GMATとの両立 その2 (MBA志望の方のみ)
昨日の投稿で、2006年9月まで行われたCBT TOEFLの頃のMBA志望者は、GMATとListening(だけ)を並行して学習することが多かったとお伝えしました。
言い換えれば、CBTのその他のセクション(Structure & WritingとReading)では、比較的高得点が取りやすかったため、継続的に学習しなくてもそれなりのスコアを獲得することができたのです。
以下、Listeningを除くセクションで高スコアが取りやすかった理由です。
1.Structure(文法)
問題タイプは、「穴埋め」と「間違い探し」の2種類だけ。出題傾向や理屈としての文法知識が身に付くと、期間をおいても安定して高得点が取れる。
2.Writing
現在のiBTのIndependent Taskの部分と同じ。iBTと比べるとWriting対策への準備は半分でよかった。またトータルのスコアに対するWritingの割合は、6分の1ほどだったため、文法(Structure)で高得点が取れていれば、Writing部分のスコアが高くなくても、トータルでそれなりの点数になった。
3.Reading
現在のiBTのReadingと比べるとパッセージ(長文)の長さは半分くらい。出題される設問のタイプも少なかった。また時間的に余裕があったので、知らない単語も文脈の中で類推する余裕が持てた。CBTではiBTほど高い単語力が求められなかった。
ということで、CBT時代はListeningだけ高スコアにならないため、Listeningの学習を継続しながらも、GMAT対策を開始し、GMATの学習と同時期にTOEFLを受験して、TOEFLの目標スコアを獲得した人が多かったのです。
しかし、このGMATとTOEFLの並行学習はCBT時代には有効でも、iBTとGMATの並行学習は基本的にお勧めしません。
というのも、iBTで能力が測られるListening、Speaking、Writingの3つのスキルは継続的に取り組んでいないと実力が落ちやすいため、日常においてそれなりの学習時間を確保して取り組まなければならないからです。これらの3セクションは「理屈」と言うよりは「慣れ」の要素が大きく、ある程度の期間取り組みから離れると、いいパフォーマンスができなくなります。
よって、GMATとTOEFL iBTの学習を並行しようとなると、少なくともListening、Speaking、Writingの3セクションへ取り組みに加えて、難解なGMATの学習時間も確保しなくてはなりません。会社から留学準備だけをするように命じられている社費によるMBA留学候補生以外は、それだけの時間を日常生活の中で確保するのは極めて難しいでしょう。
結局、始めたばかりのGMATに集中するも、TOEFL対策から離れてしまったため、GMATの講座等が一段落しTOEFLの学習を再開する頃には、昔学んだことを思い出すことからスタートしなくてはなりません。
そして、TOEFLの目標スコアを獲得した頃には、改めてGMATで学んだことの再確認から始める必要があります。
結論として、海外のビジネススクール志望者は、まずTOEFL iBTで目標スコアを獲得したあと、GMAT対策へ移るのが理想的です。焦ってGMAT対策を始めることによって、TOEFLとGMAT対策にかける期間が長くなってしまう人は少なくありません。
TOEFLとGMATの並行学習に関して、CBT時代の話から始めましたが、なぜその話をしたかと言うと、CBTの頃にGMATとの学習を両立した先輩のアドバイスはあまり参考にならないということをお伝えしたかったからです。
iBTとCBTは大きく異なります。
CBTを受験した先輩のTOEFL対策のアドバイスや、GMATとの並行学習の勧めは話半分で聞いておきましょう。
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