GMATをいつ始めるべきか その2
結論から申し上げます。
というか、GMATをいつ始めるべきか その1 からリンクした以前の投稿では、
結論として、海外のビジネススクール志望者は、まずTOEFL iBTで目標スコアを獲得したあと、GMAT対策へ移るのが理想的です。焦ってGMAT対策を始めることによって、TOEFLとGMAT対策にかける期間が長くなってしまう人は少なくありません。
と書いたので、結論はそこで出ていると言えるのですが、今回はもう少し詳しく書きます。
GMATは、少なくとも「合格可能な最低限の」TOEFLスコアを獲得してから開始すべきです。
例えば、目標TOEFLスコアが105以上の人でも「最低90あれば志望校のどこかに出願できる」ということならば90以上を取ってから、GMATに移るべきです。
(要求されたスコアよりも数点少なくても合格できる場合もあったりします。例えば100以上を要求されているが90後半で合格ということも。志望校の過去の合格者のスコアは調べておきたいポイントです。)
良くないのが、60-70くらいでありながらも焦ってGMATに移ってしまう場合。
「いつまでに出願しなくてはならないから、GMATも早めに始めなければならない」
という気持ちは分かりますが、TOEFLが60-70の英語力の方がGMATを始めても高得点は望めません。
GMATの学習を始めても、例えばTOEFLが100以上ある人と比べれば消化吸収のスピードが遅く、思うように実力が上がらないという結果になりがちです。
またGMAT対策を始めるとTOEFLよりもGMAT中心の学習になってしまうので、その間TOEFLスコアの大幅なアップは期待できません。
iBT試験ではGMAT学習によるTOEFLへの相乗効果もあまり期待できないため、GMATを通して高めた英語力のプラスとTOEFLから離れることによるTOEFL 4セクションに対する実力低下のマイナスによって、トータルでプラマイ・ゼロくらいにしかならないと考えた方がいいでしょう。
60-70の人がGMATに手を出しても、GMATが思うように上がらないだけではなく、GMAT対策をしている間、TOEFLのスコアアップもせず、結果、GMAT対策期間が終わった後、60-70では出願できないため、TOEFL集中に切り替え、TOEFLで目標スコアを目指すことになります。
しかしその間はGMATから離れるので、TOEFLで出願可能なスコアを取った後、GMATをいちから復習し直すという非常に効率の悪い学習になってしまいます。
TOEFLが「最低90あれば志望校のどこかに出願できる」という人が80でGMATを始めるのはギリギリ「アリ」だとは思いますが、80とは言っても初めて受けたスコアが80の人と、これまで10回以上受けてやっと80を取った人では、その後に期待できるスコアの伸びが異なります。
「TOEFL 60以下のスコアからスタートし、1年かけてやっと80台まで持ってきた。もうTOEFL対策にも飽きてきたし、気分転換にGMATを始めるか」
と考えてはいけません。
1年間苦労して80台までたどり着いたのです。
90や100は片手間に取り組んで取れるスコアではないということは分かるはずです。
出願に最低限必要な90以上や100以上のスコアを目指し、もうひと踏ん張り集中しましょう。
やれることはまだまだあるはずです。
もちろん「GMATで高スコアが必要だから早めに始めたい」という気持ちも分かります。
しかしTOEFLスコアが要求に達していなければどこにも出願できません。
TOEFLで最低限必要なスコアがあれば、GMAT対策、その後の出願準備にも集中できます。
またTOEFLを通して高めた基盤としての英語力がGMATの消化吸収の加速化に貢献します。
今回私はかなり踏み込んで発言しているつもりです。
私と異なる意見を持つ方、アドバイスをする方も多いでしょう。
私もGMATを始めようという方全員に今回書いたアドバイスが当てはまるとも思いません。
ただ、TOEFLで十分なスコアを獲得していないうちにGMATを早く始めたことにより、結局、両方とも目標スコアまでたどり着かず、留学準備が長期化した、または留学自体を諦めたという方を多く見てきたTOEFL講師の意見として参考にしていただければと願います。
まずはTOEFLで出願に最低限必要なスコアを獲得し、その後GMATに集中できる状態にしましょう。
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