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【改訂版】TOEFL Reading対策は単語だけやっておけば十分?

以下、過去記事を改訂したものです。

 

先日、受講を開始されたばかりの方からいただいたメールの中で

 

「先輩から『Readingは単語だけやっていれば28、29が取れる』とアドバイスを受けたがどう思うか?」

 

というご相談がありました。

 

その先輩は単語対策だけやって実際に28、29を取れるようになったのでしょう。そのような方がいらっしゃるのは確か。しかし単語力増強だけで28、29が取れるようになる方はかなり少ないのが現実。

 

では、単語対策だけをやって、Reading 28、29が取れる方とはどのような方なのか?

 

気になりますよね。ですがその前に「Readingで28、29が取れた」について考えましょう。

 

私が受講生の方からスコアアップの相談を受けるとき必ず過去のスコアを教えていただいています。中にはそれぞれのセクションのベストスコアをお知らせいただく方もいらっしゃいますが、セクション別のベストスコアはその人の実力を測定するのに当てになりません。例えば過去にRで29を取ったことがあるが、それ以外のRのスコアのほとんどは22-24あたりという方は意外と多くいらっしゃいます。

 

どういうことか?

 

おそらく29を取ったときは運が良かったのでしょう。「実力がないのに29が取れた」とまでは言いません。

 

でも

 

たまたま理解しやすいトピックだった
たまたま意味を知っている単語が多かった
たまたま迷った選択肢が正解だった

 

のでしょう。

 

運も実力のうち。しかし真のReading力が身についていなければ「安定して」28以上のスコアは取れません。

 

TOEFLで100以上のスコア獲得を目標とするなら、Readingでは28以上の獲得を狙いたいところ。Reading 28はだいたい3問くらいの間違い(正解率は91%くらい)。いくつか間違っても、ほんの少し難問が入っていても、R 28は高い実力があれば安定的に獲得可能なスコアです。

 

「Readingで28、29が取れた」という話を聞いた場合、その方がたまたま28、29を取ったことがあるということならば、100以上を狙う方にとってはあまり参考にならないかもしれません。

 

では「単語対策だけを行なって『安定して』28、29を獲得していた」なら自分もそうした方がいいのか?

 

単語対策だけを行なって、安定してReading 28、29を獲得できたという方はもともと

 

普段から英字新聞や英語の雑誌、研究で英語の論文を読んでいるなど高いReading力を持っている
受験では英語だけではなく、国語においても高得点が取っていたくらい、高い言語分析能力・論理力を持っている
アカデミックな分野の背景知識にかなり詳しい

 

という特徴を備えていることが多いです。

「高い英語力」「高い言語分析能力・論理力」「広い背景知識」をもともと備えている方は、TOEFL特有のアカデミックな単語に慣れるだけで、TOEFL Readingで高得点を取れる可能性が高いと言えます。

 

しかし例えば、何回か受験したTOEFL Readingのスコアが10点台という方は、ここで言う「高い英語力」を持っていないことになり、そのような方が単語だけやっても28以上のスコアを安定して取れるようになることはほぼありません。R 28以上獲得に不足しているのは、アカデミックな単語力だけではないからです。

 

TOEFL Readingで15点以下のスコアの実力の方が、TOEFL対策を開始するにあたって、単語と意味が羅列されているだけの単語本への取り組みから始められることがよくあるのですが、上記の理由によりお勧めしません。

 

そのような方が単語本に取り組むなら、パッセージがついていてそのパッセージの中の単語を覚えてくタイプのものの方がお勧め。単語だけではなく、TOEFLで高得点を取るために必要な、英文処理速度、文法、背景知識などを向上させることができるので。

 

しかし、パッセージがついている単語本の取り組みだけではReadingの大幅スコアアップが期待しにくいのも事実。

 

なら単語本の取り組みに加え、英字新聞や英文雑誌、Webでの英文記事を読むことによってReading力をアップさせるのはどうか?

 

これまでかなりのブログ記事を書いていますが、過去に私が「英字新聞や英文雑誌、Webでの英文記事を読んでReading力をアップさせよう」とお勧めしたことはありません。

 

英字新聞や英文雑誌、Webでの英文記事を読むことによって、TOEFL Readingスコアがアップしないということではありません。英字新聞や英文雑誌、Webでの英文記事を読むことによって、TOEFL Readingのスコアはアップ「します」。しかし、私はTOEFL Readingスコアアップには、英字新聞や英文雑誌、Webでの英文記事を読むことよりももっと効果的で効率的な方法があると考えます。

 

それがTOEFL Reading問題集への取り組みなのです。

 

TOEFL Reading問題集への取り組みが、英字新聞や英文雑誌、Webでの英文記事を読むことよりも、TOEFL Readingスコアアップに役立つと考える理由は以下の通り。

 

1.問題集には多くの問題(パッセージ)が収容されている。

 

例えば、Webで英文記事を10くらい読むと、かなり英文に触れた気になるかもしれません。しかし10くらいのパッセージなら、問題集では10-20ページくらいの分量でしかありません。10パッセージ読んだくらいでは明らかに量が足りないことが問題集での取り組みでは分かります。

 

2.問題集には終わりがある。

 

量は多いものの、問題集に収容されている問題数には限りがあります。その問題集を最後までやり切るという明確かつ達成可能な目標によって、学習が継続しやすくなります。取り組みにおいて達成感を持つことは、長丁場になりがちなTOEFL対策において、極めて重要です。

 

終わりがあるからこそ、頑張れるものですよね(マラソンなどの例を持ち出すまでもなく)。小さな目標を達成し、自信をつけ、次の目標に向けて頑張れるからこそ、更に高いレベルの目標達成が可能になります。

 

3.問題の内容が、実際にTOEFL本試験で出題される可能性がある。

 

本試験の問題のトピックが、問題集の問題と(かなり)似ていたということはよくあります。また似ているトピックの問題が出題されなくても、様々な学問分野の問題内容に精通することによって、本試験の問題でよく使われるアカデミックな単語に事前に慣れておくことができます。

 

もちろん、Webの英文記事の中から本試験で出題されそうなトピックのものを探すことは可能です。しかし、そのような記事を探しているちょっとした時間の積み重ねが、限られた学習時間を大きく減らすことになっているかもしれません。

 

最後に

 

4.問題集には問題がある。

 

至極当然のことを言っていますが、非常に大切なポイントです。そもそもパッセージに付随する問題は、皆さんを引っ掛けることが目的ではなくパッセージをちゃんと理解できているかを確認するためにあるのです。
(意外に、勘違いしている人が多いポイントです。)

 

問題への間違いはパッセージに対する理解不足を示します。単に英文を読んでいるだけでは、自らの理解不足に気が付かないものです。また問題があることによって、自分の解答のスピードを確認することができます。

 

以上、問題集への取り組みに対する主な利点を挙げました。

 

話を、この投稿のタイトル「TOEFL Reading対策は単語だけやっておけば十分?」に戻しましょう。

 

パッセージつきの単語本なら単語力の向上だけではなく、アカデミックな英文への慣れを養い、文法力を高めることができます。しかし問題に取り組まない限り、TOEFL iBTで求められているレベルでパッセージを理解できているかチェックすることができません。

 

単語力アップのために単語本への取り組みは有効です。私も過去に単語本への取り組みについて書いてますし、Readingコースの授業の中でも単語本への取り組みをお勧めしています。

 

しかし単語本への取り組み「だけ」だと、パッセージの理解度を問題を通して確認したり、問題を解くスピードを意識したりできないだけでなく、正解にたどり着くための考え方が正しいかどうか確認できません。
(英語における分析的・論理的考え方を十分に知らない・慣れていない方は多いです)

 

ということで、TOEFL Reading対策として、単語対策だけを行うのは、ほとんどの方にとってお勧めしません。問題集にも取り組みましょう。

 

「では、トフレのコースを受講するのと独学で問題集を進めるのは何が違うの?」

 

と思われる方は以下をご一読ください。

 

» TOEFL対策は独学で十分?

 

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