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109点獲得とそれまでの取り組みのご報告をいただきました! その3 〜 学習時間と目標スコアの関係

最近、受講生の方々から立て続けに「何時間くらい学習をしたら◯◯点になるか」というような質問をいただきました。

 

私はこれまでにこのブログ記事や学習相談メールでのアドバイスにおいて「◯◯点を取るためには◯◯時間くらいの学習が必要」とお伝えしたことがありません。

もちろんある点数獲得を目標としているTOEFL学習者の方々にとって、指標となる時間数があるとありがたいこともよく分かっています。
どこかの学校やサービスが挙げている時間数が参考になる部分もあるはずです。

 

しかしともすれば、それだけの時間をかければ目標スコアが獲得できるという考えを与えてしまう恐れがあるため、私は目標スコア獲得までの学習『時間』に対して数字を挙げないことにしています。
(「最低3, 4ヶ月くらい」「半年以上」「多くの場合1年以上」という大まかな『期間』はお伝えしています)

 

仮に同じ点数からスタートのAさんとBさんという2人の方がいたとして、2人とも同じくらいの時間数をかけても、一定期間後(例えば6ヶ月後に)同じ結果が出ることはありません。
以下のような、結果を異なるものにする様々な要因があるので。

 

1.正味の学習時間

Aさん、Bさんともに毎日3時間机に向かっていたとします。
しかしその3時間、実際にどれだけ「学習」ができていたのかは異なります。

Aさんは夜、帰宅後、長時間労働の疲れで頭がぼーっとしていたのに対して、Bさんは早朝、会社近くのカフェで集中して取り組めていた場合、同じ時間でもBさんの方が学ぶものが多いはず。

細かい話ですが、机に向かっていながらも教材やペンを探していたり、ちょっとの間、ネットサーフィンをしている時間は自らの実力向上にまったく寄与しません。
学習が終わったときに、そこまでの学習時間、 例えば2時間だったら、その2時間すべてが「実力向上に寄与する『正味の学習時間』」であったかを気にしましょう。
意外と気晴らしに費やしている時間が多いかもしれません。

 

2.期間

Aさん、Bさんともに6ヶ月間、同じ時間を学習したとしても、Aさんは6ヶ月間継続的に学び続けた。
それに対してBさんは最初の2ヶ月間、毎日かなりの学習時間をとって頑張ったものの、その後、急に仕事が忙しくなってTOEFL対策どころではなくなり、3ヶ月ほどほとんど何もできなかった。その後TOEFL対策に復帰して1ヶ月間経った、というような場合、 Bさんは離れていた3ヶ月に以前に学んだものの多くを忘れてしまっている恐れがあります。

あまり心配しない人が多いと思われるので 声を大にして言いたいのですが、長らくTOEFL対策から離れてしまうと、問題に対する感覚や解法、単語の意味などせっかく覚えた、身につけたものを忘れてしまうことになります。

離れる前の時点の実力からのスタートと考えるべきではありません。
離れていた期間、また離れる前にどれだけ学んだものが定着していたかにもよりますが、復帰後の取り組みは、まずは以前の実力を取り戻すことを意識しましょう。

 

3.効果・効率

学習していることが実力アップにつながっているのか。
TOEFLで出題される内容と離れたことをやっていないか。
学習の結果、問題の解き方・見方が身についているのか。
単語力を着実に増強できているのか。

 

109点を獲得されたKさんが、Listeningの学習に関して

> しかしながら、聞き流しだけでは、私にはまったく効果がありませんでした。

と書かれているように適切な学習法を実践することは極めて重要です。
学習に限らず、スポーツでもどのようにトレーニングするかによって、上達のスピードは変わりますよね。
実践している学習がちゃんと実力向上につながっているかを常に意識しましょう。

 

4.才能・能力

あまり語られないトピックではありますが、スコアアップに大きく影響する要素です。
TOEFL対策を始める前からアカデミックな内容に対する背景知識が高かった方は、当然TOEFLのアカデミックな内容が理解しやすいはず。

またSpeakingのTask 1, 2やWritingのIndependent Taskで与えられたトピックに対して「日本語」でスラスラと回答が浮かぶような人は、それを英語にすればいいだけなので、ネタがなかなか思いつかないという人よりもスコアが上がりやすいと言えます。

中には毎日、睡眠時間3-4時間でも元気という方がいらっしゃったりします。
そのような方は遅くまで働きながらも、平日に3-4時間の学習時間が取れるので、比較的短い期間でも成果が出しやすいでしょう。
(そのような短い睡眠時間で生活を続けるのは私には無理ですが …)

 

5.教材・授業

TOEFLでのスコアアップを狙うには、基本的にはTOEFL本試験の内容に合った、または近い教材がよいと言えます。
TOEFLで出題される内容とはズレたものに取り組んでいる場合、効果は減少します。
しかし、本試験と同じ問題に取り組むことが必ずしもベストとは限りません。
例えば、Readingの問題タイプ別の解法を学ぶ際は、 まず問題タイプ別に分類された問題に取り組む方が効果的に習得できます。

また授業を通してスコアアップに有効な解法・学習法を習得できれば、学習の効果・効率を向上させられます。

 

6.セクション別対策のバランス

TOEFL iBTは4セクションあります。
どの時点で、どのセクションを優先して取り組むべきかの判断は極めて重要になります。

以下の一連の投稿を参考にしてください。

» ブログカテゴリー: 80点を目指す

» ブログカテゴリー:100点を目指す

» ブログカテゴリー:109点を目指す

 

7.受験回数・運

昨年2013年7月から始まった「12日間に1回の受験制限」により、現在はだいたい月に2回まで受験が可能です。
この受験制限のポリシーが始まる前は、1ヶ月に4回の試験日があった場合、4回すべてを受験できました。

TOEFLのスコアは受験のたびに上がったり下がったりするものであり、目標スコアが獲得できるくらいの実力が身についたときに受験回数が多い方が有利と言えます。

しかし、例えば今年11, 12月の2ヶ月間は試験日程により最大3回までしか受験できません。
目標スコアを獲得できるだけの実力が身についたとしても、1, 2回しか残されたチャンスがないような場合、そこで望むだけのスコアが取れるかは運次第になります。

受験機会が少ない現行のTOEFLでは、数多く受験し、運よくスコアに恵まれることを昔よりも期待できません。
例えば80以上が目標で、かつ残りの受験回数が限られているならば、85以上獲得をめざした取り組みを行い、ちょっと運が悪くても結果は80以上になるくらいの準備を行った方がいいでしょう。

 

ということで、同じくらいの時間勉強したとしても異なる結果をもたらす様々要因を提示しました。

目標スコア獲得までの時間はこれらの要因の影響によって大きく変わるため、私から提示することはありませんが、実際に取り組んだ方々のご報告は、とても参考になるはず。

 

以下、KさんがTOEFL対策に費やされた学習時間です。

> 37点→100点          に、約1125時間(1年6か月)  ×0.7= 約800時間

> 100点→109点        に、約930時間(1年3か月)   ×0.7= 約650時間

> かかっています。

> 上記は、完全英語ど素人の人が始める際に、多少なりとも参考になる数字ではないかと思います。

> あまりいないのかもしれませんが…。上記の数字通り、100点→109点が精神的にも非常に辛かったです。

 

また102点を獲得されたIさんは58点 → 102点獲得まで1100時間近くかけました。

» 102点獲得のご報告をいただきました! その1

» 102点獲得のご報告をいただきました! その2

 

 

是非、KさんとIさんの過去のスコアや取り組みを上記の項目におけるご自身との違いを考慮して、自分のTOEFL対策の内容、学習時間、目標スコア獲得を目指す時期などを振り返ってください。

 

目標スコア獲得のご報告を紹介させていただく際に、基本的に過去のすべてスコアの掲載もお願いしています。
「半年で60点から100点にアップ!」だけで、その他のスコアがないような形での紹介だと上記の項目が分析できず、結果、ご報告を読んだ方が、そこから何を学ぶべきか判断できないからです。

 

KさんやIさん、また目標スコア獲得のご報告をくださった方々は皆、TOEFL対策に苦労されている皆さんのために、かなりの時間を費やして詳細なご報告をまとめてくださいました。

ご報告を下さった方々と自分の取り組みを比べながら読み、今後の対策の改善にお役立て下さい。

 

» ブログカテゴリー:受講生スコアアップ報告

 

 

 

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