英文を読む際、品詞分解しながら読まない方がいい?(続き)
先日のブログ記事
の元となったご質問をいただいた方から、再度のご質問をいただきました。
ご回答ありがとうございます。また質問なんですが、文の構造を意識しなくても読めるようにするにはどうすればいいですか?最初は五文型などを意識しながら音読したり読んだりして、徐々に意識しなくてもスラスラ読めるようにしたらいいでしょうか?あと、大学受験の読解の参考書は(語彙などは除き、文の構造を知り、慣れるという点において)TOEFLに役に立ちますか?
ここでは2つのご質問いただいていますので、それぞれに対して回答します。
1)文の構造を意識せずに読めるようになるのはどうしたらよいか?
最初は5文型などを意識しながら黙読や音読をすれば、徐々に意識せずにスラスラ読めるようになるか。
文構造を意識せずに読めるようにする方法は、前回の回答でのリンク先で紹介しています。
> 大学受験の英語学習において、文構造の分析が重要視される部分もあり、英文に対して常に構造を分析してしまうという方は、少ないながらもいらっしゃるはず。
> 英文の構造を正しく理解し、正確な意味の把握につなげることは悪くはありませんが、どんな英文でも常に分析してしまうようだと、英文処理速度が遅いままになってしまいます。
> そのような方が、英文処理速度を上げるためにお勧めは
> 易しめの英文で書かれたものを多量に読む
> 例えば、中2や中3の英語の教科書を読んだとしたら、いちいち文の構造を分析することはないでしょう。
> 文の構造を分析する必要がないくらいシンプルに書かれた英文を多量に読み、英文から意味をそのまま理解し続けることによって、英文に対して常に分析するという傾向がなくなっていきます。
大学入試の英語問題において、「すべての英文」の構造を品詞や働きに基づいて分析し、解釈する方法は有効なのかもしれません。
私は大学入試については門外漢であり、そのような英文理解の方法が良いとも良くないとも判断できません。
しかし、受講生の方からいただくご質問の中には、英文を品詞分解するやり方が行き過ぎていると感じる場合もあります。
すべての英文に対して品詞分解して解釈しているとしたら、そのような読み方が習慣化してしまい、英文を速く読むのが難しくなってしまう恐れがあると考えます。
よって一般的には、TOEFLスコアアップのためにすべての英文に対して「5文型などを意識しながら黙読や音読」を行うことはお勧めしません。
分かりにくい英文理解のために文の構造を分析して、正確に意味をとらえるのは非常に大切ではありますが(特にReadingセクション)、すべての英文に対して品詞分解しているとしたら、大学入試後にはそのような読み方をしなくてもよくなるように、内容を楽しめるものを読む時間を多く取るようにしましょう。
2)大学受験の読解の参考書は、文の構造について学べるという点においてTOEFLに役立つか?
文法や文構造を理解するために、大学受験の読解の参考書が役立つところもあるかと思います。
例えば、関係代名詞、強調構文、分詞構文など頻繁に使われる用法は、基本的な部分に関しては理解していなければなりません。
しかし、文法や英文の構造分析はTOEFLで求められるスキルの一部であり、「大学受験の読解の参考書に取り組めばTOEFLスコアがアップする」とは考えないほうがいいでしょう。
TOEFL iBT試験において求められる文法力アップについては過去にブログ記事に書いていますので、ご一読ください。
» TOEFL Readingで文の構造が分からないときがある。文法力を高めるには何をしたらいい?
以上、ご質問に対して回答しましたが、どのような実力・背景の方かが分からないので、私からのアドバイスの有効性の判断は難しいところです。
私のところには日々、受講生の方々から様々なご相談が届きますが、その方の状況を把握するために私から質問をすることは少なくありません。
効果的な学習方法は人によって異なるからです。
例えば
目標スコアは80
現在のスコアはR 13、L 22、S 20、W 17、Total 72
Readingが苦手
小学校のときに海外に2年滞在し、インターナショナルスクールに通っていた
英語を聞いたり、話すのは得意
比較的易しい英文なら速く読める
中学から大学までの付属校に通っていたので大学入試を経験しておらず、英文法はちゃんと学んだことがない
という方がいらっしゃったとしたら、大学入試用の英文法や英文解釈の基本を学ぶことはTOEFL対策として有効であろうとも考えます。
(細かい字で書かれた分厚い参考書を全部やる必要はありませんが)
これまで行ったことがない、英文構造を意識しながら「全文」読んでいくことも、分析的な見方を養うのに有効かもしれません。
ここでは一般的な回答にとどまりますが、私からのアドバイスは今回の記事に限らず、ご自身の状況に当てはめ、有効であると思ったところを取り入れていただければと願います。
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