【再掲】TOEFL Reading:単語学習に逃げてないですか?
以下、過去記事の再掲載です。
TOEFL iBTにおける大幅スコアアップ達成には、単語力の増強が欠かせません。
単語力アップの重要性、お勧めの取り組み方に関しては過去にいくつも記事を書いてきました。
しかしあなたが現在、単語力の増強に努めているのであれば、以下の質問を自分に問いかけていただきたいのです。
「英文を読むことから逃げて、単語への取り組みを行っていないか?」
TOEFL Readingの問題パッセージを読むと難しくあまり理解できない。だからパッセージを読むのをやめてまずは単語力強化のために(単語とその意味と例文が並んでいるだけの)単語本に取り組むことにした。
という場合、単語本への取り組みに時間をかけてもTOEFL Readingのスコアが上がらない人が多いと言えます。
なぜか?
その方にとってのReadingの弱点は単語力だけではないから。
英文を読んで(日本語に訳さずに)そのまま素速く理解する「英文処理速度」
文の意味を正確に取る、また難しめの構文を判別できる「文法力」
アカデミックなトピックの内容理解の手助けとなる「背景知識」
英文が提示する話の流れを的確に把握するための「論理力」
問題タイプごとの設問ポイントを適切に押さえる「解答力」
等の向上も、TOEFL Readingでのスコアアップに求められます。
(3800などの)単語と意味が羅列された単語本への取り組みからは「英文処理速度」「文法力」「背景知識」「論理力」「解答力」の向上はあまり期待できません。
普段から英文を読む機会の多い、もともと「英文処理速度」「文法力」「背景知識」「論理力」「解答力」が高い人なら、TOEFLで出題されやすいアカデミックな単語を覚えていくことによってスコアを伸ばしやすいと言えます。
そうでない方は、単語と意味、例文が並べられた単語本への取り組みを通して「単語力」を向上させても、その他の力の不足が理解の妨げとなり、スコアアップをもたらすほどにはならないことが多いのです。
あなたは自分の興味関心のある分野の英文記事ならスラスラと読めますか。
答えがYesなら「英文処理速度」はそれなりに高く、単語力増強によりReading力が向上しそうです。
しかしNoなら単語を覚えるだけではTOEFLの英文を読めるようにはなりにくいと予測します。
私は単語力強化は筋トレのようなものであると考えます。私は高校時代に柔道をやっていたのですが、ここでの「筋トレ」とは柔道やレスリングにおいての身体能力強化と考えてください。柔道やレスリングで勝つにはある程度の筋力が必要です。非力では自分の技を相手にかけることができません。
スパーリングや乱取り(試合形式での練習)では負けてばかりで楽しくないからと、実戦的な練習を避けて筋トレばかり行い、身体能力に秀でるようになっても、肝心の技や身体の動きが身についていなければ試合では勝てません。
しかし技や身のこなしは優れているが身体能力が劣っているために勝てないならば、その人には筋トレが有効です。
負けてばかりだと実戦形式の練習に喜びを見出しにくいかもしれません。
「問題パッセージを読んでも意味が上手く取れない」「問題に正解できない」とやる気が失せてくるのも分かります。
だからと言って実践的な取り組みを避け、筋トレ(単語と意味、例文が羅列された単語本への取り組み)ばかりしていては勝てるようになりません。
しかし試合形式の実践的な練習をしていれば、必要な筋力は自然とついてくるものです。
TOEFL Reading対策においても、問題パッセージを読む、問題を解く時間の確保を心がけましょう。
単語・文法確認、繰り返しの黙読・音読により、問題パッセージを「意味を理解しながら、スラスラ読める」ようになれば、そこで使われた単語を必然的に覚えることになります。
また単語と意味の羅列ではなく、アカデミックなパッセージを多く掲載しその中で使われる単語を解説したものであれば、その取り組みは「英文処理速度」「文法力」「背景知識」を養成する訓練にもなります。Readingスコアが22未満くらい方にはこのタイプの単語本をお勧めします。
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