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TOEFLが変わるって話がありますが … その1

2025.05.31

2025年5月29日にETSから、そして5月30日にETS Japanから TOEFL iBTの「進化」について発表がありました。

 

ETS:TOEFL IBT® TRANSFORMS FOR TODAY’S GLOBAL LEARNERS

ETS Japan:新時代のグローバルな学習者に対応するためTOEFL iBT®が進化します

 

 

今回の発表に対する結論

 

何が変わるのか?自分には影響するのか?気になるところだと思いますが、今回の発表での大切な点は以下の2つ。

 

A.2026年1月から TOEFL iBT試験が変わる(内容面での変化についての具体的な発表は今後)

B. 2025年5月30日(昨日)から TOEFL iBTの自宅受験の「手続き及び監視システム」が変わる(試験自体は変わらない)

 

よって、Aは今年のうちに目標スコアを獲得する必要があるという人にとっては関係ありません。
Bは、会場でしか受けないという人には関係ありませんし、そもそも自宅受験の手続きと監視システムはこれまで(特に発表なく)進化してきたので、気にすべきことではありません。試験の内容・形式は変わりません。

 

A、Bを含むTOEFL iBTの変更点についてこれからまとめますが、このブログを読んでいる現在、TOEFL対策を行っている人にとって最も重要なことは、

 

TOEFL iBT対策を現在行っている、またはこれから行おうと考えている人は、年内での目標スコア獲得を狙ったほうがいいでしょう。

 

現時点では試験がどう変わるかの詳細は発表されていないものの、来年1月から内容・形式が変わるところがあるのは確かであり、慣れている内容・形式で目標スコアに到達したら、来年からの試験の変更について心配する必要はないので。

 

とはいえ、試験の内容・形式が大きく変わるわけではないため、現在のTOEFLでのスコアは、来年での変更されたTOEFLにおいても同じくらいになると思いますが。

 

 

A.2026年1月から何が変わる?

 

注目すべき変更点は以下の2つ。

 

1.Reading、Listeningにおいてアダプティブ(multistage adaptive design)が採用される

 

アダプティブとは、受験者の能力レベルに応じて、問題の難易度が変化する仕組みのこと。
受験者の能力に応じた問題出題により、少ない問題数でも正確な実力測定が可能とされています。

 

試験の流れとしては、最初の方のいくつかの問題の正解率によって、その後の問題の難易度が変わる(、またその後の問題の正解率次第で、その後の問題の難易度が変わる)というように。

 

現在のTOEFLでは、Listeningセクションは5題(会話 2題、講義 3題)が出題されますが、例えば、

 

最初の「会話(5問)+ 講義(6問)」の正解率が高ければ、その後の「会話(5問)+ 講義(6問)+ 講義(6問)」が難しめの問題になる

 

逆に

 

最初の「会話 + 講義」の正解率が低い場合は、その後の「会話 + 講義 + 講義」が易しめになる

 

というように。
(段階はもっと細かくなるかもしれません)

 

Readingセクションは2パッセージなので、最初のパッセージの出来によって、次のパッセージの問題が変わる、ということかも。
(もしその場合、最初のパッセージでいったん解答を確定してから、次のパッセージに移るようになるはず)
または2パッセージという構成が変わるかもしれません。進化版のTOEFLのサンプル問題は7月に提供されるので、そのときに正確な情報をお伝えします。

 

アダプティブは少ない問題数で、実力をより正確に測定する仕組み。
TOEFLがiBTになる前の以前の形式であったCBT(19年ほど前に廃止)で採用されていたのですが、そのときはListeningはアダプティブであったものの、Readingはアダプティブではありませんでした。
現在の問題形式を保持したままアダプティブにするのか、それとも問題数など大きく変わるのか、興味深いです。

 

 

2.従来の内容に加え、より現代的で公平性の高いトピックが追加される(traditional content will be supplemented with modern, equitable topics)

 

2026年1月からの変化として、問題内容において

 

従来の内容に加え、より現代的で公平性の高いトピックが追加される
(Additionally, traditional content will be supplemented with modern, equitable topics. )

 

とのこと。より詳しくは以下のように説明されているのですが

 

実際の学術的な現場(グループディスカッションやプロジェクト活動など)での学生による英語使用をより適切に反映
(Better reflect how students use English in real academic settings, like group discussions and project work)

 

文化的バイアスを減らすため、関連性が高く、誰にでも理解しやすく、丁寧に審査された内容を使用
(Use content that is relevant, accessible and carefully reviewed to reduce cultural bias)

 

実際に、どのセクションにおいて問題内容がどのように変わるかの詳細は今のところ伝えられていません。

 

TOEFL部門のグローバル・ジェネラル・マネージャーであるOmar Chihane氏は以下のように言っているので、アカデミックな要素の強い問題が少なくなりそうです。

 

「私たちは、TOEFLをより公平で柔軟、かつ現代的で関連性の高いものへと変化させています。どのように、どこで英語を学んだとしても誰も尻込みしないように。」

“We’re transforming TOEFL to be more fair, flexible and relevant, so no student is held back by how or where they learned.”

 

「ギリシャ神話のようなニッチなトピックを、より現実世界での学術内容にアップデートしています。それはどんな背景を持つ学生にも関係があり、今日のグローバルな学生を反映したものです。インドの試験会場で受験しても、デンマークの自宅から受験しても、すべての学生が英語力を公平に示す機会を持つべきです。それが私たちの使命です。」

“We’ve updated niche topics like Greek mythology with more real-world academic content that reflects today’s global student, relevant regardless of their background. Whether testing at a center in India or from home in Denmark, every student deserves a fair shot to demonstrate their English proficiency. That’s our mission.”

 

今回の記事はここまで。
2026年1月から変わるその他の細かいこと、またすでに新しくなった自宅受験の「手続きと監視システム」に関しては明日に続きを書きます。

 

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