TOEFL Reading & Listening:問題を多く解いて慣れていけばスコアは上がるか?
以下、過去の記事の再掲載です。
現在、年始にいただいたご質問やご相談メールに回答していますが、その中でお二人の方から
Reading、Listeningスコアアップのためにはとにかく多くの問題に取り組んで慣れていくのがいいのか?
というようなご相談をいただきました。
いただいたメールにはすでに回答済みですが、同じように考えている方もいらっしゃるかと思い、ここにも私の考えを書くことにします。
まず前提として
「TOEFL問題をどんどん解いて問題に慣れたら、スコアが大幅に上がった」
という方はいらっしゃいます。よって
「その方法は良くない!」と言うつもりは全くありません。
しかし、私がここでお伝えしたいのは
ある方にとって有効だった方法が、あなたにとっても同様に効果的とは限りませんよ
ということ。
話を進める前に、あなたが得意なスポーツをひとつ選んでください。
(「これまでスポーツはあまりやっていない」という方は何か得意になったことでも結構です。音楽でも、将棋でも、料理でも、ある分野の勉強でも)
そして
「そのスポーツ上達にはとにかく多くの試合経験を積んで慣れることだ」
というアドバイスを聞いたら、あなたはどのように感じるでしょうか。
そのような実戦経験が非常に大切な時期があるのは分かりますが、それはそのスポーツにおいて、基本的な技能を習得してからですよね。
話をTOEFLに戻しますが、基本が身についていない段階で、多くの問題をどんどん解いていっても、消化が不十分になってしまう可能性が高いと言えます。
TOEFLのReading、Listeningなら「20点台後半のスコアがほとんど」というくらいでないと、そのような取り組みは効果的になりにくいでしょう。
「多くの問題を解かない方がいい」ということでは決してありません。
問題解法を身につけるためにも、基盤としてのReading力・Listening力を向上させるためにも、多くの問題への取り組みは欠かせません。
「RLで20点後半がほとんどでない」方が、慣れのために多くの問題を解こうとすると、内容の理解や聞き取りが不十分なところがあちこちに残ったまま次の問題に進んでしまう恐れがあります。
すべての設問において正解・不正解の理由に納得する
問題内容をすべて(またはほとんどすべて)理解する
Lならスピードに追いつきながら聞き取れる
ようになってから、次の問題に移りましょう。
ひとつひとつの問題への取り組みがゆっくりになってもいいので、消化しながら進めるべきです。
(とは言っても、詳細に理解するためにすべて日本語に訳そうということではありません)
そうやって進めていけば、問題を通して「できない」ことが「できる」ようになり、1題あたりの取り組みにかかる時間が少しずつ短くなっていきます。
そして、後にはスコアアップという結果につながります。
TOEFLは短時間でスコアがどんどん上がっていく試験ではありません。
目の前の問題が「解けない」「理解できない」「聞き取れない」なら、そのような箇所を潰してから次の問題に移りましょう。
それらの弱点を改善することなく多くの問題を解いても、弱点はそのまま残るだけであり、自らがおかした失敗は繰り返されることになります。
弱点を潰しながら、なくしていきながら、取り組みを進めていきましょう。
以下、今回の内容に似た過去のブログ記事です。参考までに。
» 失敗しやすいTOEFL対策 その3「とにかく問題を多く解けばよいと思っている」
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