TOEFL OGは本試験よりも易しいか? その3
昨年11月に以下の投稿で、Official GuideとTOEF iBT本試験の難易度の違いについて解説しました。
TOEFL OGは本試験よりも易しいか? その1(2010年11月17日)
TOEFL OGは本試験よりも易しいか? その2(2010年11月19日)
そして、その2の最後で
「次回は、OGと本試験のListeningの違いについてです。」
と予告したにもかかわらず2か月近くお待たせすることになってしまい、続編を期待していた方には申し訳ございません。
今日、やっと細かいデータをまとめる時間が取れました。
今回Official Guide(3rd Edition)のListening問題を分析するにあたって、OGに収容されているListening問題(音声つき)17題の「Conversation・Lectureの長さ(時間)」「Conversation・Lectureの語数」「wpm(words per minute:1分間に話される語数)」を測定しました。
注: ここでの語数は、タイピングのスピードを測るときのように5 letters(5 keystrokes)を1 wordとするのではなく、TOEFL iBT Writingセクションのエッセイ同様、それぞれの単語を1語とカウントし、算出した。
以下、測定の結果です。
問題 | 分野 | 長さ | 語数 | wpm | |
2nd 問題 | |||||
Practice Set 1 | conversation | 2:52 | 599 | 209 | |
Practice Set 2 | philosophy | 5:19 | 825 | 155 | |
Practice Set 3 | psychology | 5:00 | 762 | 152 | |
Practice Set 4 | astronomy | 3:55 | 601 | 153 | |
Practice Set 5 | botany | 3:46 | 705 | 187 | |
Practice Test 1 | Q1-5 | conversation | 3:31 | 672 | 191 |
Practice Test 1 | Q6-10 | conversation | 2:56 | 522 | 178 |
Practice Test 1 | Q11-16 | environmental science | 4:24 | 713 | 162 |
Practice Test 1 | Q17-22 | philosophy | 5:41 | 857 | 151 |
Practice Test 1 | Q23-28 | botany | 4:22 | 778 | 178 |
Practice Test 1 | Q29-34 | business management | 5:22 | 862 | 161 |
3rd 問題 | |||||
Practice Test 2 | Q1-5 | conversation | 2:18 | 396 | 172 |
Practice Test 2 | Q6-11 | anthropology | 5:20 | 823 | 154 |
Practice Test 2 | Q12-16 | biology | 4:44 | 717 | 151 |
Practice Test 2 | Q17-21 | conversation | 2:27 | 487 | 199 |
Practice Test 2 | Q22-27 | astronomy | 5:14 | 807 | 154 |
Practice Test 2 | Q28-33 | art history | 6:03 | 831 | 137 |
小数点以下は、四捨五入。 |
その1、2では以下のようにお伝えしました。
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実は、2nd Edition以前から存在したRLの問題と3rd Editionになって追加されたRLの問題は傾向が異なる部分があります。
3rd Editionになって追加された問題(Practice Test 2)のReading、Listeningの問題は、本試験レベルの問題といってもいいでしょう。
このOGのPractice Test 2の問題は、実際に、過去に本試験に出題されたものと思われます。
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Listeningにおいても、Readingの分析と同様、もともと2nd Edition以前から存在した問題(2nd 問題:Practice Set 1-5, Practice Test 1 Q1-34)と3rd Editionで追加された問題(3rd 問題:Practice Test 2 Q1-33)を比べましょう。
大きな違いとして目につくのが2nd問題のPractice Set 4と5の時間。
ともにレクチャー問題でありながら、時間は3分台と短めです。
3rd問題のレクチャーがどれも4分後半以上の長さであり、また6分くらいのものもあることから、2nd問題には、本試験の問題と比べかなり短いものもあると言えます。
もちろん問題が長ければ必ずしも難しくなるわけではなく、実際に最長6:03のPractice Set 2, Q28-33は話の速度が137 wpmと他と比べるとかなりゆっくり話されているので、長くはなっていても聞き取りやすいと言えます。
しかし、問題が長くなるとその分集中力が薄れがちになり(正直、話に飽きてくることもありますね)、また、理解すべきポイントが多くなるので、受験者に対する負担が大きくなります。
また2nd問題のPractice Set 4と5は問題の難易度も易しめであるため、2nd問題への全体的な印象として、「本試験より易しい」と感じる人がいてもおかしくないでしょう。
しかし3rd問題(Practice Test 2)は過去に本試験で出題されたと思われる問題であり、3rd問題も含めたOfficial Guide 3rd EditionのListening問題全体は本試験とほぼ同様の難易度と言えます。
あと、本試験との比較ではありませんが、今回のデータで注目したいところは、Conversationの話の速度(wpm)です。
200wpm前後のものもあり、速い英語の聞き取りに慣れていないとCoversatio問題を正解するのは難しいでしょう。
Conversationが苦手な人は、本試験に近いスピードで話される問題集に取り組むことが有効です。
OGよりも本試験に近い問題集は他になく、TOEFL iBT Reading、Listening対策の仕上げとしてOGへの取り組みは欠かせません。
(注:現在はOGの他にETS作成の問題集としてOfficial Tests(赤い本)Vol. 1 & 2が販売されています)
大学受験の対策においても、仕上げとしての過去問への取り組みが有効なように、OGへの取り組みを通して、本試験の難易度・傾向を学びましょう。
コメント
お世話になっております。
OGの電子版はIpadで使用可能なのでしょうか?
リスニングもIpadで使用する事って出来ますか?
すごく初歩的な質問ですみません。
SHIMMYさん
こちらに関してはブログ記事に書きました。
https://tofure.com/?p=20295
Katsurayama