60を80にするには その2
前回の投稿では「目標80クリア」さんが60→80を達成するには、ReadingとListeningに集中して学習すべきと述べました。
しかし、「目標80クリア」さんはReading、Listeningに関して
l Reading 、Listeningともに内容を理解できるようになってきているにもかかわらず、なかなか正解率に結びつかない
l 読むだけなら簡単に感じるのにスコアが上がらない
という悩みを抱えています。
今回はこれらの悩みに対する理由を考えます。
まず、「理解できるのに」「簡単に感じるのに」スコアが上がらない理由の1つとして、
問題集のパッセージと本試験のパッセージの難易度が異なる
ことが挙げられます。
市販のどの問題集の問題も、程度の差はあれ、本試験の問題よりも易しい
と言えます。
(ここでは洋書の問題集を想定します。日本語のものは問題・解法・解説の質の低いものが多いので)
「市販の問題集だと70%くらい正解できるのに、本試験だと全然解けない」
「市販の問題集のパッセージは読みやすいのに、本試験のものはほとんど理解できない」
という方もいらっしゃるでしょう。
しかし
市販の問題集で70%の正解率では、本試験では半分くらいの正解率
でしょう。
「目標80クリア」さんのReadingのスコアは18, 14, 14ですから、本試験の問題の正解率はだいたい50%前後です。
Readingを23点にするには本試験で70%くらいの正解率が求められます。
そして、
本試験で70%正解するためには、問題集では90%取れるようになる必要があります。
問題集で20-30%間違っているようでは、TOEFL本試験で高得点を望めません。
「20-30%しか間違っていないのに」ではなく「20-30%も間違っている」と考えましょう。
特に100点を目指すならば「市販の問題集のReading、Listening問題のほとんどは楽々正解できる」と感じるレベルまで持っていく必要があります。
市販の問題集が本試験より少し易しいからと言って、解く価値がないと思ってはいけません!
易しい分、高い正解率を目指して下さい。
そして理解できなかった箇所を理解できるようにする、間違った問題を正解できるようにすれば実力は必ず向上します。
話を戻します。
「理解できるようになってきている」「簡単に感じる」とは言っても、まだ十分ではない。
「もっと理解できるようになる」「もっと簡単に感じる」ようになる必要があると思ってください。
市販の問題集において、90%くらいキッチリ正解できる・理解できるようになれば、本試験でより高いスコアが取れるはずです。
ただ、市販の問題集とは言っても、問題の難易度、クオリティ、本試験の傾向との類似性においてそれぞれ大きく異なります。
「目標80クリア」さんが使用したLongmanはListening問題のスピーカーの話す速度が本試験のものと比べるとゆっくりである問題が多いという傾向があります。
よって、速く話される英語の聞き取りが苦手という方がLongmanで学習すると、Longmanのスピードについていくことはできるようになっても、本試験でのスピードについていけないということが起りえます。
例えば、野球で80キロのボールを打てるようになったが、90キロは全く打てないという場合、やはり90キロのボールを打つ訓練が必要です。
もともと速く話される英語に慣れているのなら別ですが、そうでないのなら、最終的に本試験と同じくらいのスピードの問題集に取り組むべきです。
ウェブトフルがListeningコースのテキストとしてDeltaとOfficial Guideを使用しているのも、スピーカーの話すスピードが速いDeltaで対応力を磨き、そしてスピード、難易度ともに本試験レベルのOfficial Guideで実践的な演習を積むのを狙いとしています。
まとめます。
問題集は「理解できるのに」「簡単なのに」本試験でいい点が出ない理由の1つは、本試験の方が問題が難しいから。
高得点を取るためには、問題集の問題をほとんど正解できるようになる必要がある。
「20-30%『しか』間違っていないのに」と考えてはいけない。
「20-30%『も』間違っている」と受け止め、間違いから謙虚に学ぶ姿勢が実力向上につながる。
話はまだ続きます。
次回は「『理解できる』のにいい点にならない」別の理由に関してです。
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