下の事実に到達しました(後になって考えれば明らかなのですが。)。
> ・スピーキングが20点を超えていない現状に照らせば、リスニングで満点に近い点数をとらなければ100点を超えることは困難である
> ・スピーキング・ライティングセクションのリスニング部分について聞き取れないことが多く、結果として両セクションの足を引っ張っている
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> 途中伸び悩んだ時期がありつつも点数を取ることができた一番の要因は、自分の弱点と向き合い、それを克服するために必要と思われる対策を淡々と講じることができた点かなと思っています。
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Iさんは学習方法の見直しを行い、「テコ入れ」として2週間でListening問題、本試験6セット分に集中的に取り組まれ、28点というスコアを獲得されました。
(Listeningにかなりの時間をかけて取り組むことができたのは、前の「その2」でお伝えしたように、Reading、Writingで安定して高得点が期待できるだけの実力があり、それらのセクションへの対策にあまり時間を費やす必要がなかったという背景もあったと考えます。)
Iさんは、様々な学習法の実践に加え
> 特に聞き取ることが難しいものについては、全文ディクテーションも行いました(合計で10パッセージ程度)。
> また、語彙力を補強するために「TOEFLテスト英単語3800」を使用し、Rank2の単語については90%以上、Rank3の単語については80%程度まで記憶していました。
と、Listening力向上の学習法の1つとして「ディクテーション」に、Reading対策における単語力強化のために「単語と意味と例文が羅列された単語本」に取り組まれました。
「ディクテーション」「単語と意味と例文が羅列された単語本」への取り組みは、以下のブログ記事で書きましたように、私があまりお勧めしていない学習法になります。
ディクテーションは良い学習法でありながらも、そのやり方次第では、「量」をこなすことへの障害となりかねません。
TOEFL学習におけるディクテーションの目的は、表現を正確に聞き取れているか確認することです。
聞き取れた表現を確認するためには、必ずしも書き取る必要はありません。
A) 問題の音声を聞いているとき、表現が聞き取れていると思われるところはOKとする
B) 表現が聞き取れない、意味が取れないと思ったところは、スクリプト(話の原稿)を確認し、その箇所にアンダーライン引いたり、マーカーで色を塗る
で十分です。
もちろん、この作業の場合「実は聞き取れていなかったにも関わらず、聞き取れていると勘違いしている」可能性がありますが、細かな部分には目をつぶり、取り組みのペースを速め、多くの問題を進めることを優先します。
とは言っても、いわゆる書き取りのディクテーションは行わないものの、問題の音声すべてに対して一通り「聞き取れている or 聞き取れていない」「理解できている or 理解できていない」をチェックするので、丁寧に取り組むことになります。
「ディクテーションをやらないと何をやっても駄目」ということはありません。
例えば、TOEFLでListening 28以上を取るような人のほとんど*が、過去にディクテーションを中心に学習していないはずです。
英語学習者の「学習の目的」「実力」「それまでの学習過程」「学習の好み」等は、極めて多様であり、「ある学習法でなければダメ」と言えるものではありません。
*日本人に限定していません。Listening 28以上を取る世界中のTOEFL受験者という意味です。
単語本の取り組みによる単語力増強に関して その1(2011年2月9日)
単語とその意味と例文が羅列されているような単語本は、単語の難易度のレベルが分けられているので、そのような本を使用する場合、取り組むのは見開きのページに掲載されている単語の半分以上を知っているレベルまでとした方が、効率的・効果的に単語力をアップできるでしょう。
意味をほとんど知らない単語ばかりの高いレベルへの取り組みは、過去に「単語カード等を使い、記憶の確認を繰り返すことによって力技で単語を覚えた」という成功経験がある方のみ、お勧めします。
単語本の取り組みによる単語力増強に関して その2(2011年2月20日)
TOEFL iBTで高得点を取るには、高い単語力が求められます。
しかし高い単語力さえあれば、TOEFL iBTで高得点が取れる訳ではありません。
獲得を希望するスコアと比べ、現在のReadingのスコアはずっと低いという方は、単語力アップだけで目標スコアが取れるようになると考えてはいけません。
単語とその意味と例文が羅列されているような単語本は、単語の難易度のレベルが分けられているので、そのような本を使用する場合、取り組むのは見開きのページに掲載されている単語の半分以上を知っているレベルまでとした方が、効率的・効果的に単語力をアップできるでしょう。
意味をほとんど知らない単語ばかりの高いレベルへの取り組みは、過去に「単語カード等を使い、記憶の確認を繰り返すことによって力技で単語を覚えた」という成功経験がある方のみ、お勧めします。
ディクテーションにしても、単語と意味と例文を羅列した単語本への取り組みにしても積極的に勧めてはいないものの、「誰もがやらない方がいい」とまでは言っていないことが分かっていただけるかと思います。
ともに「それだけを行っていればTOEFLのスコアが伸びる」と考え、実践を続けた結果、伸び悩んでしまう人が多いため、上記のような注意を書いているのですが、その人の実力や、それまでの学習の段階によっては、非常に効果的な学習になることもあります。
Iさんの場合、様々なListening学習法と並行してディクテーションを行っていらっしゃいますし、また「単語と意味と例文が羅列された単語本」の効果的に取り組めるだけのReading力(英文処理速度、論理力、文法力、背景知識、解答力、背景知識)があったと言えます。
ウェブトフルでは1つの学習法だけをお勧めすることはありません。
どのような学習が効果的かは人によって異なるからです。
また学習者の実力は学習を進めることによって変わり、結果、有効な学習法も変化する可能性があります。
よって、ある学習者にとって、常に「この学習法が一番」と言うことはできません。
そのときどきにおいて、学習法の実践の結果、「よりできるようになった」と実感しやすいものを継続していきましょう。
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