SpeakingとWritingの新たなスコア算出方式を考える その2
SpeakingとWritingの新たなスコア算出方式を考える その1(2018年10月28日)
の続きです。今回は、Reading、Listeningにおける「問題の難易度を考慮したスコア算出」について。
TOEFLのReading、Listeningセクションでは「何問正解なら何点」というように正解数や正解率によってスコアが決まる訳ではありません。
以下をご覧ください。
TPOとはTOEFL Practice Onlineの略であり、TOEFLの公式模擬試験のこと。
TPOの問題は過去に本試験で使われたものです。
(TPO 21, 22は23, 14ほどデータが揃っていないので、下のリンク先のように換算表は公開しません。またTPO14, 21, 22は現在受験できません。)
TOEFL Practice Online (TPO) 23 Reading & Listening スコア換算分析結果 その2(2015年10月29日)
Reading 正解率80%(45問分中36問正解、9問不正解)
TPO23:24点
TPO22:25点
TPO21:26点
TPO14:24点
Reading 正解率60%(45問分中27問正解、18問不正解)
TPO23:16点
TPO22:18点
TPO21:19点
TPO14:データなし
Listening 正解率79%(34問中27問正解、7問不正解)
TPO23:23点
TPO22:25点
TPO21:23点
TPO14:24点
Listening 正解率68%(34問中23問正解、11問不正解)
TPO23:19点
TPO22:21点
TPO21:20点
TPO14:20点
Reading、Listeningでは同じ正解数・正解率であっても問題によって2-3点変わると分かります。
よって「今回の問題は難しく、正解率も低かったと思われるが、スコアは悪くはなかった」ということが起こり得るのは当然なのです。
このように、試験問題の難易度を考慮したスコア算出がTOEFL iBT開始当初からReading、Listeningセクションでは行われています。
Speakingセクションではこれまで回答のパフォーマンス(評価点:4, 3, 2, 1, 0)のみによってスコアが算出されてきましたが、9月頃から問題の難易度を考慮した統計学的な分析手法によるスコア算出に変わったと推測します。
だからこそ、かつてならSpeaking評価でLimited(1.5-2.0)が3つ並んだときは、評価点平均は2.0以下になりスコアは最高でも15だったのが、最近はSpeaking 16(Limited, Limited, Limited)というスコアがでるようになりました。
問題難易度の統計的な考慮により「受験者によりフェアになった」とも言えますが、日本で英語教育を受けてきた方々にとっては厄介なところも。
Writing換算の話も含めて、そのあたりについては次回に。
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