Listening教材復習方法に関するアドバイス その1
先日「追加で失礼」さんからコメント欄に以下のご相談をいただきました。
こちらの投稿で追加の質問させてください。
例えば、Listening対策として既に一回Deltaの教材を終えたら違う問題集(Longmanなど)に移行し、どんどんと問題を解き、音読&繰り返し聴くことをしたほうがいいのか、また、Deltaをほとんどすべての文章を暗記するくらいまで音読&聞き返したほうがいいのかどちらでしょうか?
前提として、Deltaの1回目は問題演習→スクリプト確認(文章構造理解)→音読&繰り返し聞き返す、ということをしっかりとした学習です。
その後、私からの質問に対して過去3回のスコアを教えていただきました。
R:21、L:13、S:15、W:20 =69
R:23、L:11、S:18、W:22 =74
R:20、L:15、S:18、W:22 =75
上記のスコアを見て、「追加で失礼」さんは、4セクションの対策を一通り終えたのかなと推測します。
Wで22が出ているということは4人の採点官のうち、2人が4をつけている。おそらくIndependentかIntegratedのどちらかが4平均、Listeningのスコアから判断すると可能性が高いのはIndependentで4平均、Integratedで3平均でしょうか。
Integrated Writingの問題構成と書き方のパターンが分かっているのなら、前回の
Writing Integrated Taskに関するアドバイス
に書いたようにListening力の上昇によって、Writing 25獲得の可能性が高いでしょう。
上記のスコアの中で「追加で失礼」さんが一番気になるのはListeningのはずです。
このようなスコアを取っている方の中には、
「現在75くらいだから90や100まで後わずか」
と考えられる方も多いかと思いますが、実際に
このようなスコアの並びになっている方は90以上を取るまでTOEFL対策が長期化する
可能性が高いと言えます。
まず一番気になるのはReadingスコアとListeningスコアに大きな差があることです。
これが何を意味するかと言うと、
英語の音声から表現を理解する「音声認識力」が弱い
また
速く話される英語を理解する「英文処理速度」が遅い
可能性が高い。
そしてこれら「音声認識力」「英文処理速度」は「理解」というよりは「慣れ」の要素が大きいので、これらを向上させるには通常、それなり時間がかかります。
おそらく「追加で失礼」さんは
Listening問題を音声で何回か聞いても聞き取れない・意味が分からないところがかなりあるが、その後スクリプトを読むと、意味はほとんど理解でき、なんでこんなところが聞き取れなかったのかと思うようなところがたくさんある
ということが多いのではないでしょうか。
そのような方には、
ナチュラルな英語の音声に慣れる
ことを意識した学習をお勧めします。
「追加で失礼」さんは、音読を中心にListening学習を進めていらっしゃるようですが、音読の際に、実際の発音をできるだけ真似ることを意識して取り組みましょう。
聞き取れないところが多かった問題では、1文ずつ、音声を聞いた後に文章を読み上げるリピーティングや、問題音声を流し、そのすぐ後に遅れてスクリプトを読み上げるスクリプトを見ながらのシャドウイングを行うことをお勧めします。
学習法の選択に関してはこちら → Listening学習法に関する質問への回答 その1 他
またスコアで気になるのは、Readingのスコアです。
「追加で失礼」さんがListeningだけにどれだけ取り組んでもReadingスコア20-23を超えて25あたりを出すのは難しいでしょう。
ListeningスコアがReadingスコアよりも大幅に低い方は、Listening学習を頑張ってもだいたいReadingのちょっと下あたりで伸び悩むことが多いのです。
ではどうしたらいいかというと、ListeningがReadingのちょっと下の18-19くらいになったら、Listeningへの取り組みは継続しながらも、Reading中心の学習に変える。
(ListeningとReadingを並行して、同じくらい取り組むのもアリです)
Readingへの取り組みによって「単語力」「論理力」「解答力」「背景知識」が上がれば、Listeningにもよい影響を及ぼし、Listeningのスコアをさらに上げる余地が生まれます。
もし90以上を目指しているのなら、Reading、Listeningで25以上が取れるようになるまでReading & Listening中心の学習を継続することをお勧めします。
(100以上ならReading、Listeningで27以上が取れるようになるまで)
例えば、Reading、Listeningが23まで来たら、後は他のセクションへの取り組みやGMATへの取り組みによってReading、Listeningが上がっていくとは考えてはいけません。
結局あとでReading、Listeningの取り組みに戻り、Reading、Listeningの更なるスコアアップへの取り組みを再開することになってしまいます。
目標スコアを効率的に獲得するためには、あれこれ手を出すのではなく、実力の成長が確かに感じられるまで集中的に取り組みましょう。
いただいたご質問にまだ直接回答していませんが、スコアからListeningだけの取り組みの問題ではないと思い、まずは全体的なTOEFL対策の話から始めさせていただきました。
いただいたご質問への回答は次回の投稿の予定です。
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