教材問題への取り組み方-消化・吸収してますか?
昨日の投稿では、
TOEFL iBTでのスコアアップには、かなりの時間がかかる。だから短期間で大幅なスコアアップを期待するのがそもそも間違いかもしれない。すぐに結果が出ないからといって、落ち込む必要はない。皆それなりの時間をかけている。焦らず、前向きに取り組んでいこう。
ということをお伝えしたかったのですが、
「短期間で大幅にスコアが上がる人は少ない」
という現実を突きつけ、さらに落ち込ませることになったのかもしれないと心配しています。
しかし、TOEFL iBT対策では、準備にそれなりの時間がかかるという現実を踏まえて学習に取り組まなければなりません。この現実を無視して取り組むと、結果として学習の効率が非常に悪くなります。
昨日の投稿では、4か月間で60から100へと40点アップという例を挙げましたが、「4か月」という期間を「短期間」ではなく「長期間」と取られる方もいらっしゃるでしょう。
40点ということは、単純に計算するとReading、Listening、Speaking、Writingそれぞれで10点のアップになります。例えば、Listeningだけで考えると、Listeningセクションでの10点アップ(例えば15→25)というのは、留学をして英語だけの環境に身を置いてから1年くらいで、そのくらいのスコアアップを達成できる「かもしれない」というくらいの難易度なのです。
TOEFLでの大幅なスコアアップ、例えば40点くらいのアップが必要なら最低半年は学習期間として計算すべきです。
(40点くらいのアップには1年以上かかるのがほとんどのケースですが)
そして「期間」だけではなく、学習「時間」をしっかりと確保すべきです。
また比較的短期間で、効率良くスコアアップを達成するには、良質の教材や質の高い授業が有効です。
じゃあ、「質の高い授業を提供するTOEFL対策学校に通い、よい教材で学べば必ず効果が出るか?」というと、必ずしもそうではありません。授業で与えられる課題・宿題を確実に消化することが必要です。
学校に通うと、授業に出席して、解法や学習法を学べばスコアがどんどんアップするというように考える方がいらっしゃいますが、クラスの内容の理解に加えて、必ず課題・宿題をこなさなければなりません。
授業で教わった解法・学習法を、課題・宿題を通して多くの問題で実践することによって、その解法が身につき、初めて解いたときに「できなかった」ことが「できる」ようになります。
もともと英語の実力が極めて高い方が、TOEFL対策を行う場合は、試験の形式、問題の傾向、求められる正解・回答を理解し、それらに慣れれば、短期間でのスコアアップが可能です。しかし、基盤となる英語力自体を向上させる必要がある方は、多くの問題を通して、それもただ解くだけではなく、その問題から見つかった弱点をつぶし、もともと「できなかった」ものを「できる」ようにする作業が求められます。
そうやって、ひとつひとつの問題を「消化・吸収」すれば、確実に実力は上がります。
TOEFL対策学校でのクラスの選択や、学習スケジュールを決定する際は、必ず宿題や問題への「消化・吸収」の時間の確保を考慮に入れてください。
TOEFL iBTで大幅なスコアアップを目指す場合、その目標があまりに遠くに感じられ、投げ出したくなってしまうかもしれません。
しかし、目の前の教材の問題ひとつひとつを「できる」(例えばListeningなら「表現が正確に聞き取れ、その表現の意味が分かる」状態にする)ようにしていけば、着実に実力は上がっていきます。その小さな努力の積み重ねが最終的にスコアアップという結果を生み出します。
落ち込んでもスコアは上がりません。
それよりも、目の前の問題に取り組み、そのひとつひとつを消化・吸収していきましょう。
多くの問題で消化・吸収作業を続けていけば、着実にゴールに近づきます。
この話、まだ続けます。
次の投稿では、「長期間の対策をどのように進めるか。またどのようにして期間をできるだけ短くするか」という話をするつもりです。
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