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【新TOEFL解説④】2026年1月から大幅刷新! Speakingセクションはどう変わる?

以下の記事の続きです。今回は、来年1月に劇的に変わるTOEFL iBT試験においてSpeakingセクションがどう変わるのかを伝えます。

今回もサンプル問題を見せながら、どのような問題「形式」になるかを紹介します

 

» 【新TOEFL解説①】2026年1月から大幅刷新! Readingセクションはどう変わる?

» 【新TOEFL解説②】2026年1月から大幅刷新! Listeningセクションはどう変わる?

» 【新TOEFL解説③】2026年1月から大幅刷新! Speakingセクションはどう変わる?

 

 

3.Speaking

 

Speakingセクションでは以下の2つのタイプの問題が出題されます。

 

1.Listen and Repeat(リピート)
2.Take an Interview(インタビュー)

 

 

Writingセクションと同様、Speakingセクションからも「(読んで、)聞いてから、話をまとめて話す/書く」というIntegratedタスク問題がなくなります。

現在のTOEFLにおいて、この統合型の問題を優れていると考えている人は多く、無くなることに対して残念に思っている意見を聞きますが、高いListening力が求められるIntegratedタスクの難易度が高かったのは確かであり、「英語の初級者の実力測定にもTOEFLを活用できるようにしたい」という今回の変更の意図に合わなかったのでしょう。

 

 

評価を行う主体について

 

新TOEFLのWritingとSpeakingでは、評価はAIによって行われ、人間の採点官はいなくなります。

この自動採点のエンジン(AI)は、人間のよる評価をもとに訓練されており、採点の正確性と信頼性を確保するため、人間による監督が行われるとのことです。

 

 

問題タイプ別の問題数と制限時間について

 

Speakingセクションの問題数は11問と公表されています。問題数と制限時間は以下の通り。

 

問題数 制限時間
リピート 7問 8, 10, 12秒
インタビュー 4問 45秒

 

Speakingセクションでは、リピートやインタビューにおいて「全体の」制限時間ではなく、「各設問ごと」に回答時間が設定されます。

 

Speakingセクションには「約8分」かかると公表されていますが、誰もがそのくらいの時間で終わります。
時間は短くどんどん進んでいくので、あっという間に感じるかと思います。

 

» Updated TOEFL iBT Test Overview

 

 

» Test Content and Structure(TOEFL公式サイト)

 

 

» Full-Length Practice Test 1 & 2(オンライン上で解ける問題)

 

 

 

 

Listen and Repeat(リピート)

 

Listen and Repeat「リピート」とはどのようなタイプの問題か。以下は、公開されている Practice Test 2 に含まれるリピート問題です。

 

 

 

イラストに関連する1文の音声を聞き、その文を発話で繰り返すことが求められます。

 

 

この問題の場合、始まる前に以下の案内が読み上げられ、

 

 

その後、1文ずつを音声で聞き、計7文のリピートを行います。

 

1.Welcome to our campus gym.

2.Cardio machines are near the entrance.

3.Free weights are in the back.

4.All of our locker rooms are equipped with showers and towels.

5.Our fitness instructors hold exercise classes over here.

6.You can check the schedule for available classes and timings.

7.If you have any questions, please seek assistance from the attendants at the help desk.

 

それぞれの文をリピートする制限時間は、1−2:8秒、3−5:10秒、6−7:12秒 となっています。
長めの文の場合、制限時間が長くなるというだけのことであり、何秒かを覚える必要は全くありません。

 

コメント:

リピートの難しさは、英語の運用にどれだけ慣れているか次第と考えます。
発話は自然で、単語同士がつながって聞こえることもあります。このリピート問題では、リスニング力がカギとなります。
さらに、聞き取れたとしても正確な表現を忘れてしまう可能性があるため、表現に慣れておくことも重要です。

 

ここでは cardio machines「有酸素運動用のマシン」、free weights「フリーウェイト(ジムやフィットネス施設にある、マシンに固定されていない筋トレ用のダンベルやバーベルなど )」といった、日本の英語教育の教科書にはあまり登場しないものの、日常会話では頻繁に用いられる表現が含まれています。

 

細かい話ではありますが、この問題では schedule が「スケジュール」ではなく「シェジュール」という英国アクセントで発音されていました。Listeningセクションでは「北米、英国、オーストラリア、ニュージーランド」のアクセントで話されると説明されていますが、リピート問題でも、英国、オーストラリア、ニュージーランドのアクセントで話されることは、実際の試験でもあるかもしれません。回答においては「シェジュール」でも「スケジュール」でも、どちらでも問題ないと考えます。

 

リピートされた文がどのように評価されるかは別の機会に記事を書きます。評価の基準は以下のScoring Guideにありますので、是非、ご確認ください。

 

» 新TOEFL Speaking Scoring Guide

 

ETSによる試験概要において、リピート問題は以下のように説明されています。
求められているのは、「正確な繰り返し」(an accurate repetition)と「明瞭で理解可能であること」(clearly intelligible)。よって、評価を行うAIが問題なく聞き取れるくらい発音が良いと有利になります。

 

» Updated TOEFL iBT Test Overview

 


Listen and Repeat

The Listen and Repeat task measures the test taker’s ability to process the sentences they hear and then to accurately and intelligibly reproduce these sentences. In the Listen and Repeat task, test takers repeat seven sentences within a scenario in an academic or campus life setting. The scenario provides a communicative purpose for listening and repeating the sentences. Each series of sentences is associated with a visual representation of the setting, and progress through the sentences corresponds to visual movement through related parts of the illustration on the screen. After each sentence, there is a pause, and then test takers repeat exactly what was said. Sentences get progressively longer and more complex as test takers progress through the scenario. For each sentence, test takers have a maximum of 8 to 12 seconds to record a response. The Listen and Repeat task measures the test taker’s ability to process the sentences they hear and then produce a spoken response that is

・an accurate repetition and

・clearly intelligible.

 

 

Take an Interview(インタビュー)

 

以下、インタビュー(Take an Interview)問題に対する案内。ここでは4つの質問に対して回答をします。

 

 

ここで、No time for preparation will be provided. 「準備のための時間は与えられません」とあります。
現在のTOEFL SpeakingのQ1(Independent Task)と似た形式ではあるものの、Q1のように話す前に15秒の準備時間が与えられることはなく、質問が終了したら「すぐに」Response Time 45秒のカウントダウンが始まります。これは日常会話を想定したものであり、考えながら話すことになります。

 

以下、Practice Test 2のインタビュー問題。まず大まかなトピックが提示されます。
(ここでは commuting habits「通勤・通学習慣」)

 

 

このような問題の指示が読み上げられたあと、(AIが作成した)動画で質問が提示されます。

 

 

Q1. Thank you for joining the study. Today, I’d like to ask you some questions about your commuting habits. First, is it important to live close to your school or work? Why?
「研究に参加いただき、ありがとうございます。本日は、あなたの通勤習慣についていくつか質問をします。まず、学校や職場の近くに住むことは重要だと思いますか?その理由は何ですか?」
(Q1としていますが、特にQuesitonの番号が読まれることはありません。便宜上、そのように表示します)

 

インタビューでの質問は読むことができません。音声を聞いて、回答します。

 

最初の2問(initial questions)は、自分のことなど比較的話しやすいトピックになります。インタビュー問題の最初の問題との性質について以下のように説明されています。

 

Initial questions focus on factual information and personal experience, whereas later questions ask test takers to express and support opinions regarding broader issues.
「最初の質問は事実に関する情報や個人的な経験に焦点を当て、後半の質問では、より広いテーマに関して受験者が自分の意見を述べ、それを裏付けることが求められます。」

 

» Updated TOEFL iBT Test Overview

 

 

Q2. I see. Imagine that you could choose to commute by car, which is faster but more expensive, or by public transportation, which is slower but less expensive. Which would you choose, and why?
「なるほど。ではもし通勤手段を、速いが費用が高い車と、遅いが費用が安い公共交通機関のどちらかから選ぶとしたら、どちらを選びますか?その理由は何ですか?」

 

そして後半の2問は、幅広くなったトピックに対して自分の意見を伝え、その理由を述べることが求められます。

 

Q3. Interesting. Some people believe that commuting can be stressful and tiring. What do you think are one or two different ways to make commuting more enjoyable? Give reasons for your answer.
「興味深いですね。通勤はストレスがたまり、疲れるものだと考える人もいます。あなたは通勤をより楽しいものにする方法として、1つか2つ、どんな方法があると思いますか?理由も挙げて答えてください。」

 

Q4. Good points. Lastly, considering advances in technology, some people believe that commuting might disappear entirely. How do you think a severe decline in commuting might affect businesses in positive ways and negative ways? Please give one example of each.
「いい意見ですね。最後に、技術の進歩を考慮すると、通勤は完全になくなるかもしれないと考える人もいます。通勤が大幅に減少した場合、企業にどのような良い影響と悪い影響があると思いますか?それぞれ1つずつ例を挙げてください。」

 

コメント:

現在のTOEFLにおけるSpeakingの4分の3を占めるIntegratedタスクは、Listeningが難しいという側面はあるものの、「何を話せばよいか」は明確でした。読んだり、聞いたりした内容をまとめて話せばよかったためです。

 

しかし新しいSpeakingでは、質問に対して自分で内容を考えて話す必要があります。準備時間なしで回答することが求められるため、以前より話しにくくなったと感じる人は多いでしょう

一方で、Listeningはあまり得意ではないものの、社会的な問題に関心があり、さまざまなトピックについて意見を述べることが得意な人にとっては、むしろ対応しやすくなる可能性があります。

 

私が気になるのはスコアの換算方法。

 

現在のTOEFLではSpeaking回答の評価は4が満点。満点の4を取るのは難しく、うまく話せたつもりでも評価点3にとどまりやすく、4問すべてが評価点3だと23くらいになります。
その結果、トータルでは100点以上を獲得しても、Speakingは20−23あたりになるケースが非常に多いのが、日本で英語教育を受けてきた人たちに見られる傾向です

 

しかし、新しいSpeakingでは5段階評価に変わります。リピート問題も含まれるようになり、換算方法は全く異なるものになります。
その結果、Speakingセクションのスコアが現在より取りやすくなるのか、ほとんど変わらないのか、あるいは下がりやすくなるのかについては、今後の調査を通してSpeakingの目標スコアを探っていきます。

 

» 新TOEFL Speaking Scoring Guide

 

 

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