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【再掲】TOEFL Listening対策としてディクテーションを行うべきか?

以下、過去記事の再掲です。

 

トフレのListeningコース受講生の方から「自分の弱点発見のためにディクテーションを取り入れるのはどうか?」というご相談をいただきました。
ディクテーションについては過去にブログ記事に書いたのですが、かなり前でもあるので改めてまとめ、追記することにします。

 

ディクテーションとは

 

ディクテーションとは一般的に、英文1文、または英文の1部を聞き、その表現を書き取ることによって、聞き取りの理解度を確認する方法(スペルや文法理解の確認のために行うこともありますが)。

ディクテーションによって、自分が聞き取れた表現、聞き取れなかった表現が明確になるため、自分の音声認識力や表現力をチェックできます。そして聞き取れなかった表現の音声や、もともと知らなかった単語や表現にその音声と合わせて慣れれば Listening力が向上します。

 

ディクテーションの欠点

 

では

 

TOEFL Listening対策においてディクテーションを行うべきか?

 

ディクテーションは音声の聞き取りを確認する上で、効果的ですが

 

1.まともに行うと時間がかかりすぎる

2.長めの文の書き取りの際、聞き取れていても、実際に聞き取った表現を書き始めると書いているうちに後半部分の表現を忘れてしまい、後半部分が本当に聞き取れていたのかが確認できないことがある

 

という欠点があります。

 

まず1に関して

 

TOEFL対策を行っている人のほとんどは、仕事や学校が忙しく、毎日一日中学習を行えません。日常で費やせる学習時間が限られている方が、問題すべてに対してディクテーションを行うとなかなか進まなくなる恐れがあります。

 

英語の達人の中にはディクテーションで英語力を飛躍的に上げたという方がいらっしゃいますが、そのような方はだいたい毎日1時間以上ディクテーションを行い、またその他の学習にも数時間以上取り組んでいたという場合が多いです。

 

しかし同様の学習法を学習時間が限られているTOEFL学習者が進めても、取り組む問題数が少なくなり、結果、実力があまり上がらない恐れがあります。

 

TOEFLスコアアップのためには、通常「量」に対する取り組みが必要です。

 

例えば「人類学」「アメリカ史」「芸術」「地質学」「生物学」が学問分野の5題のListening問題が完璧に理解できるようになった人が、「植物学」や「天文学」がトピックの問題を聞いた時、全然理解できなかったとしても当然。

植物学での基本単語「光合成」「種」「新芽」「花粉」「茎」「幹」や天文学での基本単語「惑星」「衛星」「軌道」「隕石」などを知らない、または植物学や天文学がトピックの話に対して背景知識をあまりもっていない人は、植物学や天文学関連の問題が出題されたら大幅にスコアを落とすかもしれません。

このような事態は、多くの様々なトピックの問題を通して、それぞれの学問分野でよく使われる単語を覚えていけば避けられます。

 

ディクテーションは効果が望める学習法でありながらも、そのやり方次第では「量」をこなすことへの障害となりかねません。
では「量」に取り組みをながらも聞き取りを確認するためにはどうしたらいいのか?

 

Listening聞き取り確認方法

 

TOEFL学習におけるディクテーションの目的は、表現を正確に聞き取れているか確認すること。
聞き取れた表現を確認するためには、必ずしも書き取る必要はありません。

 

1. 問題の音声を聞いているとき、表現が聞き取れていると思われるところはOKとする

2. 表現が聞き取れない、意味が取れないと思ったところは、スクリプト(話の原稿)を確認し、その箇所にアンダーライン引いたり、マーカーで色を塗る

 

という方法で代替が可能と考えます。

 

もちろん、この作業の場合「実は聞き取れていなかったにも関わらず、聞き取れていると勘違する」可能性がありますが、細かな部分には目をつぶり、取り組みのペースを速め、多くの問題を進めることを優先します。

 

とは言っても、いわゆる書き取りのディクテーションは行わないものの、問題の音声すべてに対して一通り「聞き取れている or 聞き取れていない」「理解できている or 理解できていない」をチェックするので、丁寧に取り組んではいます。

 

聞き取りの確認ですが、1文くらいずつでも、段落ずつでも結構です。しかし、ちゃんと聞き取れているか自信のない場合は1文くらいずつでの確認をお勧めします。明らかにほとんど聞き取れていると思われる場合は、数センテンスや1段落ずつ進めましょう。

 

進め方の具体的なイメージですが

 

問題の音声を1文、またはいくつかの文(1段落くらい)を聞く[必要に応じて繰り返し]

聞いた範囲のスクリプトを確認する

聞き取れていなかった、理解できていなかったと思われる個所にアンダーラインなどでチェック

アンダーラインの箇所を、リピーティングや音読などにより表現の音声や意味に慣れ「表現が聞き取れ、意味が理解できる」ようにする

 

このような作業によって、ディクテーションの欠点として上げた

 

2.長めの文の書き取りの際、聞き取れていたと思われるが、実際に聞き取った表現を書き始めると、書いているうちに後半部分の表現を忘れてしまい、後半部分が本当に聞き取れていたのかが確認できないことがある

 

も、頭の中でいったん表現を確認したあとすぐにスクリプトを見れば、表現の後半部分を忘れてしまうこともありません。

 

聞き取れなかったところすべてを完璧に見つける必要はありません。
実際に聞き取れなかったところの90%が押さえられ、その90%を聞き取れるようにしていけば確実に実力は上がります。

また最終的に、問題音声を聞いてのシャドウイングをスクリプトを見ずに行えば、表現が聞き取れているか確認できます。

 

このようなやり方で、効率的に聞き取りの弱点を探し、リピーティングや音読、繰り返し聞く等の実践により表現の音声と意味に慣れることで弱点をつぶしていけば、確実にListening力は向上します。

 

大切なのが、この作業を多くの問題で行うこと。
確実にスコアアップさせるためには、できないものをできるようにする「質」を追い求めながらも「量」をこなしましょう。

 

Listening学習において大切なこと

 

ディクテーションに関しては上記のように考えるため、トフレのListeningコースの中ではその実践をお勧めしていません。
しかし学習時間が多く取れるのであれば、とりあえずListening問題1題に対してディクテーションを行ってみてはいかがでしょうか。実際にやってみると、1時間ほどで現在の自分にとって効果的か、取り入れてバランスが取れるか確認できるでしょうし。

 

ディクテーションを試して効果的に感じられるからどんどんやっていこうという場合でも、ディクテーション一辺倒になってしまうのはお勧めしません。
Readingにおいて1文1文が正確に理解できても設問に正解できないことがあるように、Listeningにおいても問題には話の展開、論理の流れがあり、必ずそこに注目しながら問題を聞くべきなので。
また1文を止めながらゆっくり正確に理解する力と、話がどんどん進んでいく中で、全体像を把握しながら素早く理解する力は異なりますし。

 

ディクテーション推進派の方はその効果を強調されますが、世界中の、英語を外国語として学んだ上達者はディクテーションを(ほとんど)行わずして Listening力を高めています。
なので「ディクテーションを行わないとダメ」とは考えないでください。
ディクテーションを行ったとしてもそれだけをずっとやっている英語学習者はいないので、気になるならやってみて、上で私がお勧めしている聞き取り確認方法と比べてください。
その上で、自分によりあったものを選んで行いましょう。

 

英語学習者の「学習の目的」「実力」「ターゲットとする英語のレベル」「それまでの学習過程」「学習の好み」等は多様であり「ある学習法でなければダメ」ということはありません。
また自分のListening力が大幅に向上したら、効果が見込める学習法が変わって当然。
学習法はそのときどきの状況に応じて「より表現が聞き取れるようになった」「より意味が理解できるようになった」と実感できるものを選択し、実践しましょう。

 

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