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留学後のSpeaking力維持・向上方法 その5

前回の

留学後のSpeaking力維持・向上方法 その4(2015年9月5日)

の続きです。

前振りが長くてスミマセン! やっとこさではありますが、Yさんからいただいたご相談

「留学を終え、今後どのようにSpeaking力を維持すべきか」

へのアドバイスになります。

もう一度、Yさんの現在の状況およびYさん自身が考えている今後の取り組み方を確認します。

 

2年間の留学を終えて、先日帰国。

留学前にはTOEFL 107 (Speaking 24)を獲得。

将来の海外勤務を視野にSpeaking力を維持させたい。

オンライン英会話の利用を検討。

新たな勤務先で英会話の講習があるかも。

英文雑誌記事を読み続けたり、TED等を利用して、Reading、Listening力の維持に努めるつもり。

留学先でできた、日本語力の向上に関心のあるネイティブスピーカーとLanguage Exchangeを定期的に行おうかと考えている。

そして以下、Yさんができれば向上させたいと考えている2点。

 

①  誰かが話を終えてから、自分が話し始めるまでのインターバルの短縮。

※誰かが話終えたら、自分が話す前に他の人が話始めて、自分が入っていけないシーンが多かったので。

② 会議等で、丁寧に自分の意見を言う表現。

※ダイレクトにものを言うというと(日本では思われている)アメリカ人も含めた欧米人でも、実は、丁寧な、やや抑えた表現を使うことが多いように留学中に感じたため。

これまで書いてきた、私がお勧めする一般的な「英語を話す力の向上方法」5つに基いてYさんへのアドバイスを書きます。

 

1.話すためには相手の言うことを聞き取り、理解できなければならない。

YさんはListening力維持のためにTEDを挙げていますが、TEDは内容は良いものの、単発で短めなので、継続が難しいかもしれません。Listening力向上には英語を、理解しながら、多量に長時間聞くことが大切であり、TEDの視聴に加えて、話すスピードが速い、ニュースやトークショー、シットコム(sitcome, situation comedy)、ドラマなどから「次も見たい」という気になるものを選んで見ることをお勧めします。

 

ちなみに、これらのスピードも表現も内容も難しめのものを推奨しているのは、Yさんが2年間の大学院留学を経験された英語の上級者だからです。例えば、ある人がニュースやトークショーを見て、その30-40パーセントくらいしか理解できないのであれば、Listening力アップの取り組みとして効果が低いのでお勧めしません。

 

Yさんにとっては、長時間、速く話される英語を、ほとんどを理解しながら聞くことが最重要。できたらそれに加えて、自分にとって興味深い内容でありながら、聞き取れなかった箇所をスクリプトで確認できる教材への取り組みも行いましょう。

 

2.インプットの蓄積がアウトプットを生む。

3.アウトプットの質を上げる。

4.アウトプットのスピードを上げる。

5.活躍したい分野を絞る。

2-5はまとめて。

Yさんは「将来の海外勤務を視野」に入れていますが、自分がイメージする将来の勤務先でどのような話をすることになるのかを「活躍したい分野」として意識したいところです。そして、将来の状況に近いシチュエーションで話す機会を多くもつ。そうすることにより、Speakingへの慣れを養うだけではなく、話してみて上手くいかなかったところを確認するチャンスを増やせます。

 

また英会話の相手がいなくても、その日や前日に自分が話したことを英語で3-5分話してみる。(もちろんもっと長ければ長い方がいいのですが、負担が大きいと継続が難しいので、まずは3-5分くらいの縛りで始めましょう。)その際に、自分が話したかったが英語が出てこなかったところ、よい表現が見つからなかったところをメモっておき、後で適切な表現を調べましょう。

 

誰かとの会話においても、自分一人で話すにしてもスピードを意識したいところです。

Yさんは、留学での経験として

「誰かが話終えたら、自分が話す前に他の人が話始めて、自分が入っていけないシーンが多かった」

とのことですが、話のスピーディーなやり取りの中で自分の意見を伝えるには

A) 主張を明確にする

B) その主張を効果的に伝える表現力を持つ

C) それまでのやり取りの流れを遮らない程度のスピードで話す

ことが求められます。

 

話のやり取りにおいて、話のテンポ・リズムは非常に大切です。特に日常会話においては、ゆっくりと正確に話すよりも、表現が稚拙であったり、文法が少し正しくなくても、リズムよくある程度のスピードで話のやり取りができる方がよい場合が多いというのは、実際に英語を話す機会を何度も持ったことがある方ながら理解していただけるかと思います。

 

話す機会を多く持つことによって、そのトピックに対するネタを練り上げる。話す内容・表現が決まっていれば、自然と話すスピードもゆっくりではなくなります。

もちろん「速く話す」と言っても程度の問題であり、モゴモゴと話し、相手にとって聞き取りにくくなってはいけません。はっきりと分かりやすく発音することは大切です。話すペースはややゆっくりでもいいのですが、途中であまり間を置くことなく、一定のペースで話せるようになりたいところです。

 

また表現力アップのために、自分が話したこと、話したいことを書くのも有効です。書く過程において、表現を調べたり、トピックに関連する表現を覚えたり、話の構成を考えることは次に話す機会に役立ちます。できれば、その原稿を優秀なネイティブに校正してもらう。校正してもらうことで、自分では気づかないミス知ったり、自分では思いつかない表現を学ぶことができます。

Yさんは

「会議等で、丁寧に自分の意見を言う表現」

を学びたいということでしたが、会議などの状況を想定して自分が行う発言をLanguage Exchangeの相手にチェック・修正してもらえば、より洗練された表現を覚えられるようになります。

 

ただ、Language Exchangeは自分が英語で話した時間と同じだけ日本語での会話に付き合うことになるので、忙しい人には向かないかもしれません。また互いに忙しい者同士だと突然の仕事等でアポの変更をしなければならないことが多かったり、余程気があった相手でないと互いに30分くらい話すのが難しいことも。上手くいかない場合は、気軽にやめて別の方法に切り替えましょう。

 

優秀なネイティブにproofreadingを依頼できない場合でも、Yさんのような留学経験者なら、書いたものを自分で確認することによって改善できる部分は多いはず。また、自分が読んだ記事内容を自分の言葉で書き、もとの記事と自分が書いた表現を比べることによって、どのような表現がまだ身についていないかが分かります。

書く時間までなかなか取れなくても、先々自分が話したい内容に関連する英文記事を継続的にたくさん読み、その分野の知識や表現を蓄積することも、先々のアウトプットに有効です。

 

以上、留学が終了したYさん、および同様の経験をされた方々へのSpeaking力維持・向上アドバイスになります。

留学後、多忙な仕事や日常生活により、英語から離れてしまう人は多くいらっしゃいます。実際にYさんの不安はそこから来ています。多忙な状況でも、現在の自分にできることを見つけて、Speaking力を養っていただくための有用なアドバイスになれば嬉しく思います。

 

「留学後のSpeaking力維持・向上方法」に関する一連の投稿、次回が最終回。

次回では、これまで書いてきたこととTOEFL対策との関連について書きます。

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