TOEFLの単語はどれだけ覚えればいい?単語本と公式ガイドで十分?
YouTubeのコメント欄に以下の質問をいただきました。ブログ記事で質問に回答します。
1.背景知識はどれだけあればいい?
> toeflはどこまでそれぞれの分野に精通してればよいのでしょ
TOEFLの問題は基本的に、出題されたトピックに関しての専門的な背景知識がなくても正解できるように作成されています。よって背景知識よりも、単語力、英文処理速度、文法力、論理力、解答力の向上の方がスコアアップに有効です。
とはいえTOEFLで出題されやすい問題トピックに慣れていた方が、問題内容をより理解しやすいのは確か。しかしだからといって、背景知識獲得を目的としてTOEFLの問題とは関係ないアカデミックな本を読んでいくのは、スコアアップのためには遠回りになり、あまり効果的な方法ではありません。
> それとも例えば植物学ならそれに関する単語を全て覚える必要があ
専門用語は問題の中で説明されているのが通常であり、事前に網羅する必要はありませんし、出題される学問分野の専門用語をすべて網羅している人など誰もいません。問題に出てきた専門用語は問題の中での説明を理解できるようになればOKです。
背景知識はTOEFLのReading、Listening問題への取り組みを通して養成していきましょう。以下をご一読ください。
2.単語はどれだけ覚えればいい?
> 市販の単語帳+
TOEFLの単語をどれだけ覚えればよい、という質問に対する正解はありません。
考えてみてください。あなたの目の前に5人の人がいたとします。それらの人は 英検3級、準2級、2級、準1級、1級レベルの英語力を持っています。その人たち「全員」が、公式TOEFL英単語や3800に取り組めば、TOEFLの問題に十分に対応できるだけの語彙力がある状況になると思いますか?
答えは明らかにNOです。もともとの英語力が低ければ、TOEFLで出題されやすいアカデミックな単語を覚えたとしても、単語本に掲載されていない基本的な/一般的な単語が身についていないことが多いもの。
「TOEFLの単語本に取り組んだけどスコアが上がらなかなった」
という人は多いのですが、もともとの語彙力のレベルはどうかという視点が抜けていますし、また語彙力「以外」の英語力が足りないと、単語を覚えてもTOEFL問題の正解率のアップにつながりません。
» TOEFL Reading 20点以下の人の単語本の取り組みについて & 自分に足りないのは単語力だけ?
「どれだけ単語を覚えるべきか」
に対する答えは、「目標スコアを獲得するのに必要なだけ」になります。
実際にどれだけ単語力を向上させる必要があるかは、TOEFLにおける英語力と求められるスコアによります。
今秋に「TOEFL開発、実施団体のETSが提供する世界初のTOEFL iBTの公式単語集」が発売されましたが、そこにはTOEFL iBT試験に登場した18,000語を超える英単語を集めたデータベース 「TOEFL 語彙コーパス」から選出した約2,000語を収録していると書かれています。
» 凄い単語本が発売されました!「公式TOEFL英単語」の特長3つを伝えます!
つまり、TOEFLで出題される単語をほぼ全部理解できる状態になるためには18,000語を知っていなければならないということ。ちょっと検索したところ、英検1級での出題範囲となる単語は10,000-15,000語、SATで必要な単語は15,000-16,000語とも言われてます。
TOEFLで出題される単語を事前にほぼ全部知っておこうとすると18,000語くらいが必要になりますが、TOEFL対策を行っているような人にはそのような目標は現実的に不可能ですし、そこまでする必要は一切ありません。
実際に、TOEFL iBTで満点を獲得した Morite2 English Channel によく出演される英語ネイティブの Choka さんでも、公式TOEFL単語本の単語のいくつかにおいて、意味が出てこないものもあったりするもの。
「まず単語本を完璧にする」必要はまったくないとご理解ください。
では、どのくらい単語が求めらるかに関してですが、100点以上獲得他のための語彙力に関しては、過去に以下の記事で書いていますので、そちらをご一読ください。
» TOEFL 100点の実力なら、Reading 1つのパッセージあたり知らない単語は10個未満?
TOEFL本試験や公式模試を受けた結果、明らかに語彙力不足によって理解できないところがあり、その結果、目標スコアに到達していない人は単語を増強する必要があります。よって、TOEFL問題や単語本への取り組みを通して単語を増やしていかなければなりません。
単語を覚える取り組みは目標スコアを獲得するまで続けるべきであり、繰り返しますが「語彙力をどこまで高める必要があるか」に対する答えは「目標スコアを獲得するまで」になります。ある教材を終えたら、それで十分ということはありません。
しかし実際には単語の意味を知らなくても解ける、対応できる問題もよくあるため、「目標スコア獲得のために足りないのは、単語力なのか、それとも他の英語力なのか」、また「どのセクションのスコアを伸ばす必要があるか」という目標スコア獲得戦略も含め、単語力がどれだけ不足しているかは総合的に判断すべきです。
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