えっ!TOEFLが2種類になるの?8月から始まるTOEFL Essentialsってどんな試験? その3
» えっ!TOEFLが2種類になるの?8月から始まるTOEFL Essentialsってどんな試験? その2
の続きです。今回は、ETSが2つ目のTOEFLであるEssentialsを始める理由について。
以下のETSのツイートでは、新しいTOEFLを始める理由を説明するものとして “The Battle to Test International Students” という記事のリンクを載せています。
At @ETSInsights we believe in providing options to ensure scholars reach their potential. Offering two versions of the #TOEFL creates opportunity for students. Read more at @InsideHighered. https://t.co/sDUvG4pPqr
— ETS (@ETSInsights) February 22, 2021
以下、この記事で私が注目するポイント:
長年、留学生が受ける第一の英語試験はTOEFLだった。
コロナ禍の昨年、試験時間が短くて安いDuolingo試験がマーケットのシェアを急増させた。
Duolingoの受験料は49ドルで、1時間で(自宅で)受けられる。
昨秋、アメリカの大学に入学する留学生は43%少なくなった。
今年もっと少なくなると予測されている。
2018年にDuolingoを受け入れる大学は数十だったが、今は3000を超えている。
(アメリカの大学の数は4300くらいとも5300くらいとも言われています)
昨夏以降、Duolingoでの出願が急激に増えたという大学も。
TOEFLのexecutive directorは、多くの大学が両方(iBTとEssentials)の出願を認めるが、iBTの人気は続くだろうと予測。
そして、このexecutive directorはDuolingoのテストをアレヤコレヤと批判。
人数は明かせないものの、TOEFL iBTの2020年の受験者数は、2019年と比べ減った。それに対してDuolingoは2000%(20倍)分増えた。
読み物として分かりやすいので、是非、一読ください。
» “The Battle to Test International Students”
受験料 5000円ほど(TOEFL iBTの1/4〜1/5)のDuolingo試験を多くの大学が採用したため、Duolingoのスコアで出願する人が増えるのは当然のこと。
留学生数減少を恐れた大学の多くが、留学生出願者獲得のためにかつては信用していなかったDuolingoの採用に踏み切った。
ただ現時点では、Duolingoスコアを認めているアメリカのトップの大学・大学院は少ないでしょうし、また日本の大学でDuolingoでOKとしているのは、テンプル大学の日本校のみです。
しかもテンプル大学日本校はDuolingoスコアを採用しながらも、Duolingoが提示する換算「TOEFL 74-79 = Duolingo 100」を認めず、TOEFL 79に対してDuolingoでは110を求めています。
このような状況を受けて、ETSは奪われたシェアを奪還するために、焦ってTOEFL Essentialsの準備をしています。
まだ問題サンプルも揃わない状態で発表したのは夏の開始を早めに告知したかったからでしょう。
ETSは以下のように公式ページでDuolingoは様々な点で劣っていると主張。
このような他の試験を公に批判するのは初めてのこと。それだけ焦っているのがうかがえます。
» Frequently Asked Questions About the TOEFL Essentials Test
皆さんの一番の関心事は、TOEFL Essentialsを皆さんの志望校が採用するかどうか? かと思います。
現在、DuolingoをOKとしているなら、TOEFL Essentialsを認めるはず。
TOEFL iBTの「自宅受験」によるスコアを認めていないなら、自宅受験のみのEssentialsを採用しないでしょう。
トップ校と呼ばれる大学・大学院の多くはアカデミックの割合の低いEssentialsを認めないかもしれません。
日本の大学の多くは自宅受験に対して不信感があると推測します。よって採用する大学は少ないのでは。
とは言っても、コロナ禍が長く続くと授業だけではなく試験もオンラインというのが私たちの一般的な考え方になっていくのかも。
TOEFL Essentials、他にはどのような問題を出題するのか、どのようにスコアが算出されるのかなどが分かっていません。
また8月に始まっても、日本ではすぐに受けられないかもしれません。
昨春、自宅受験TOEFLが多くの国で始まったとき、日本からの受験は10日ほど遅れて可能になりました。
現時点では不明な点が多く、今後情報を得次第、アップデートしていきます。
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