TOEFLとはちょっと離れて、Listeningが難しい理由を考える その4
以下、2017/05/02 の記事の再掲載です。
» TOEFLとはちょっと離れて、Listeningが難しい理由を考える その3
の続きです。このシリーズ、今回が最終回。
単語は聞き取れていて、知らない表現はないと思われるものの「Listeningが難しい理由」の3つ目として取り上げるのは
3.「背景知識不足の補完が難しい」
話のトピックに関する背景知識が乏しいと分かりにくいのはReadingも同じですが、Listeningの場合、分からなかったら立ち止まって考えたり、少し前に戻って内容を確認する余裕がありません。
分かりにくいところがあった場合、少人数での会話なら話者に説明をお願いできることもあるでしょうが、説明を頼めない状況のときは、自分はついていけないまま話が進んでいくことになります。
皆さんもこんな経験ありますよね。
何人かで話しているとき、ある有名人や知り合いの話になるが、自分だけその人を知らない。
または自分だけある映画やドラマを見たことがない。
話は盛り上がっていくものの、知らないことだから会話に参加できず蚊帳の外に置かれてしまう。
このようなことは母国語、外国語に関係なく起こりえます。
しかし英語のListeningにおいて、話をより理解できるようになりたいのなら、頻出のトピックや用語などを他の聞き手と同じくらい知っている必要があります。
英語力にハンデがあるのに、背景知識も劣るとなると話についていけなくなって当然です。
例えば
留学中のクラスなら、課題を読み込み、授業内に話されるであろうトピック・問題点を事前に整理する
トークショーなら、出演ゲストに関してネットで調べる
医療ドラマなら、知らいない病名をチェックし、馴染みのない病気なら日本語サイトでの解説を読んだり、英語サイトで関連する用語を確認する
友人たちとの会話に出てきた有名人に関しては、簡単にリサーチを行う
TOEFLなら、多くの問題内容を理解することによって、似たトピックが出題されたときに対応しやすくなる
などにより、背景知識不足を補うことがListening理解に有用です。
上記の内容は、英語学習に限らないことであり、特に目新しさはないかもしれません。
しかし「英語が聞き取れない」「スピードについていけない」という悩みに囚われすぎて、理解できない最大の原因が背景知識不足であると気づいていないこともよくあるので、ここで取り上げています。
(TOEFLの問題では背景知識がなくても正解できるように作成されています。しかし、問題のトピックがある程度馴染みのあるものならば、当然、問題内容はより理解しやすくなります。)
特に留学を開始すると、クラスメートたちがあなたがよく知らない有名人、スポーツ選手、政治家、テレビ番組、映画などについて語り始め、話題についていけなくなるのは日常茶飯事。
そのグループにより溶け込むために、それらの人たちについて調べ、自分も語れるようにするか、そこは分からなくてよいと判断し、そのような話題のときは適当に聞き流すことにするかはあなたの判断次第。
異なる文化の元に育った人たちと同じ知識を持つことは不可能なので。
これまで「Listeningが難しい理由」として取り上げた
1.「音声が聞き取れない」
2.「話のスピードに追いついていけない」
は更なるListening力アップのために向上が求められますが、今回の
3.「背景知識不足の補完が難しい」
は状況によって対応できなくてもOKと判断することになります。
以上、「TOEFLとはちょっと離れて、Listeningが難しい理由を考え」てみました。
私はこれまで主にTOEFLスコアアップのためのListening力向上について書いてきましたが、TOEFL対策以外のListening学習となると、目的、Listeningが求められる状況、目指すレベル、学習者の実力・好みの学習法・確保できる学習時間などによって何をどのように行うべきかは大きく変わります。
ある1つの学習法が、誰にとっても、どんな状況でも最適ということはありません。
現在はTOEFLスコアアップのためにListening力養成に取り組んでいるという方も、TOEFL対策終了後に更なるListening力向上が求められるようになるでしょうし、一連の記事がListeningの取り組みへのヒントになれば幸いです。
ちなみに以下、Listening向上に関しての過去記事の一部です。
一連の投稿と重なる内容が多いですがご参考まで。
» TOEFL Listening:聞き取れる、理解できるようになるにはどう学習したらいい?
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