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SpeakingとWritingの新たなスコア算出方式を考える その1

下の表をご覧ください。
こちらは2013年の初めにTOEFL公式サイトで公開されなくなったSpeakingセクションの換算表。
Scaled Scoreには25、21、16、12点がありません。
TOEFL iBT受験者はSpeakingセクションでこれらのスコアを取ることがありませんでした。
よって、例えば出願先の大学院がSpeaking 25を要求する場合、25がないので出願者は26以上のスコアを取らなければなりませんでした。
最近までは …

TOEFL Speaking 換算表(旧)

 

 

TOEFLのSpeakingセクションでは、6つのタスクそれぞれに対して、ひとりの採点官が評価点をつけます。
評価点は 4, 3, 2, 1, 0 のいずれか。
6つのタスクに対する、採点官の数は3-6人。
(ひとりの受験者の回答に対して最低3人の採点官が関わります)
Writingセクションでは、1つのエッセイに対して人間の採点官とe-raterという自動採点プログラムそれぞれが評価点をつけますが、現在公式サイトに書かれている通り、Speakingで評価点をつけるのはひとつの回答に対してひとりの人間の採点官。Speakingにはe-raterは使われていません。

 

Frequently Asked Questions about the TOEFL iBT® Test

How are my Speaking responses scored?

 

 

ところが、先月から上の換算表のScaled Scoreにないスコア(25, 21, 16, 12)を取ったという報告をいただくようになりました。

上の換算表は数年前に公開されなくなったものの、最近までこの換算方式に基づいてスコアが算出されていたはず。

 

これまで出なかったスコアを取るようになったことは、スコア算出方法の変更を意味します。
では、どのように変わったのか?

 

数年前、Writingのスコア換算が変わったときに私は「人間の評価点とe-raterと評価点に若干の差をつけるようにした」と推測しました。
スコア算出の変更の影にe-raterありと。

 

Writingで23や26というスコアがでるのはなぜですか? その1(2014年1月8日)

 

ですが Speakingでは今も、TOEFL公式サイトには人間の採点官が評価点をつけるとしか書いていません。
繰り返しになりますが、Speakingにe-raterは使われていないよう。

 

Speaking回答に対する「評価方法」を変えていないなら「換算方式」が変わったということ。
ここからは推測になりますが、

 

スコア算出に問題の難易度を加味するようになった

 

と思われます。

 

例えば、今回のSpeaking問題は全受験者のスコア平均がいつもより低かったなら、問題全体が難しかったと言えます。
以前は評価点平均が2.0なら問題の難易度に関わらず換算表に基づいて15点になったが、問題が難しいときに評価点平均が2.0取れたのであれば「今回は15ではなく16点にしてあげよう」ということになったのではと。

 

このような問題の難易度を考慮したスコア算出は、Reading、Listeningでも行われています。
そのあたりのことは次回に書きます。

 

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