TOEFLスコアが伸び悩んでいる読者の方からコメント欄に100点獲得のためのご相談をいただきました その6
» TOEFLスコアが伸び悩んでいる読者の方からコメント欄に100点獲得のためのご相談をいただきました その5
の続きです。
Listening対策として何に取り組む?(続き)
前回の「その5」では、Listening力向上のために「TOEFL教材以外の取り組みは基本的にはお勧めしない」という話をしました。ではどんなTOEFL教材に取り組むべきかというと、欠かせないのがReading対策でお伝えした
Official Guide → Official Tests Vol. 1 → Official Tests Vol. 2
というETS教材の流れ。OGは解説はあるが十分でないところがあったり、Official Tests 2冊は解説がない、というマイナス点がありますが、公式のTOEFL教材であり、質は担保されています。
TPOのRについては、正直やめようかなと思っており、理由としては文章がたまに間違っていたり(カンマがない等)、正解の選択肢の根拠が腹落ちしない部分がたまにあるため、消化できないと感じているためです。
TPOのLについては、特に問題なく感じております。
中国TPOは公式模試の問題が流出したものであり、問題の正確性が欠けるところがありますが、
» 中国のTPO(TOEFL Practice Online)で学習する危険性
それでもETS教材3冊(OG、Official Tests 2冊)への取り組みが終わった人は中国TPOに移るのがベストと考えます。
ただし、公式の問題集に比べると、質は落ちるとのコメントもたまに見ているため、Deltaの問題集に取り組もうかと検討しております。
流出したものであり、正確性に難があるところがありますが、過去に出題された問題なので質が落ちることはありません。
Deltaですが、トフレのRLの教材として使っているこの問題集の優れているところの1つは、Reading、Listeningにおいては問題タイプ別になっていること。そのように分類されているからこそ、それぞれの問題タイプ別の解法習得に効果的と言えます。ただし、ここでの「問題タイプ別の解法」とは、私が伝えたい「解法」であり、教材に書いてあるものではありません。
» トフレのListening、Readingコースで使用する教材のDeltaはあまりよくないんじゃない? に答えます
もちろん教材として優れていますが、問題の難易度はETS教材よりは易しく、また同じようなタイプの問題が並んでいるところがあるため、本試験問題至上主義(本試験の問題が絶対的に一番いいという考え)の人には物足りなく感じるでしょう。
実際に問題の質や難易度を上げて授業を効果的にするために、トフレのReading Deltaコースでは18回の授業のうち8回で追加問題としてTOEFLの過去問を扱っています。Deltaの問題だけでは十分な効果が望めないところがあると判断しているからです。
それでも市販の教材としては質のよい問題が多いので、特に自分ではETS問題の理解が難しい人(RLのスコアが20以下の人)にとってはETS教材に取り組む前に始めるものとして適切と考えます。
Listening学習法
Listeningの学習法としては以下に取り組まれているということでした。
L:聞こえなかった箇所の確認(聞き直し)→スクリプト確認→単語や句の確認→不明点のみ精読→通しで聞く
Listening学習法は様々であり、誰にとってもこれがベストというものはありません。
しかし学習法を実践した後の最終的なゴールは同じであり、それは問題音声を聞いたときに「表現が聞き取れ、意味が分かる」状態になっていること。どのような手段を取ろうとも、ちゃんと目的地についていればいいと考えてください。
ご相談の方からお知らせいただいた学習法では最後の「通しで聞く」際に、問題音声の表現をすべて聞き取れているか。その上で意味を理解できているかが気になります。「なんとなくだが聞き取れ、意味が分かるようになっている気がする」という方は、ぜひ問題音声を聞きながら(話の)スクリプトを見ないで、音声だけでシャドウイングを行ってみてください。音声だけでのシャドウイングを行いながら、意味が取れているなら、表現が細かく聞き取れていて、意味が分かっていると判断できます。しかし音声でのシャドウイングがうまくいかないなら、聞き取りや理解度は高くないと分かります。
TOEFLのListening問題が話されるスピードは速く、内容理解も簡単ではないものが多いため、音声でのシャドウイングは非常に難しく感じる人もいるはず。ちなみにトフレのListeningコースでは、この音声(での)シャドウイングを実践してもらう回(Day 11)もありますが、音声シャドウイングの実践はListeningで22以上がほとんどの人を対象としてお勧めしています。
そうでない人にとってはTOEFLのListening問題への音声シャドウイングは難易度が高く、行っても十分に消化されない恐れがあるからです。
またご相談の方は「スクリプトで単語などの確認をして意味を理解した後、読んでから、聞いて終わり」という流れですが、気になるところがあります。
① スクリプトを読んで理解できる状態になっているか
「不明点のみ精読」とのことですが、自分では理解できていると思われた箇所を、例えば音読すると、意外と細かくは意味が取れていないことに気づいたりするもの。
② 「通しで聞く」際、表現が細かく聞き取れているか
「通しで聞く」前に行っていることは「スクリプトを『読んで』理解できるようにする」こと。「読んで理解する」のと「聞いて理解する」スピードは異なります。つまり自分のペースで読んで理解できるようになったものが話されるのを聞いた場合、理解のスピードが追いつかない可能性もあります。なので、L 18くらいの方は、表現や音声に慣れるためにリピーティングや音読などを実践しり、繰り返し聞くことがListening力アップに効果的であると考えます。
③ 最終的に、問題音声を聞いて(すべての)「表現が聞き取れ、意味が分かる」状態になっているか
この状態になっているか確認する方法の1つとして、上で音声シャドウイングの実践をお勧めしましたが、基本的には音声シャドウイングを行う必要はなく、表現が細かく聞き取れている、聞き取れた表現の意味が理解できている感覚があるならOKです。
ここで言及した「スクリプトを見ながらのリピーティング」「音読」「音声(を聞いての)シャドウイング」等を具体的にどのように実践するかの話はここではしません。学習法を簡単に説明できるものではなく、実際に問題を通して実践していただくことによって伝えることができると考えているので。Listeningの学習法については書店に多数の本があるので、そこから学んでもいいかもしれません。
Listening対策については以上とします。
ここまで「コース受講をお勧めしないで」アドバイスをするという縛りのもと書いてきましたが、ここまでの内容は、スポーツのコーチが直接自分で指導することなく、「このようなやり方もありますよ」と伝えているような感じで、正直なところ中途半端なアドバイスになっていると感じることもあります。なので今後は独学でどのように進めるかを前提としたアドバイスはしないと思います。
次回はこのシリーズ、最終回。SpeakingとWritingの対策について書きます。
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