本試験受験中のプレッシャーに打ち勝つには その1
ウェブトフルの受講生の方から以下のメールをいただきました。
おそらく同じような悩みを持っていらっしゃる方も多いかと思い、匿名でのブログ掲載の許可をいただいたので、こちらで回答させていただきます。
昨日も受験してきましたが、
最近、受験中に感じるのが、点を落とせないというプレッシャーで、
冷静さを失って、どこかで、失敗してしまうということです。
たとえば昨日は、
リスニングの1セット目の2番目のレクチャー問題の
2問目(全体の7問目くらいです。)で、久しぶりに並べ替え問題が出て、
ちょっとわかり難いところがあり、
迷っているうちに、回答時間が残り3分になってしまいました。
その問題を捨てればよかったのに、大失敗です。
先週は、2セット目の1問目のパッセージが難しく感じてあせってしまい、
総問題数が28問ではなく、27問で、
最後の問題が表完成だということに気づかなかったり・・・。
以前は、「どうせ内容自体あんまり理解していないから、いいや」
とか、「今日も相変わらず難しいなあ」くらいの感じで、
自分ができないことが、あまり気にならず、
割り切りの気持ちがあったのですが、
最近は、リーディングパッセージやリスニングのレクチャー自体の内容が
前より理解できてきていることと、
点を取りたいという気持ちが強すぎるみたいで、
かえって、1問1問割り切れなくて、
冷静さを失って
時間配分等で大きな失敗をしてしまっている感じです。
しかも、問題なのは、
そういう失敗をした後に、テンションが大きく下がってしまい、
他の問題や科目にも、あきらめの気持ちが出てしまって、
集中力が無くなってしまいます。
悪いところは分かっているのですが、
なかなか自分をコントロールできなくて、
あと、12月の3回の受験も、不安です。
結果として目標点に達成するかはともかくとして、
とりあえず、試験会場で自分の今の実力を発揮して、
すっきりした気持ちで家に帰ってくるような受験の仕方をしたいのですが、
どうすればいいでしょうか。。。
変な質問ですみません。
何かアドバイスいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
ここで挙げられている悩みは2つ。
1.すべての問題を正解しようとして、難しい問題に時間を費やし過ぎ、時間配分に失敗してしまう。
2.ミスをした後、その後の問題に対するモチベーションが低下してしまう。
私が「集中だー!」「ミスを気にするな!」と言っても、おそらく何の解決にもならないでしょう。
回答に迷うご相談です。
まず1の
「すべての問題を正解しようとして、難しい問題に時間を費やし過ぎ、時間配分に失敗してしまう」
に関して。
ここではReadingとListeningセクションに限定させていただきます。
まずReadingは結構多くの問題を間違えてもそれなりに良い点が出ます。
例えば、Official GuideのPractice Test 2では4問(ポイント)間違えても29点になります。
新OG Reading正解数とスコアの換算表 その1 (2009年7月4日)
「何問間違ったら何点」と決まっている訳ではありません。
難易度が高いときの試験は、不正解数が多めでも良い点になります。
Reading、Listeningの問題では、基本的に1問に対する配点(1ポイント)は同じであり、問題の難易度によってポイントが変わることはありません。
(パッセージ最後のまとめの問題や複数ポイントになる例外的な問題は1問2、3ポイントになることも)
よって、難しい問題に時間をかけすぎて、易しい問題を解く時間がなくなったり、少なくなったりするのは避けなければなりません。
Readingでは5問くらい間違っても28になることが多いので、28以上の高得点を狙う場合でも、1パッセージあたり、1、2問は解答に自信のない問題があっても良しとする。
Readingは後で戻ってきて解答を変えることができるため、解答に時間がかかりそうな場合は、適当に1つの選択肢を選んで、後で時間が余ったら、その問題に戻って考え直す。
もし戻るだけの時間がなくても、1、2問は適当に選んで解答する問題があってもOKと割り切る。
これ大切です。
Readingの目標設定を最初から、「全問正解」とするのではなく、例えば28点狙いなら
「1パッセージあたり、1、2問は適当に選ぶ。その他の問題はすべて自分なりに考えて解答する。」
としましょう。
目標設定が高すぎると、達成することが極めて困難になり、自滅することになります。
ときには問題を「捨てる」ことを明確な戦術として意識しましょう。
続いて、Listening。
Readingは高得点のあたりでは2問ごとに1点スコアが動くのに対して、Listeningは1問取るか落とすかで、1点上がったり下がったりするシビアなセクションです。
新OG Listening正解数とスコアの換算表 その1 (2009年7月10日)
Listeningでは特に「制限時間内に問題が解き終わらなかった」というのは避けたいところです。
Listeningは1セット(17問)につき10分の制限時間。
よって、1問あたりにすると約35秒。
問題はConversation → Lecture 1 → Lecture 2 という順で出題されます。
Conversationの後には5問。Lectureの後には6問続きます。
1問平均35秒ですから、それぞれの問題にかける時間はConversation 3分、Lecture 3.5分としましょう。
よって、Conversationが終わった時には、残り7分。最初のLectureが終わった時には、残り3.5分残っていればOK。
難しい問題に出くわした時は、この残り時間を意識し、目の前の難問を正解しようとねばるよりも、ペース配分を大きく崩さないことを優先しましょう。
Listening問題を正解するには、そもそも聞いた内容が理解できていなければなりません。
選択肢を読んで、どれが答えか分からないという場合、時間をかけても正解する確率は大して上がりません。
ListeningはReadingと異なり、後で戻ることはできませんが、残りの問題に対する時間確保を意識して、1つの問題に時間をかけすぎないことが大切です。
「点を落とせない」と考えるのではなく、「点は落ちる(失点する)もの。答えが分からないもの、難しいものがあるのは当然」と考えましょう。
また、一般的にはReading、Listeningともに本試験の形式での問題に取り組むことによって時間配分に慣れることも有効です。
時間配分の訓練が必要と感じる方は、Complete Practice Testの受験をお勧めします。
ETSによるTOEFL iBT公式模擬試験 Complete Practice Test
続いて2の「ミスをした後、その後の問題に対するモチベーションが低下してしまう」に対するアドバイスですが、かなり長くなったので次回の投稿で行います。
もし皆さん自身が考えるアドバイスがありましたら、是非コメント欄でお知らせください
宜しくお願い致します。
明日の早朝(と言ってもあと数時間後ですが)から予告通り、3月TOEFL iBT試験申込み受付が開始されたかお知らせするために、このブログ上で速報を行います。
では皆さん。また明日。
コメント
みなさん
前回、私も同じ並べ替えで時間を取ってしまい、最終問題は残り9秒でしたので、テキトウに選びました。また、2セット目は1分以上余りました。
ただ、実力の向上なくしてスコアアップはありえないと思っています。なので、もっと細部まで聞き取れるようにしないといけないなと単純に感じています。また、前回のリスニングは全体的にそう難しくありませんでした。2セット目の1問目も他に比べれば簡単です。質問者の方が向上させる必要があるのはTest-takingではなく、おそらくリスニングの力だと思います。
最近気づいたのですが、リスニングセクションは姑息な引っ掛けがあります。なので、リスニングの力がついたら、PracticeテストでTest-takingを勉強する必要があると思います。
最後に、前々回のテストで回答直後に自分の選んだ答えが間違いだったと気づき、その後、動揺して次の問題に集中できませんでした。忘れなければ、忘れなければと考えていても、意外と自分をごまかせませんでした。そんなときは、顔をつねったり、ひっぱたいたりして物理的に痛みを与えると気を紛らすことができます。テンション下がったら、たたいて気合を入れなおしましょう。
TOEFL予約報告さん
実体験を踏まえてのアドバイス、ありがとうございます!
Katsurayama
私も先日受けた本試験のListeningで時間が足りず、1問解答できませんでした。
その前は、リスニングの内容があまり分かっていなかったため、わからないものはどんどん飛ばしてかなり時間が余ったのですが、なまじっか聞き取れる部分が増えると、逆に選択肢で迷ってしまって時間切れになってしまいます。
試験の最中は、うまく自分をコントロールしていくしかないと思いますが、やはり普段の学習でリスニング力を上げ、自信を持って解答を選べるようになるしか、根本的な解決はないように感じています。
ミスをしたときのモチベーションダウンについても、課題です。
私なりの一つの対策法としては、「今回の本試験を通過点と考える」というもの、つまり、「また次があるじゃないか」と考えることです。(TOEFLは大学受験とは違い、本番一発勝負ではないので。)そのために、多くの本試験予約をしていますが、スコア提出締め切りが近付いてくると、それも効かなくなるんでしょうね。。。
でも、よく考えてみると、これまで受けてきた数々のテスト・試験でも、ごく簡単なものを除けば「会心の出来」というのは数えるほどしかありません。スポーツなどでも同じだと思いますが、実力の最大値から若干割り引いたくらい(少しのミスを織り込んだくらい)が、本番に発揮できる実力なのかも知れません。
つらつらと失礼しました。
Neck and Neckさん
「会心の出来」は少ないものだというご意見、非常に面白い考察です。
アドバイス、ありがとうございます。
Katsurayama