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「大学入試、脱『受験英語』へ … TOEFLなど利用拡大」について その2 … 60点獲得へのスコア戦略

「大学入試、脱『受験英語』へ … TOEFLなど利用拡大」について その1 … 72点獲得へのスコア戦略(2016年4月7日)

の続きです。

前の投稿ではTOEFL 72点以上あれば、センターの外国語の得点を満点する大学がでてきたことから、72点以上を獲得するためのスコア戦略について書きました。

 

英語の4技能を測定するために英語の外部試験を活用する流れは続いているようで、以下の記事(抜粋)では

 

【大学受験2017】早大の英語4技能テスト利用型入試、基準はTEAP280点など(2016年4月5日)


「 早稲田大学文化構想学部・文学部は、2017年度入試より英語の外部検定試験を利用した『一般入試(英語4技能テスト利用型)』を導入する。有効となるのはTEAP、IELTS、英検、TOEFL iBTのいずれかで、3月31日に基準スコアが公開された。

『英語4技能テスト利用型』の基準スコアは、TEAPが280点、IELTSが6点、実用英語技能検定が1級・準1級 … またはCSE2.0で2,200点 … 、TOEFL iBTが60点。受験スコアは『出願開始年月日より2年遡った月の翌月初日以降』に受験した試験結果が有効になる。

導入初年度の2017年度入試では、2015年2月1日以降に受験した試験結果が有効。また、総点のみならず『Reading』『Listening 』『Writing 』『Speaking 』の全項目に設けられている基準点を上回る必要がある。TEAPは各65点、IELTSは各5点以上、実用英語技能検定CSE2.0が各500点、TOEFL iBTが各14点

『英語4技能テスト利用型』の試験は、各英語4技能テストを受験のうえ、2017年2月(各一般入試日程と同日)に早稲田大学早稲田キャンパスで行われる。英語4技能テストのいずれかで基準点を上回っている受験者については、学部一般入試の国語・地歴2教科の合計得点により判定。2教科についても合格基準点が設けられており、基準点に満たない場合は不合格となる。」

 

早稲田大学文化構想学部・文学部では、旧来の形式と併存して、英語の外部検定試験を利用した新たな入試制度を2017年から行うとのことです。
ここではTEAP、IELTS、CSEも挙げられていますが、TOEFL以外の試験は門外漢であり、それぞれのスコア獲得がどれだけの難易度になるかは分からないため、これらの試験については語りません。

 

他では「英検準1級以上」「TOEFL iBT 60点以上」が英語試験免除となりますが、英検準1級とTOEFL 60点以上なら、一般的にはTOEFL 60以上の方が獲得しやすいと判断します。

私の経験では、英検準1級保持者はTOEFL iBT 70点台を獲得できるイメージ。
その1」では、英検準1級とTOEFL 72点以上が同等の英語力と見なされていましたが、かなり妥当な判断であると考えます。


この英検準1級 = TOEFL 72点という換算は、文部科学省作成による以下の対照表に基いているようです。

 

各試験団体のデータによるCEFRとの対照表 – 文部科学省


ではTOEFL iBT 60点以上を獲得するには、どのようなスコア配分を目標とするのがよいか。

 

60点の獲得を目指す場合

Reading 16、Listening 15、Speaking 15、Writing 14

を目標とすべきと考えます。

 

まずWritingの目標スコア 14について。
Writing 14点は、Integrated、Independentタスクそれぞれに対する2人の採点官(片方は人間、片方はe-raterという自動採点プログラム)の評価点の平均が2.00で獲得できます

(採点官がつけるWritingの評価点は 5, 4, 3, 2, 1, 0 のいずれか)

Speaking/Writing換算表


以下、Independent Taskの方ではありますが、2点レベルのエッセイをご確認ください。

 

TOEFL iBTで80点を取るためのTOEFLスコア戦略(その4)[Writing](2009年5月27日)

Writingで20を取るためのIndependent Task戦略 ~ TOEFL iBTで80点を取るためのスコア戦略(その5)(2009年5月30日)


上記のリンク先には1点のサンプルエッセイもありますが、この1点のサンプルよりもよいものが書ければ、2点になるとも言えます。
TOEFL 60以上を目指す人は、英語を書くことに慣れていない人がほとんどだと思いますが、その他のセクションの目標であるReading 16、Listening 15、Speaking 15が取れるだけの英語力が身についたときには、TOEFL Writing対策を一通り習えば、2点レベルのエッセイを書くことは難しくはありません。


続いて、Speaking。
Speakingの目標は15点としています。その理由はその1」と同様なので、ここでの説明は割愛します。
ただ、その1で書いたReading 19-20、Listening 17-18
が取れる方と比べると英語力が劣る部分があるので、狙い通りの15が取れないかもしれません。
その場合、13を目標とし、足りない2点分をその他の3セクションの中で比較的得意なもので補うのがいいでしょう。
(Speaking 13は、6つのタスクの内、4つで2点、2つで1点)


最後にReading、Listeningですが、R 16、L 15は以下のTPO23のRL問題のデータに基づくと

 

TOEFL Practice Online (TPO) 23 Reading & Listening スコア換算分析結果 その2(2015年10月29日)


Reading 16点(60%くらいの正解率)
Listening 15点(53%くらいの正解率)

ともに半分強正解できれば 目標に到達します。


しかし「半分」とは言っても 、それだけ正解するのが簡単ではないのがTOEFL試験。
その他の試験のスコアも英検準1級レベルに近い難易度なのでしょうから、高校生に求める要求としてはかなり高いはず。
だからこそ、英語試験の免除ということになる訳ですが。

 

確かにTOEFLの難易度は高いのですが、チャレンジするか判断する前に、高校1、2年生で英検2級に合格する。
英検2級があれば、準1級やTOEFL対策の下地ができていると言えます。
英語での面接をパスしているので、英語を話すことに全く慣れていないということもありません。
2級合格の時点で、TOEFLの本試験、または模擬試験を受験し、出願までの残された期間と今後どれだけTOEFL対策に時間を費やせるかを考慮して、60点や72点の獲得が現実的かを判断するのが良いと考えます。

 

このシリーズ、今回でいったん終了とします。

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