昨日の記事

 

» TOEFLが変わるって話がありますが … その1

 

の続きです。

 

その1では、2026年1月から変わる注目ポイントとして2つ取り上げました。

 

その1つ目が「Reading、Listeningにおいてアダプティブが採用される」こと。そして2つ目として「従来の内容に加え、より現代的で公平性の高いトピックが追加される」ことを伝えました。しかし、どのセクションで「より現代的で公平性の高いトピックが追加される」のかは明らかにされていません。

 

2026年1月から始まるその他の3つポイントは

 

3.「72時間以内にスコアを受け取れるようになる」スコア返却の迅速化

 

早めにスコアを受け取れるのはいいことですね。ただもしかしたら、現在は受験直後に分かるReading、Listeningのスコア(正式なスコアでは変わる可能性あり、しかし変わることはほとんどない)が、Reading、Listeningセクションでのアダプティブ採用により、当日RLのスコアが出ないようになるかもしれません。

 

4.すべてのテストセンターのヘッドセットを、オーディオブランドと共同開発した最新鋭の「ステレオフォン」にアップグレード

 

これは実際にどれだけよくなるのかは分かりません。
会場受験では、周りの発話がListeningなどの集中を妨げるとなるのが大きなストレスですが、おそらくは周りの音を聞こえなくするというよりは、ヘッドホンの質が向上し、より聞きやすくなるということかと推測します。
周りの発話が聞こえなくなるヘッドホンになるなら、大きな改善になりますが。

 

そして最後に、

 

5.TOEFLの従来の120点満点のスコア以外に、CEFRでの6段階のバンドスケールを表示

 

TOEFL iBTスコアとCEFRの比較は、すでにETSのサイトで公表されていますが、例えば、100点ははCEFRレベル(C2, C1, B2, B1, A2, A1)では6段階のうち、C1に当たると表示されるようになるということ。
もしかしたらそれにより、出願で求められるTOEFLスコアが変わるところもあるかもしれませんが、ほとんど影響ないのではと予測します。

 

 

以上が現時点で発表されている、2026年1月での変更点。今後、詳細を入手次第、お伝えしていきます。

 

 

B. 2025年5月30日から TOEFL iBTの自宅受験の「手続き及び監視システム」が変わる

 

TOEFLの自宅受験のことなので、会場でしか受けない人には関係ありません
また自宅受験での問題が、会場受験と異なるようになるという話ではありません。
自宅受験の問題は、会場受験での問題と同じ。この点は変わりません。

 

変わるのは、受験の手続きの簡略化、と受験者監視の強化。

 

TOEFL iBTのHome Edition(自宅受験)が再設計され、よりスムーズで、サポートが受けやすい受験体験がを実現

(Key elements of the TOEFL iBT Home Edition have been redesigned to create a more seamless and supportive experience)

 

以下、挙げられた特徴です

 

ETSによってトレーニングを受け、ETSから直接採用された試験監督が、受験中を通じて一貫したサポートを提供

(ETS-trained in-house proctors for consistent support throughout the testing session)

 

以前は、ProctorUというオンライン試験の監督(プロクタリング)サービスを提供する会社と提携して、技術的に自宅受験を実現していたのですが、ProctorUの試験官は他の様々なオンライン試験の監督を行っていたため、TOEFLとしては監督者のクオリティーを向上させるために、試験官を自分たちで採用して、訓練するようになったようです。

 

AIを活用した本人確認システム(ENTRUST)により、受験者の身元確認を正確に行いながら、チェックイン時の負担を軽減

(AI-assisted identity verification (ENTRUST) to confirm test taker identity while easing check-in friction)

 

Entrustを使っての本人確認については以下のYouTube動画から確認できます。

 

 

また現在、自宅受験の際、PCのカメラに加え、自分のスマホなどを2台目のカメラとして使い、2方向から監視されるようになっています。

 

 

 

 

登録から試験当日までの手続きが簡素化され、ストレスや事務的な負担を軽減

(Simplified registration and test-day workflow, reducing stress and administrative hurdles)

 

TOEFLのシステムは日々どんどんアップグレードされています。どのくらい簡素化されたかは、以前に受験したことがある人しか分かりませんが、試験の申し込み手続きは前と比べると、素早く完了できるようになっています。

 

 

自宅受験をする人は必ず以下のサイトを確認しましょう。

 

» 自宅受験TOEFL iBT > 使用機器/環境要件と当日のご案内(TOEFLテスト日本事務局)

 

 

以上、最近発表されたTOEFL iBTの進化に関する公式発表情報に、私のコメントを付け加えました。

 

繰り返しになりますが、年内での目標スコア獲得を狙っている人は、今回の発表を気にする必要はありません。
自宅受験においては、手続きや監視のされ方が変わったということであり、試験自体はそのままなので、変更点を気にしなくていいでしょう。
監視方法の変更により、これまで自宅受験で起こることがあったトラブルがなくなることを望みます。

 

TOEFLの進化について、新たな情報が入り次第、こちらで伝えます。