Speaking、Writing対策はReading、Listeningスコアアップに有効?
先日、ウェブトフルのListeningコースを開始されたばかりの受講生の方から
アウトプット系(Speaking、Writing)の対策を行うことが、インプット系(Reading、Listening)のスコアアップに有効では?
4つの技能(R, L, S, W)は相互に関連するため、アウトプット系の勉強を行ったほうが、目標スコア獲得が早くなるのでは?
という内容のご相談をいただきました。
(内容をかなり簡略化し、文言も大幅に変えています。)
「4つのスキル(RLSW)は相互に関連する」というのはその通りなのですが、かと言って、1つのスキルを養成すれば他のスキルも向上すると単純に一般化できるものではありません。
例えば、文盲の人は母語を聞いたり話したりできるが、読む訓練をしないと読めないまま。
「4つのスキルは『常に』関連する」とまでは言えないのです。
ではTOEFL対策においてはどうかというと、Speaking、Writing(アウトプット)の力を磨くことで、Reading、Listening(インプット)の力を向上させられる部分もあります。
例えば、SpeakingやWritingのサンプル回答を繰り返し読んだり、復唱したり、そこでの文法理解を深めればReading問題をより速く読め、Listening問題をより理解できるようになります。
しかしSpeaking、Writingの“Independent”タスクで高得点が獲得できる文章と、Reading、Listeningセクション問題で使用される文章の難易度は異なるため、Speaking、Writingの“Independent”対策を通してのReading、Listeningスコアアップは達成しにくいと言えます。
それに対して、Speaking、Writingの“Integrated”タスクの問題は、Reading、Listeningセクションに近い内容・難易度であるため、その対策を通して単語力、英文処理速度、背景知識等を向上させることができ、インプット系のReading、Listeningのスコアアップに有効です。
ですがこれはSpeaking、WritingのIntegrated問題内のReadingパッセージや、会話や講義の音声理解に取り組むことにより「インプット系」のスキルを向上させているので、Reading、Listeningスコアが上がって当然と言えます。
同様にReading、Listeningセクションの取り組みによりインプット系の実力が向上すれば、Speaking、WritingのIntegratedタスクにより楽に対応できるようになります。
私はTOEFLでの目標スコア獲得の戦略として、まずはReading、Listeningに集中的に取り組み、この2セクションでの大幅なスコアアップ狙いをお勧めしています。(RL両方ともかなりのスコアアップが求められる場合)
以下、その理由です。
1.対策に取り組むセクションの数を絞ることで、1つのセクションあたりの学習時間が多くなり、結果が出やすくなる。スコアが上がれば、その後の取り組みのモチベーションが高まる。
2.Reading、Listeningでの実力アップが、Speaking、Writingの“Integrated”タスクの準備になる。
3.Reading、Listening力アップを目指して、繰り返し、R問題を黙読、L問題を音読やスクリプト・リピーティング等することによりSpeaking、Writingの“Independent”タスク高得点獲得に必要な表現力養成につながる。
4.RLの取り組みによるSWへの効果の方が、SWの取り組みによるRLへの効果よりも期待できる。
5.RLで目標スコア(近く)が取れてから、SW対策に多くの時間をかけながら集中的に行ったほうが、アウトプットで使える表現に慣れたり、覚えたりしやすい。
まずはRLへの取り組みに集中し、目標スコア達成のために必要なRLスコア(近く)が獲得できるようにする。
その後、SW対策に移り、アウトプットスキルの向上に集中的に励む。
というのが多くの人に取っての理想的なTOEFLスコア戦略の流れと考えます。
最初にRLで何点を目指すかは目標とするスコアによって変わりますので、以下の一連の投稿を参考にしてください。
ただ、ブログ記事に書いているのは一般的な、かつ理想的なTOEFL対策のケースであり、当面どのセクションで何点獲得を目標とするか、どのセクション対策から始めるかなどは個々によって異なります。
ウェブトフルの受講生の方は、どのようなスコア戦略を取るべきか迷うときは、ご遠慮なくメールでご相談下さい。
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