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えっ!TOEFLが2種類になるの?8月から始まるTOEFL Essentialsってどんな試験? その2

2021.02.28

※ 今回の記事は、現在TOEFL iBTスコアアップに取り組まれている方々には関係ない内容です。TOEFL Essentialsの考察として書いたもので、現時点で分かっていることをまとめた、やや私の備忘録という趣になっています。

 

» えっ!TOEFLが2種類になるの?8月から始まるTOEFL Essentialsってどんな試験? その1

 

の続きです。

 

Adaptive Format

 

まず、8月に開始予定の新しいTOEFL試験、TOEFL Essentialsの特徴のひとつであるAdaptive Formatについて書きます。

 

 

» About the TOEFL Essentials Test

 

adaptiveは「適応[順応]する[できる]」という意味の形容詞。

Macmillan Dictionary)changing in order to deal with new situations

Cambridge Advanced Learner’s Dictionary)having an ability to change to suit different conditions

 

「状況に応じて変わる(ことができる)」という意味合いですが、試験においては受験者の実力に合うように問題の難易度が変化することを示します。
つまり、英語力が高い人には難しめの問題、英語力が低い人には易しめの問題を出題してより正確に実力を測定する仕組みになっている。

 

英語力が高い人たちに易しめの問題を出したとして、全員全問正解してしまうと上級者の中で上の方か下の方かなど、細かく実力を測定できません。
しかし、だからと難しめの問題ばかりを出題すると、英語力の低い人の実力測定が難しくなる。
なので、理想としては易しめの問題、普通の問題、難しめの問題すべてを出題するのがよいのですが、そうすると問題量が多くなり、試験時間が長くなってしまう。

 

このような問題を克服する方法がAdaptive Format。
Adaptive Formatでは、最初に真ん中レベルの問題が数問出題され、そこでの正解率がよければ、問題の難易度が上がり、またそこでの正解率がよければ、更に難しくなるという仕組みになっています。
なので、最初の数問で正解率がよくないと、その後、難易度が低い問題が出題される流れになります。
よって、最初の数問と最後の数問では重みが異なり、同じ正解数・正解率でも間違った場所によってスコアが大きく変わる可能性がある。
(結果、adaptiveの試験は「運次第の部分が大きい」とも言われることが多い)

 

問題の難易度が受験者の実力に適応することによって、少ない問題数でも実力判定が適切にできるというのがadaptiveの理屈ですが、実際のところその方式により、特に少ない問題数でiBTと同じくらい正確に英語力を測定できるかは、正直どうなんだろうと私は思っています。
TOEFL試験がiBTに変わる十数年前、TOEFLはCBT(Computer-based Testing)という形式で、CBTではListeningとStructure(文法)問題にadaptiveが使われていたが、iBTになったとき採用されなかったので(問題が長いiBTの形式に合いにくいのが一番の理由だとは思いますが)。
Essentialsを始めるにあたって「adaptiveが優れているから取り入れよう」というよりは、「試験時間を短くしなければならない」からadaptiveを採用した感じがします。

 

測定する英語運用力の範囲

 

TOEFL Essentialsの開始において、注目されていないポイントは、EssentialsはiBTよりも大きな幅での英語力測定を狙っていること。

 

 

» Comparing the TOEFL Essentials and TOEFL iBT Tests

 

上のETSが公表したEssentialsとiBTの比較における “Main Test Design Principle” では、EssentialsはCEFRという外国語運用能力を判断するための国際標準でのA1からC2までの英語力測定ができるようにデザインされているとのこと。
それに対してiBTの方はA2からC1までとされています(その判断が正しいかは分かりませんが)。
この範囲の違いは下の表をご覧ください。

 

ETSとしては、新たなTOEFLは A1(一番下)からC2(一番上)までの広範囲なレベルを測定できるものにしたかったのでしょう。
しかもiBTの半分の試験時間で!?
狙いとしては無理がある気がしますが、受験者の英語力に合わせた問題を出題するadaptiveなら理論上は可能なのかもしれません。

 

 

果たしてTOEFL EssentialsはiBTよりも広範囲な実力レベルを測定するのに適しているのか、5月公表予定の問題サンプルを見て私の考えを述べます。

 

Essentialsは試験時間が短くて、値段も安くて、自宅で手軽に受けられて、より広範囲の英語力を測定できると良いこと尽くめで、「もうiBTっていらなくなるんじゃない?」という感じなのですが、このETSの話に大学側がどれだけ乗ってくるのか?
2019年にETSは、TOEFL iBTの各セクションのベストスコアの合計 “MyBest Scores” もその人の英語力を示すものとしてvalidであると公表しましたが、MyBestスコアでの出願を認めている大学はまだ多くはない印象。
つまり大学側はETSの話を必ずしも鵜呑みにしてはないので、特に日本の大学やトップ校と呼ばれる大学・大学院がEssentialsを採用するかどうか、非常に興味深いです。

 

次回の「その3」では、そもそもなぜETSがTOEFL Essentialsを始めたのか?その理由について書きます。

 

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