TOEFLスコアアップに最適な学習法とは?
先日の投稿
Independent Writingにおいて丸暗記したエッセイをこじつけて書くのは有効か(2016年10月2日)
では
> 個人的には、いくつかのサンプルエッセイを暗記し、そこでの理由・事例を使いまわしてこじつけることをお勧めしていません。
> 上記のデメリットにより、個人的には、いくつかのサンプルエッセイを暗記し、そこでの理由・事例を使いまわしてこじつけることをお勧めしていません。
> 手っ取り早く4が取れるようになる方法としては有効ではあっても、私は確実にスコアが上がる方法を取った方がよいと考えるため、リスクのある戦略をお勧めはしません。しかし覚えるサンプルエッセイの表現・内容、またどれだけ上手くこじつけられるかによってスコアは変わるので、上記の内容を考慮してそのような戦略を取るかご判断ください。
と書きました。
しかし、これは一般的にはということであって「誰にとってもそのような学習方法を勧めない」という意味ではありません。
学習法に限らず、何かをする場合、必ずその行いには「良いところ」と「良くないところ」の両面が存在します。
その両面を判断した上で、現在の自分にとって最適なものを選択しましょう。
例えば、単語力向上に多くの人が使うのが、単語と意味が羅列された単語本。
そのような単語本で、TOEFL学習者の中でとても有名なものもありますよね。旺文社のものとか。
これまでこのブログに書いてきたことですが、「一般的には」私はこのたぐいの単語本の活用はあまりお勧めしていません。
なぜなら、単語と意味が羅列された単語本の活用により「単語力」が増強できても、TOEFL Readingで高得点を取るために必要なその他の力、つまり「英文処理速度」「文法力」「背景知識」「論理力」「解答力」が伸びないからです。
英語を長年仕事で使っているとか、普段から英字新聞を読んでいるなど、もともと英語力がかなり高い方は、これまでの英語との関わりではあまり出会うことがなかった、アカデミックな文章で使われる単語を覚えることによって、TOEFL Readingで高得点が取れるようになることはよくあります。
しかし、もともと英語が苦手とか、英語を普段から読む機会はないというような方が、単語と意味が羅列された単語本に取り組んでも、本に取り上げられている単語のほとんどを知らないと覚えるのが難しく、忘れやすいだけではなく、単語力以外の力が育たないので、結果、長時間頑張っているにもかかわらず、TOEFL Readingのスコアが全然アップしないという結果になりがちなのです。
単語力の向上方法に関しては、過去にいくつもの記事を書いていますので、参考にしてください。
過去のブログ記事にも書いてきましたが、人が勧める学習法はその人にとって上手くいっても、自分に合うかどうかは、その人と自分の違いを考慮して判断しなければなりません。
(ちなみに Web TOEFLでは、Listeningコースなら、1つの学習法のみをとにかく実践させるというようなことは行っていません。負荷の低い、取り組みやすいものから、段々と上級者向きのものへ移行しながらいくつもの学習法を紹介し、授業の中で実践していただいています。そしてスコアを指標とした実力別に、どのような学習法を取ったほうがいいかを提示しています。このようにいくつもの学習法を実践していただくなかで、自分にとって効果が高いと思われるものを選択し進めていくことができます。)
またある学習法は、学習者のレベルだけではなく、問題の難易度によっても有効かどうかが決まります。
「ディクテーション」を例として挙げ、考えてみましょう。
ある問題の音声を聞いて、その「全文」に対してディクテーションを行うとします。
もし仮にその問題の95%くらいと、ほとんど問題なくディクテーションできるとすると、そのディクテーションできる95%の部分からは学べるものが少ないということになります。
もちろん、聞き取れなかった5%をあぶり出し、自分の弱点を明確にするのはよいことです。
しかしそこを確認すために、すでにできるものに対して多くの時間を費やすことになるならば、時間効率の良い学習とは言えません。
またListening力向上のための学習法として多くの人が行っているのが「シャドウイング」。
シャドウイングとは(私は授業内で「音声シャドウイング」と呼んでいますが)、ざっくり説明すれば、英語の音声を聞きながら、その音声を自分の口で発話すること。
シャドウイングのやり方に関しては、それを勧める先生によって細かな違いがあることが多いと言えます。
シャドウイングは、そもそも音声をほとんど聞き取れていないと、成立しません。
例えば、ある問題の音声を聞いたときの理解度が50%くらいの状況で、その問題をシャドウイングしようとしても、シャドウイングできるのは確実に50%よりも低くなります。
そのような学習を行っても「聞き取れない」「理解できない」50%くらいはそのままなので、実力は効果的には向上しません。
(音声)シャドウイングは、基本的には、学習法の実践を通して、全文の内容を「表現が聞き取れ、意味が分かる」ようになってから行うことをお勧めします。
最後にまとめます。
私はこれまでずっと「このように学習することをお勧めします」という内容をこのブログに書いてきていますが、かと言って、それ以外の方法を否定するものではありません。状況は人によって大きく異なるものですし。だからこそ
においても、私があまりお勧めしていない学習法でスコアアップされた方のご報告もそのまま掲載させていただいています。
どのような学習法を行うにしろ、結果として、TOEFLで目標スコアが取れるほどの実力を身につければいいので、学習法の実践の結果、より「聞ける」「読める」「話せる」「書ける」ようになっているかを常に意識しましょう。
学習法の継続により、よりできるようになっていれば必ず目標スコアに到達します。
もちろん、私たちが勧める学習法はTOEFLスコアアップを着実に達成するためのものであり、実際に多くの方々が結果を出しています。
ウェブトフルはスタートから7年半ほど経ち、年末あたりには受講生数は4,000人に到達します。
それだけの数になるのも、過去に受講された方々が友人や後輩の方々にお勧めいただいてきたからであり、私たちが提供するものには自信を持って取り組んでいただきたいと思っています。
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