「現在TOEFL 59、4ヶ月後に100を獲得したい」の問題点とアドバイス
トフレのオンラインTOEFL対策コースの受講を検討されているという方(Aさんとします)から、以下のご相談をいただきました。
ご相談への回答をブログ上で行なうことをAさんに提案し、相談文面の掲載に了承いただいています。
以下、Aさんの現状(英語力):
3/6にTOEFL iBT初受験。スコアは Total 59, R 19, L 9, S 16, W 15。
今年1月にTOEICでR 390, L 440, Total 830(Rで最後の5−6問は時間が足りず解答できなかった)。
現在、受講を検討しているAと申します。
トフレを受講して海外の大学院進学に向けてTOEFL100点を今年の7月末までに取得したいと考えており、ご相談させて頂きたくメールいたしました。
3月6日に受験したTOEFLではR 19, L 9, S 16, W 15という結果でした。リスニングが弱点であり、リーディングは3パッセージ中3つ目の前半部分までしか解き終わらず、目標点にはまだまだ遠い状態です。英単語についてはTOEFL3800を使っておりrank3までは9割ほど暗記している状況です。また、1日に取れる時間は4時間ほどです。取れる時間が少ないなか効率的に学習が進められればと思っております。
そこで現在の計画としては、
3月末までに、TOEFL3800のrank4までをほぼ完璧になるまで暗記し、
5月中旬までにR 28以上を目標にトフレのリーディングとライティングを平行して受講し8:2ほどの学習時間に分けて学習を進め、
6月末までにL 27以上を目標にトフレのリスニングとスピーキングを平行して受講し、音源ごとにしっかりとシャドーイングを行いリスニング力強化し、
7月の本番まではSWを主軸に4技能の最終調整として学習を進めることで目標点に到達したいと考えております。
以上のような方針を考えているのですが、学習方針についてより効率的にトフレを活用できる術がありましたら、是非ご教授いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い致します。
また以下、これまでの対策と目標スコア獲得の期限に関しての質問に対するAさんの回答:
TOEFLの対策は3週間ほどで主にSWに力を入れて対策しました。3/6受験時点ではTOEFL 3800はrank1, 2がほぼ完璧な状態でrank3は半分までしか暗記できていなかった状況です。また、TOEFLを知るためにMastering Skills for the TOEFL iBT(Advanced)という教材を用いて対策をしていました。Reading は各問題の問われ方などを把握して毎日3パッセージほど読んでいました。主にSpeakingとWritingに力を入れてこの教材に取り組んでいました。
実際には海外の大学院のスコア提出は11月の上旬までになります。そのため海外の大学院に進学するためには10月の上旬にはTOEFL100点を取得できれば良いのですが、奨学金申請をするにあたって(早期申請の奨学金もあり、一定のスコアが必要であるため)7月末にスコア取得が望ましいと考えています。
※国内の大学院受験のために専門科目の学習も進めなければならず、大学での研究の時間も考慮すると7月末までの間はTOEFLの学習時間が1日に最大でも4時間しか取れません。
7月末までにTOEFL100点の取得ができない場合、国内の大学院受験が8月末に行われますので7月末-8月末は専門科目の学習に時間を当てようと思っています。(国内の大学院で利用できるTOEFLスコアが7月末までのものになります。)
国内の大学院受験終了後は奨学金との兼ね合いもありますが10月まではTOEFLの学習は可能です。
Aさんがまず行なうべきこと
ご本人にメールでお伝え済みですが、Aさんの一番の問題はTOEFLでのスコアアップにどれだけ時間がかかるか、大幅なスコアアップがどれだけ困難かを知らないこと。認識を改めずにこのままTOEFL対策を継続しても上手く行かないと考えます。
Total 59, R 19, L 9, S 16, W 15 がAさんのTOEFLにおける実力を正確に表していると仮定した場合、毎日最大4時間の学習で4ヶ月後に100以上の獲得は極めて困難です。
このような話に対しては「いや、私はそのくらいのスコアから4ヶ月くらいで100以上を取った人を知っている」と思う人がいるかもしれません。
しかしその人は4ヶ月間、毎日一日中TOEFL対策に集中できる環境だったかも。
また60点くらいのスコアは本人の実力が正確に反映されたものではなく、1ヶ月後の2回目の受験で80以上が取れるほどだったかもしれません。
初めてのTOEFL受験では試験問題に慣れていなかったり、試験環境に面食らって十分に集中できない人は多いので。
なので、Aさんが近々本試験を受けて80点台のスコアを取るなら話は大きく変わります。
とはいえ本試験の受験料は3万円近くとかなり高いため公式模試で実力測定することをお勧めします。
» 【改訂】TOEFL iBTの公式模試(TPO31)、37%引きで受けられる裏技教えます!
しかしながら、仮にすぐに受けた模試や本試験で80点くらいのスコアを取ったとしても、1日最大4時間という学習時間では4ヶ月後での100以上獲得はかなり厳しいでしょう。
模試のスコアが3/6の本試験のスコアとあまり変わらない場合、
7月末までの4ヶ月間でまずは80以上獲得を目指してTOEFL対策を進める
その後の1ヶ月はTOEFL対策はできないとのことなので、8月末から10月末までさらなるスコアアップを目指す(1ヶ月間TOEFL対策から離れるため、8月末では実力が若干下がったところからの再開になります)
という感じでしょうか。
正直なところ、1回の受験のスコアでは実力を判断しにくいです。なのでまずはすぐに模試(または本試験)を受けることが何よりも大切と考えます。
そしてそこでのスコアに基づいて80以上などを獲得するために優先して取り組むべきセクションを定め、取り組みを行っていきましょう。
トフレのコースを受講いただけるのであれば、1ヶ月後、2ヶ月後などで受講の進捗状況やそのときの模試や本試験のスコアに基づいて適宜アドバイスをします。
AさんはTOEICでは830点が取れるように、一般的にはかなり英語力の高い方と言えます。
TOEFLでは59点でしたが、TOEICで830の人がTOEFLを受けたらだいたいそのあたりになります。
Aさんの問題点
TOEICで800以上が取れるくらい英語力の高い方だと、数ヶ月適切な対策を行えばTOEFLで100くらいが取れると思ってしまう人がいるのも分かります。
しかし、その甘い目算がTOEFL対策での一番の問題であると考えます。
「4ヶ月後に60→100は『無理』」とは言いません。でも一般的には達成が極めて困難な目標です。
実現可能性が極めて低い目標を設定してTOEFL対策を開始すると、後に苦しむことになります。
中にはそのような現実を無視して「頑張ればできる」という人もいるかもしれませんが、私には統計的な確率を考慮していない無責任な発言に思えます。
また
> そこで現在の計画としては、
> 3月末までに、TOEFL3800のrank4までをほぼ完璧になるまで暗記し、
> 5月中旬までにR 28以上を目標にトフレのリーディングとライティングを平行して受講し8:2ほどの学習時間に分けて学習を進め、
> 6月末までにL 27以上を目標にトフレのリスニングとスピーキングを平行して受講し、音源ごとにしっかりとシャドーイングを行いリスニング力強化し、
> 7月の本番まではSWを主軸に4技能の最終調整として学習を進めることで目標点に到達したいと考えております。
という計画は単にコースを受けていれば(聞いていれば)スコアが上がると思われているように感じます。
大切なのは授業やアサインメントで扱う問題において「できなかった」ところを「できるようにする」作業。
その「できるようにする」作業にどれだけの時間がかかるかは、その人の実力によって大きく変わります。
コースを受けて、解説を聞いているだけでスコアが上がるというものではありません。
どのように対策をすべき?
トフレのコースを受講される場合、毎日4時間ほど学習時間が取れるなら、Listening Delta 18Dayコース、Reading Delta 18Dayコースの受講から開始し、まずはListeningに2.5時間ほど、Readingに1.5時間ほどというバランスでListening、Reading対策を進めるのがよいでしょう。
3月中に完了するつもりであった単語本の3800ですが、ランク4の単語には取り組まなくて結構です。
ランク4にはTOEFL本試験で出題される可能性のかなり低いものが多く含まれます。少なくとも今の実力で取り組むべきものではありません。
これまで取り組み済みのランク1−3までの単語は、スキマ時間などで見直し、意味を再確認すれば十分です。
まずはトータル80以上獲得のために、Reading 24、Listening 21、RL合計45を目指しましょう。
4時間くらいまでの学習時間だと最初の1−2ヶ月はReading、Listening対策で手一杯になると推測します。
Reading、Listening力が低いと、Speaking、WritingのIntegrated問題に上手く対応できないので、本試験のスコアから判断して、当分の間はRL対策に集中すべきと考えます。
Delta 18Dayコースやその後のOG 8Day演習コースの受講により、Reading、Listeningで大幅な実力アップを達成した後に、Integrated Writing、Independent Writingの4Dayコースの受講から始め、Writingで20を目指し、80以上を狙いましょう。
最終的に100以上が目標でも、まずは通過点として80以上を達成しなければなりません。
59点からスタートで4ヶ月間(+2ヶ月)の期間なら、実現可能性が高い目標(80以上)を定め、日々の学習時間をできるだけ増やすことを心がけながら取り組みを進め、スコアアップ/実力向上の成功体験を積んでいくことが有効です。
そのような取り組みを行っていけば、目標スコア100獲得の実現性がどれだけかが見えてきます。
これからTOEFL対策を始める、または始めたばかりの方がAさんと同様に考えていることも多いと思い、ブログ記事で回答しました。
TOEFLスコアアップの難易度を見誤り、対策期間を十分に取ってないと当初の目標スコアを下げざるを得なくなったり、または目標スコア獲得の期限を延ばさなければならなくなります。
Aさんのようなご相談に対して私がいつも思うのは「数ヶ月早く相談いただいていたら」。
学習期間を十分に取っていれば達成できる目標も、期間が短いと可能性が激減してしまいます。
Aさん、上記内容を参考にした上でご相談、ご判断ください。
コメント
こんにちは、私は本日自宅受験のTOEFLを初めて受ける予定だったものです。メールに送られてきたURLに飛び、事前準備を行っていたのですが、system checkの画面にいくと、トラブルが発生してしまいました。カメラやマイクなどは平気だったのですが、portsという項目が常にローディングしている状態でした。スクリーン共有の指示が出たので、共有をしようと試みても、failedと出てしまいました。結果、色々試したのですが、受験することができませんでした。再受験を考えているのですが、何か解決方法はあるのでしょうか?また、返金ややり直しができるなどのサポートはあるのでしょうか?
OSさん(こちらでお名前をイニシャルに変えさせていただきました)
portsですが、以下のことくらいしか分かりません。
https://twitter.com/webtoefl/status/1505744724811927554
「画面共有できない+Portという部分がうまく起動しない(?)」
状況でプロクターがいろいろ行ったものの、解決しなかったがPCを再起動したら試験を問題なく受けられた。受験前に再起動しておくとよいかもとのこと。
https://twitter.com/yotangn_mba/status/1425019310083174404
ETSに連絡して返金または再受験を要求しましょう。
https://tofure.com/blog/33780/
https://tofure.com/blog/26071/
https://www.ets.org/toefl/contact/test-takers