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【改訂版】TOEFLスコア戦略:何点スタート、何点目標? [R 21, L 11, S 13, W 15 Total 60スタート、100以上目標]

以下、過去に書いたいくつもの記事をまとめて改訂したものです。

 

私のところには連日、受講生の方々、受講を検討されている方々から、どのようにしたら目標スコアが獲得できるかという相談メールが届き、ご相談に対するアドバイスが私の仕事の大きな部分を占めているのですが、

 

「ある点数からのスタートの人は、何にどのような順で取り組み、目標スコア達成を目指すべきか」

 

というスコア獲得戦略について詳しく書くことにします。

目標スコアが同じでも、スタートのスコアが異なれば、ゴール到達までのプロセスは変わるので。

 

メール相談では、その方の個人的な状況(過去のスコア、TOEFL対策に費やせる日々の学習時間、これまでのTOEFL対策への取り組みなど)を考慮の上、アドバイスを行っていますが、ここでは点数だけから判断してスコア獲得戦略をお伝えします。

 

今回は「TOEFL対策を始めたばかり」のスコアが

 

 Reading 21, Listening 11, Speaking 13, Writing 15, Total 60

 

という方がいらっしゃったとして、その人が最終的に

 

1.100点以上獲得を目指して、どのセクションから対策を始めたらよいか
2.それぞれのセクションにおいてまずは何点くらいの達成を狙うべきか

 

について書きます。

 

ここで大切なのは「TOEFL対策を始めたばかり」という条件。

 

例えば、「1年間TOEFL対策を続けて現在60点」の人と「TOEFL対策を始めたばかりで60点」の人とでは、今後何にどのように取り組むべきか、何を優先すべきかが変わるので。

 

ここでのスコアはTOEFL対策を始めたばかりの方が、自分の実力をある程度正確に反映したスコアを獲得したと仮定します。
初めての本試験の受験だと難易度や試験形式に面食らって、試験途中であきらめ、放棄してしまう方も少なくありません。
そのような場合、スコアはその方の英語力よりもずっと低いものになりますが、上記のスコアは実力通りであることを前提とします。

 

さあ、皆さん、どうでしょう。ご自身の現在のスコアに近いという方もいらっしゃるかと思います。
また皆さんの友人がこのようなスコアだったら、どのように対策を行うべきと伝えますか。

 

まずはどのセクションの対策から始めましょうか。
1つのセクションだけ? それとも2つ、3つ、4つを同時並行で進めていくのがよいでしょうか。
そして何点くらいを目標として取り組んでいきましょうか。

 

どのセクションの対策から始める?

 

TOEFL iBT試験は4セクション。
では4セクションすべての対策を並行した方がいいのか。

 

判断のポイントは、TOEFL iBTはスコアアップがしにくい試験であること。
Aさんのように4セクションすべてにおいて大幅なスコアアップが求められる場合、4セクションの対策を並行させると1セクションあたりに費やせる時間が少なくなり、取り組んでいるセクションすべてでスコアがあまり伸びない恐れがあります。

 

大幅なスコアアップが必要ならまずセクションを絞って対策を行い、そこである程度の結果を出すことで他のセクション対策への自信を深めるのがよいと考えます。
またSpeaking、WritingセクションにはIntegratedタスクがあり、単に話したり、書いたりすればよいというものではなく、問題のReading、Listening部分において理解度が高くないと十分に対応できません。

 

よってReading、Listeningでの大幅なスコアアップが求められる場合、まずはReading、Listening対策に集中し、ある程度の高スコアが取れるだけの実力を身に着いてから、Speaking、Writing対策に移ることをお勧めします。

 

では、Reading、Listeningは並行して取り組んだほうがよいのか。

 

Aさんのように、ListeningのスコアがReadingと比べ大幅に低いという場合は、まずはListening対策に集中した方がよいと判断します。
AさんのListeningスコアは11点。トータルで100点以上に到達するにはListeningは最低25点は欲しいところ。
「最低」の25点でも14点ものアップが求められます。
しかしまずは5点くらいのアップ、ここでは16点くらいを目標として、Listening対策を開始しましょう。
数点スコアが上がれば、更なる取り組みのモチベーションアップにつながります。

 

Listeningは一般的にはスコアが上がりにくいセクション。
だからこそ、特にListeningスコアが低いという方は、他のセクションよりも早めに対策を開始したほうがよいでしょう。

 

Reading対策をListeningへの取り組みと並行するのはどうか。

 

Listeningでの10数点もの大幅スコアアップが求められるAさんが、日々の学習時間が3時間以上取れ、かつListeningだけの取り組みだと集中力が切れたり、間延びしてしまうなら、Listening対策を中心としながらもReadingへの取り組みを並行させるのがいいでしょう。
「毎日3時間以上もの学習時間は取れない」「Listening対策だけでも集中力が切れることはない」なら、1-2ヶ月はListening対策だけを行い、Listening対策が一段落してから、ListeningとReadingへの取り組みを並行させるのがよいと考えます。
(週末だけ多くの学習時間が取れるなら、週末のみListeningとReadingの取り組みを並行させてもいいでしょう)

 

Aさんのスコアは、R 21, L 11, S 13, W 15, Total 60 であり、Readingスコアは他と比べかなりの差があるので、Reading対策は一番後回しと考えられる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、Reading 21は70%くらいの正解率。大幅に実力をアップさせる余地が多く残されてます。
Readingはその対策を軽視する人が最も多いセクション。
相対的に他のセクションよりもよいスコアであってもReading力が高くないとSpeaking、Writingでよいスコアを取りにくいので、Speaking、Writing対策を始める前にReadingの点数アップを達成したほうがいいでしょう。

 

ということで、Aさんは、

 

まずはListening対策に集中
Reading対策開始のタイミングは通常はListening対策が一段落してからだが、状況に応じて判断
Readingスコアアップを達成してからSpeaking、Writing対策を始めた方がいい

 

と考えます。

 

Listening、Readingではまず何点を目指す?

 

では、Listening、Readingが何点になるまでRL優先の取り組みを継続すべきか。

 

Reading 21, Listening 11, RL合計 32点なら、Reading 25(4点アップ), Listening 22(11点アップ)の合計47点(15点アップ)あたりになったあとにSpeaking、Writingいずれかから対策を開始するのがよいと考えます。
Readingのアップ幅がListeningと比べると小さいですが、これはスコアが上がっていくと更なるスコアアップが難しくなるため。
しかしReadingにおいて目指すスコアが28であっても、25でもやるべきことは変わりません。

 

Listeningは11点アップの22が目標と書きましたが、10点ものアップはすぐに達成できるものではありません。
まずは5点アップの16点あたり達成を意識して対策を進めていくのがいいでしょう。

 

Aさんの状況によりけりではあるものの、1-2ヶ月くらいはListeningへの取り組みに集中し、Listening対策が一段落してから、またはListeningである程度スコアアップしてからReading対策との並行に移りたいところ。
(トフレのコースなら、Listening Deltaコースの受講が終了してから、Listening Delta教材の復習とReading Deltaコースの受講の並行をお勧めすることになります。)

 

RL合計で15点アップを目指した取り組みを行う期間は、Aさんの日々の学習時間次第ですが、3-4ヶ月はかかる可能性が高いと言えます。
その期間はRLでのスコアアップだけを狙うので、実力の成長の測定のために本試験を受験する必要はありません。

 

以下の公式模擬試験(TOEFL Practice Online)では、Reading、Listeningのみの試験(Vol. 23)を23米ドルほどで販売しており、格安でRLの実力判定ができます。
模試の問題は過去に本試験で使われたもの。RLでは受験後、問題の見直しができるので本試験とは異なり自らの弱点分析も可能です。

 

» TOEFL公式模試(TPO)

 

また4セクションすべての公式模試を格安で受ける方法を以下で伝えています。

 

»  【改訂】TOEFL iBTの公式模試(TPO31)、37%引きで受けられる裏技教えます!

 

Speakingはまず15点の獲得を狙う

 

RLのみの対策に集中している期間にTOEFL本試験を受験する場合、基本的にはRLの結果だけを気にすればいいのですが、Aさんの場合、Speakingが13点なので本試験では15点を狙いに行きたいところ。

 

Speaking対策を行っていないにもかかわらず、なぜ15点獲得を狙うのか?

 

Speaking 13点だと、4つのタスクのうち3つのタスクで評価点2、1つの2タスクで評価点1であったと予測されます。

 

 

すべてのタスクで評価点が2だと15点くらいになります。
この2点という評価点は、問題と関連した内容を「話し続ければ」獲得できる可能性が極めて高いのです。

 

AさんはListeningのスコアが11点なので、SpeakingのIntegratedタスクの問題において理解できなかったり、聞き逃すところがあるはず。
それでも聞き取れた、理解できた範囲の内容を「話し続ける」ことができれば評価点は2になる可能性は高いと言えます。

言い換えれば、話すのを途中でやめてしまったり、話が止まってしまうことが多いと1の評価になってしまいます。

 

Speakingでは「特に対策をせずとも」自分なりに話し続け、評価点2が獲得できるかが、Speakingスコアアップ達成が可能なほど話すことに慣れているかどうかの判断基準になります。

英語を話すことに慣れていなく、どのように表現したらよいか迷って沈黙してしまうことが多い方は、TOEFL Speaking対策を開始する前に、オンライン英会話などで毎日少しずつでも英語を話す機会を持ち、話すことへの慣れを養ったほうがよいでしょう。

 

Reading、Listeningの目標スコアが取れないときはどうする?

 

では、仮にRL合計47くらいがなかなか獲得できないときは、どうしたらよいのか。それはその方の

 

Reading、Listeningの学習の進捗度
Reading、Listening対策を行った期間
日々確保できる学習時間
目標スコア(最低限必要なスコア、できれば獲得したいスコア)
目標スコア獲得の期限

 

などを考慮して、このままRL対策のみを継続すべきか、またはSWいずれかの対策を開始し、RLへの取り組みと並行させるかを判断することになります。
当初予定したようには学習時間が確保できずに、伸び悩んでしまうことはよくあるものです。
トフレの受講生の方はご遠慮なく、私にメールでご相談ください。

 

Speaking、Writing対策の開始、現実的な目標スコア

 

Aさんの場合、RL合計47くらいが取れたらSpeaking、Writingいずれか苦手な方から対策を始めるのが現時点では理想的。

AさんのSpeakingスコアは13。
TOEFL本試験のSpeaking環境や問題形式に戸惑い、その結果13点ではあったが、その後の試験では問題形式をOfficial Guide等で確認したくらいの準備で15や17が取れたなら、評価点2以上が取れるだけの話す力があると分かります。
(Speaking 4つのタスクすべての評価点が2ならSpeakingスコアは15くらい。)

 

Speakingすべてのタスクの評価点が3になれば、Speakingスコアは23くらいになります。

 

多くの方にとって、Speakingは評価点2を3に変えるための対策を行うセクション。

 

「満点の4は獲得できない」ということでは決してありません。
しかし初回受験のため問題形式に慣れていなかったとはいえ、評価点1を取ってしまうくらい英語を話すことに慣れていない方は、今後対策を頑張っても評価点4を期待できるだけの発音の良さ、流暢さ、表現力、文法的正しさを身につけるのは、かなり難しいチャレンジとなります。

 

よって多くの方にとってSpeakingでの現実的な目標は23点以下となりますが、2平均の15点以上獲得に苦労されるような方がTotal 100以上を目指す場合、Speakingは20くらい(評価点3が3つ、評価点2が1つ)が取れれば十分でしょう。
しかし、その後の受験においてSpeakingでは15よりも下になることがないのなら、22や23(評価点平均3)獲得が視野に入ってきます。

 

一方、WritingではAさんのスコアは15。
これはIntegrated、Independentそれぞれに対して2人の採点官(人間と自動採点プログラムeRater)の評価点平均が2くらいであったということ。
TOEFL Writing対策は特に行っていなかったということでも、Aさんの英語を書く力はTOEFLでは2くらいと判断できます。

 

とはいえ、この評価点平均2くらいのWriting力のAさんが評価点3平均を取れるようになるのは難しくはありません。
TOEFL Writingでは適切な対策を行えば、20点(評価点平均3)は比較的獲得しやすいスコアなので。

 

» TOEFL Writing:評価点2と3の違いを探る(Integrated Task編)

» TOEFL Writing:評価点2と3の違いを探る(Independent Task編)

 

しかしながら、もともとのWriting力が2点くらいの方が最高の評価点である5を取れるようになるのはかなり厳しい道のりとなります。

 

決して「無理」ということではありません。
ですが、2点平均近くの英語を書くことに慣れていない方が、満点評価である5が獲得できるようになるには、その時点から1年留学しても到達するするのは困難でしょう。
とはいえ、TOEFLのSpeaking、Writingのアウトプット対策に、例えば毎週30時間くらいで数ヶ月、よい指導を受けながら取り組めるのであれば5点獲得も十分に可能と考えます。
(もちろん人によってはずっと少ない学習時間・期間でそこまで到達することもありますが、そのくらいの差があるのだと理解いただきたいところです)

 

そのような方はReading、Listening対策も並行して頑張る必要があるのが通常であり、そこまでSpeaking、Writing対策に集中できるものではないので、多くの場合、現実的な落としどころとしてWritingは評価点平均4で25くらいを目指すことになります。

 

「TOEFL対策を始めたばかり」のスコアが R 21, L 11, S 13, W 15, Total 60 であるAさんが、Reading、Listening対策を優先させてRL合計 47くらい(または近く)を獲得したとします。
そのときのReadingとListeningや、あまり対策を行っていないSpeakingのスコアによりますが、最終的な目標としては

 

R 28, L 27, S 22, W 25 Total 102を目指しながらも、どこかでマイナス2でも100到達を狙う

 

という感じになるかと思われます。
(R 28は3問間違いくらい[91%ほどの正解率]、L 27は3問間違いくらい[89%ほどの正解率]、S 22は評価点平均3、W 25は評価点平均4)

 

RL合計47(例えば、R 25、L 22)になっても最終的な目標はRL合計55(R 28、L 27)であるため、今後はSWのアウトプット対策と並行してRLの取り組みを進めていきます。

 

Speaking、Writing対策はどちらか苦手な方、つまり現時点のスコアが目標とするスコアから離れている方から対策を開始することをお勧めします。
Aさんの場合、S 13、W 15で目標がS 22、W 25とどちらも10点ほどのアップが求められるので、この時点ではどちらがより苦手とは言い切れませんが、その後のスコアで判断したり、Aさんが取り組みやすいものを選択するのがよいでしょう。

 

4セクションすべてでスコアアップが必要な場合、これまで書いてきたようにSWはスコアアップ対策の後半にまとめて行う方がよいと考えます。
まずはRLを目標点に近づける。その後、SW対策に移る。

 

Speaking力、Writing力養成方法

 

SWでの大幅なスコアアップには、表現力の養成が不可欠です。
通常、アウトプット力は大量のインプットによって磨かれます。

 

私たちがどのようにして日本語を話し、書けるようになったか?

 

私たちが話したり書いたりする表現のレパートリーのほとんどは、国語の授業外で見聞きした大量のインプットによるものです。
しかしだからと言って、TOEFL Speaking、Writingで高得点を獲得できるようになるために「大量の英文を読んだり、聞いたりする」のは数ヶ月以内のような短期間でのスコアアップ達成には有効ではありません。

 

どの試験においても、求める成果の形があります。
TOEFLにおいても、試験が理想とする回答の形があり、高得点を獲得できるサンプル回答の表現を覚えていくのが効果的です。

 

しかし記憶には常に忘却が伴うものであり、期間が長くなるほど、繰り返しの頻度が下がるほど、忘れていく度合いは大きくなります。
だからこそ、SWのアウトプットに集中的に取り組める期間を設けると

 

Writingで覚えた、慣れた、使えるようになった表現はSpeakingでも役立つ
Speakingで覚えた、慣れた、使えるようになった表現はWritingでも役立つ

 

ので、相乗効果によりアウトプット力が効率的に向上していきます。

 

またSpeaking、Writingでは同じようなミスをしがちであり、自らの回答に対して添削などを通して指摘されたミスを修正していくことにより、どちらの回答もよりよいものへと改善されていきます。

 

Aさんにとっては最終的に、Speakingでは評価点2を3へと、Writingでは評価点3を4へとアップできるかがSWでの成功のポイントになります。
取り組み済みの問題は必ず「Speakingなら3点以上、Writingなら4点以上の回答ができる」ようにしてから次の問題に移りましょう。

 

単に問題に回答しただけだと実力はほとんど向上しません。「よりよい回答ができる」ようにする作業が大切です。
問題に対して自分なりの模範回答を作成することにより、ミスを修正し、よりよい表現を覚え、そして模範に近い回答を制限時間内にアウトプットできるようにしましょう。
この作業の継続によりアウトプット力は着実に養成されていきます。

 

以上、100以上を目指す方々のスコア獲得戦略として参考になれば幸いです。

 

コメント

  1. MK より:

    ブログを拝見させて頂きました。大学3年生です。
    本日3月27日に受験したTOEFLの結果がオンライン上で公開されました。昨年の12月にも受験して、今回が2回目になります。
    12月 Total:48 R:10 L:12 W:14 S:12
    3月 Total:51 R:14 L:10 W:14 S:13

    3ヶ月間、TOEFLの予備校に行って過去問や授業など受けていました。目標は80点で、もっと点数が上がっているかと思っていたので、ここからどうしたら良いのか分かりません。行っていt予備校にも的確な改善のアドバイスがもらえず、途方に暮れています。
    11月に編入試験があり、そこでTOEFLのスコアが必要なので、最低でも8月の試験で80点を取りたいです。3~4ヶ月で30点のスコアアップは可能でしょうか。。。

    急なメール申し訳ありません、お目にとまりましたら、ご返信して頂けると幸いです。

  2. Katsurayama より:

    MKさん(お名前をこちらでイニシャルに変更させていただきました)

    ブログ記事で返答します。
    4/4(日)までに記事を書く予定です。

    その前に一点、確認をさせてください。

    過去のスコアは以下とお知らせいただきましたが、12月:Speaking 12、Writing 14、3月:Speaking 13、Writing 14でいいでしょうか。
    TOEFLのスコアはR, L, S, Wの順で表示されるので確認させてください。

    > 12月 Total:48 R:10 L:12 W:14 S:12
    > 3月 Total:51 R:14 L:10 W:14 S:13

    Katsurayama

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