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「TOEFLスコアアップのためにお勧めの文法書はありますか?」に回答します!

卜フレのListeningコースの受講を開始したばかりの受講生の方からいただいたご相談に対して、ブログ上で回答します。
(いただいた相談へはすでに回答済みであり、また文面の掲載に対して許可をいただいています)

 

その方のTOEFLスコア(初受験):

2024/10/16  Total 39, R 10, L 5, S 13, W 11

 

以下、ご相談メール:

英文を読むにあたり、文法をおろそかにしていたと感じております。
というのも、大学受験以来、文法の勉強は一切しておらず、今までのTOEFLの勉強にあたっても、わからない構文や文章構造があればその都度調べる程度です。

 

現在受講させていただいているlisteningの講座に関して言えば、スクリプトの90%以上は文法構造が理解でき、日本語訳がなくても理解できます(単語を調べて複数回読むことは必要)。
TOEFLのreadingの文章については80%程度、文法構造の理解が可能です(こちらも複数回読むことが前提です)。

 

ただ、大学受験レベルの構文も忘れている部分が多く、読めば、「ああそうだった。こんなのあったな」と理解はできますが、しゃべったり、書いたり、自由に使いこなすことは全くできない状態です。
さらに言えば、中学レベルで出てくるような、たとえば、the more the more 構文や、過去完了、仮定法なども、もちろん読むことはできますが、理解があやふやな部分があり、とっさにしゃべったり、書いたりするとミスが多いと思います。
(さすがに、未来形や過去形、SVOCなど超基礎的な部分についての理解は問題ありません。)

 

文法の勉強をやり直そうと思うのですが、何かおすすめの文法の教科書はありますでしょうか。

 

 

1.お勧めの文法書は特にありません

 

今回、ブログ記事で回答させていただくことにしたのは、同じように考えられている方もいらっしゃると考えるから。TOEFL対策を始めると、多くの方がReadingの問題パッセージやListeningのスクリプトで、文法的に理解できないところがあることにより「文法の参考書に取り組んだ方がいいのでは」と考えます。

 

まず、以下の記事でお伝えしたことではありますが

 

» TOEFL Readingで文の構造が分からないときがある。文法力を高めるには何をしたらいい?

 

TOEFL iBT (Reading)問題をより理解するのに適した文法書はない

 

と考えます。なので、私がお勧めする文法書はありません

 

これは「TOEFL対策において文法は大切でない」ということではありません。
文法が分からない場合は、その都度、調べて学んだ方がいいです。

 

参照する文法書は、どれでも結構です。
書店に行って、自分にとって分かりやすく説明されているものがあればそれでいいでしょう。
昔、買ったものがあればそれでもOK。

 

問題への取り組みを通して分からない文法項目があれば、手元の文法書で確認する。
もしそこの説明が十分ではなかったら、他の本を見てもいいのですが、その文法項目の名前で検索すればいくらでも説明がみつかります。ChatGPTなどのAIに尋ねてもいいでしょう。

 

そうやって理解できないところがある文を理解できるようにすることにより、文法知識を蓄えていきましょう。

 

 

2.理解できないのは文法力不足が原因?

 

「文法力不足により理解できない」と思われても、実は、単語・表現の意味を知らなかったり、前の文の意味を十分に理解できておらず、話の流れがつかめていなかったり、背景知識がなくて話の内容にピンときていなかったりすることが多いもの。

 

例えば、以下の文。OG 7th EditionのListening問題(会話)内の1文ですが

 

The engineering library was completed last year … and Lightstone Dormitory shortly after.

 

文法にこだわる人だと「andの後に動詞がない」とか「afterは接続詞や前置詞なのに、その後に何も続いていない」ことにひっかかり、文法構造理解に時間をかけてしまったり、文法が分からないことにより、意味が取れなくなってしまったりすることがあります。

 

しかし、この文が提示する意味は

 

The engineering library was completed last year … and Lightstone Dormitory shortly after.

「工学図書館は昨年完成し、そしてライトストーン寮はすぐ後に」

 

ということ。そこまで理解できれば

 

「工学図書館は昨年完成し、そしてライトストーン寮は(工学図書館が完成した)すぐ後に(完成した)」

と分かります。

 

あえて言うと「andの後に動詞がない」「afterは接続詞や前置詞なのに、その後に何も続いていない」理由が分からなくても、意味は問題なく取れます。

 

文の意味が分かるのに文法が気になり、そこの理解に時間をかけていると、TOEFLにおいてあまり大切ではないポイントに多くの時間を費やし、結果、学習効果が低くなります。

 

ちなみに、この文に関して説明すると

 

The engineering library was completed last year, and Lightstone Dormitory (was completed) shortly after (the engineering library was completed).

 

と前の文(The engineering library was completed last year)と共通である[重複する]箇所は繰り返し使われるとクドくなるので、省略されているだけ[文法的には「共通要素の省略」などと言われます]。

 

今の時代、このような説明はAIに尋ねれば時間をあまりかけることなく回答が得られるでしょう。
(卜フレのReading、Listeningコース教材の問題であれば、過去に受講生の方々がした質問に対する私からの回答をまとめた「解説Q&A」を参照できます。またもしそこに解説がなければ、私に「質問メール」を送って説明を求めることもできます。)

 

 

3.TOEFLで問われやすい文法項目はありません

 

TOEFLを大学入試の英語の延長で考えている人は多かったりしますが、一般的な大学入試の英語とは全然異なるものと考えてください。例えばTOEFLスコアアップのために1ヶ月間、文法固めに取り組まれても、スコアアップに繋がらないことがほとんど

 

TOEFLの問題内で使われる文法項目においては「よく問われる文法パターン」とか「文法においてはこの範囲までが出題される」というものはありません。分厚い文法書に掲載されている様々な文法項目のうちの一部が問題内で使われたりします。

 

だからと言って、分厚い文法書すべてをマスターしようとするのは、TOEFL対策において非常に遠回りになります。また上に書いた「共通要素の省略」のように、そのような文法項目を知らなくても、単語の意味や話の流れが分かっていれば、そしてListeningなら表現が聞き取れていれば理解できるため、問題ないことが多いと言えます。
実際にネイティブスピーカーは、分厚い文法書に掲載れている文法項目をすべて理解しているわけではありません。私たちもそう。日本語の細かな文法を知らずとも日々問題なく運用しています。

 

なので、TOEFLの問題への取り組みにおいて理解できない文法ポイントがあれば、その都度、文法書やネット検索、AIへの質問によって理解していくのがベストと考えます。

 

しかしながら、ご相談の方のように文法力不足で理解できないところが多々あるなら、自分にとって分からないところを説明してくれる、比較的短時間で取り組める書籍を選びましょう。またその本の全部に取り組む必要はなく、すでに分かっている単元は飛ばしましょう。

 

 

4.インプットとアウトプットでポイントになる文法は異なります

 

ご相談の方は

 

「the more the more 構文や、過去完了、仮定法なども、もちろん読むことはできますが、理解があやふやな部分があり、とっさにしゃべったり、書いたりするとミスが多いと思います」

 

と、アウトプットの際の文法ミスについて書かれていますが、Speaking、Writingのアウトプットの際にミスしやすい文法項目と、Reading、Listeningのインプットで理解のポイントとなる文法項目は大きく異なります。その点を分けて考え、自分はどちらを向上させる必要があるかを判断しましょう。

 

Speaking、Writingの回答でよくしがちなミスには「単数/複数」選択の間違いがあります。非常に基本的な文法ポイントではあるものの、100くらいのスコアを取っている人でも単数/複数ミスが多いことにより評価が下がることも。

 

Speaking、Writingで繰り返しがちな文法ミスは、自分がどのようなミスをしているのかを確認した上で、その後の取り組みの際に、同様のミスをしないように意識しなければなりません。
だからこそ、どのようなミスをしがちであるか他者に指摘してもらう添削やフィードバックが非常に大切。Reading、Listeningでポイントとなる文法項目とは異なり、Speaking、Writingでは、自分が使う文法項目は限られているので、繰り返し回答していく際、同様のミスをしないようにすることが評価点アップのカギになります。

 

とはいえ、基礎文法力が高い方がTOEFL対策の効果が高いのは確か。その分、文法知識の不足により理解できないことがないので。
しかしながらその文法知識の不足が、どれだけ学習効果に影響しているのか見極めなければなりません。
文法力が足りなくても、単語力、英文処理速度、音声認識力、解答力などの不足の影響の方が大きい場合もよくあります。

 

もし文法書に取り組まれるなら、中学・高校文法復習というような比較的短時間で取り組めるものを選びましょう。またその本の全部に取り組む必要はなく、すでに分かっている単元は飛ばしてもいいでしょう。繰り返しになりますが、このような文法への取り組みによってTOEFLでのスコアアップは期待できません。でも中高の文法で抜けているところがあって、そのせいで問題理解に支障があるなら文法の復習を行う価値はあります。

 

 

以上、いただいた文法に関する相談に関連した私の考えになります。皆さんのTOEFLスコア対策の参考になれば幸いです。

 

TOEFLにおける文法については以前にも書いています。以下も是非ご一読ください。

 

» TOEFL Readingで文の構造が分からないときがある。文法力を高めるには何をしたらいい?

 

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