【改訂版】TOEFL Independent Writing:「パラグラフを First, Second, で始めるとスコアが下がる?」に対して本物の採点官に回答してもらいました
以下、過去記事を改訂したものです。
ブログのコメント欄に以下のご質問をいただきました。
現在、ライティング(Independent)の点数を上げようと思い、いろいろと参考書を買って勉強しているのですが、ある参考書に、「Independentでは以下のように、First,…/ Second,…/ Third,…/ In conclusion,…/のようなパラグラフの書き方はテンプレートとみなされて、点数が低くなる」と書いてありました。本当でしょうか。
別の参考書では、上記のようなパラグラフ構成が「TOEFLエッセイの基本」と書いてあったので、私はこれでずっと回答してましたし、これをテンプレートとも思っていませんでした。
たしかに、「The Official Guide to the TOEFL Test」の模範解答を見てみると、点数の高い回答は上記のような回答ではないのですが・・
「段落を First, …や Second, … で書き始めるとスコアが下がるのか?」
「私のWritingスコアが上がらないのはFirstやSecondを使っているからなのか?」
まず先にご質問への回答を伝えます。
「そんなことはありません!」
ただ、その根拠として
「FirstやSecondで段落を書き始めたエッセイでも満点が取れている」
ことを挙げると
「FirstやSecondを使っても、他の内容が良ければそりゃ満点が取れることもあるだろう。そこまでのWriting力がない受験者は、これらの表現を使うとスコアが下がりやすいのでは」
と反論されてしまうかもしれないので、TOEFL iBT Writingセクションの採点官に質問しました。
以下、TOEFL 本試験 Writing採点官からのコメントの意訳です。
「この方が持っている本が正しくないか、この方が間違って解釈したのかのいずれかです。”First, … Second, … Third, … In conclusion, …” というtransition wordsを使って、Independent Writing taskのスコアが下がることはありません。そのことは自明ではありますが、ダブルチェックをするために採点官が参照するIndependent Writingにおける『事前に丸暗記したであろう好ましくない表現集』を確認したところ、それらの表現は含まれていませんでした。」
ということで、”First, … Second, … Third, … In conclusion, …” は転換語(transition words)であり、テンプレートとみなされることはありません。またこれらの表現の使用によってスコアが下がることはありません。
しかし、敢えて言えば “First, … Second, … Third, …”(In conclusion, … は除く)は、
First of all, …
To begin with, …
Most importantly, …
The first reason is that…
In addition, …
Additionally, …
Furthermore, …
Another reason is that …
Finally, …
The final reasons is that…
The last reason is that …
などと言い換えてもいいでしょう。表現にバリエーションをもたせたほうがWriting力が高いとみなされる可能性は高まるので。
繰り返しますが、”First, … Second, … Third, …”で減点されることはありません。上の挙げた表現も皆、transition wordsであり、よいスコアになるかどうかはその後の理由や事例の内容で決まると考えてください。
この採点官は、ダブルチェックを行うために採点官が参照するIndependent Writingにおける「事前に丸暗記したであろう好ましくない表現集」(表現集の名前を私がかなり意訳しています)に言及していましたが、ETSは何十ページにもわたるそのようなHandbookを採点官に渡しています。採点官はそのような表現を見つけると、採点官のリーダーにスコアの判断を委ねることになっています。
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