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【改訂版】TOEFL Writing:Academic Discussionで高評価が取りやすい理由 その1

2時間版 新TOEFLから採用されたWritingタスクAcademic Discussionは

 

適切な対策を行えば、TOEFL iBTのすべてのセクション、タスクの中で一番学習の効果が期待しやすい

 

と私は考えます。これは以前のWritingタスク、Independent Writingよりも簡単になったということではありません。世界中の受験者からのデータに基づく統計上での難易度においてIndependent WritingとAcademic Discussionはほとんど変わらないと思います。

 

とはいえ「簡単になった」という人もいるでしょう。試験形式が変わってその恩恵を受ける人がいたり、そうでない人がいたりするのは当然のこと。例えば、これまでバスケットボールで体育の成績をつけていたのが、ハンドボールに変わった場合、ほとんどの人はその変化の影響を受けないものの、ハンドボールになったというだけで成績が上がる人はいくらかはいるものです。

 

ですが、Academic Discussionは

 

「日本で英語教育を受けてきた人たちにとって『適切に対応すれば』(以前の形式だったIndependent Writingよりも)高評価が取りやすい」

 

というのが私の考え。その理由を伝えます。

 

 

理由1:多くの語数を書かなくてもよい

 

皆さんはAcademic Discussionにおいて評価点4、評価点5を取るのに何語くらい書く必要があると思いますか?

 

Academic Discussionの問題には

 

An effective response will contain at least 100 words.

 

という1文が含まれていますが、回答の語数については

 

「(高得点獲得には)少なくとも120語は欲しい。できれば150語くらいあれば」

 

というような話を見聞きしたことがあるかもしれません。

 

結論を先に伝えれば、評価点5は100語を超えるくらいでも狙えます。

 

「多くの語数を書いた方が高評価になりやすい」のは間違いではないものの、中身の薄い回答を多くの語数で書こうとすると評価が下がってしまう恐れがあるので注意しましょう。

 

1.回答を評価するAIであるe-raterからは90語くらいでも内容・表現次第で評価点5がもらえます

 

2.人間採点官が回答を評価するとき、回答の語数は見えません

 

人間の採点官は回答の語数が分からない状況で評価を判定します。その回答が97語なのか、それとも102語かは分かりません。よって語数を増やすためだけの理由で、意味のない表現や文を追加する必要はありません。結果、分かりにくくなったり、ミスが増えると評価が下がる恐れがあります。

 

では、何語くらいを目指すべきか?

 

実はe-raterからは 90語くらいで5、80語くらいで4、60語くらいで3が取れています

 

ですが、皆さんが目指すべきは

 

評価点4、5獲得を目指しているなら100語以上
3獲得を目指しているなら80語以上

 

とはいえ、よい内容を書くと必然的にそれなりの語数になります。実際に評価点5が取れるWriting力がある人は130-160語くらい書いたりしますが、5獲得にはそこまでの語数が必要なわけではありません。これからWriting力を上げて5獲得を目指す人は、正しい英語をよい表現で120語くらい書けるようになることを目指しましょう
また語数が足りなかったときでも、目指している評価点が取れることもあるので焦らないようにしましょう。

 

ということで、とにかく多くの語数を書こうとする必要はありません。
語数を増やすことに意識が向いて、表現・文法ミスが増えたり、表現のレベルが下がると高評価が取りにくくなります。

 

日本語で英語教育を受けてきた方々のほとんどは、英文で数百語もの多くの語数を書くことに慣れていないのではないでしょうか。しかし80語や100語くらい書いたら目標スコアが十分に狙えるなら、自分にとって有利な試験に変わったと思う人は少なくないはず。

 

ちなみに英検2級のWritingで書くことが求められる語数は80−100語、準1級は120−150語
Academic Discussionでは書く時間は7−8分くらいと短いものの、100語以上で評価点4-5が狙えるのは、多くの語数の英文を書くのが苦手な人にとっては朗報と言えます。

 

このような話をすると

 

「100語ほどで評価点5が取れるのは、ネイティブしか書けないような難しい英文ばかりのときでは?」

 

と思われるかもしれません。しかし決してそんなことはありません。トフレのAcademic Discussionコースでは110−130語くらいで評価点5レベルのサンプル回答を紹介しています。サンプルを読めば評価点5の回答は決して自分の手が届かないところにあるとは思わないはずです。

 

 

理由2:問題トピックに対して理由や事例が思いつきやすい

 

Academic Discussionは「日本で英語教育を受けてきた人たちにとって『適切に対応すれば』Independent Writingよりも高評価が取りやすい」

 

と書きましたが、私が考える「日本で英語教育を受けてきた人たち」のイメージは

 

Readingは比較的得意
Writing、Speakingの経験が少なく、慣れていない
問題トピックに対して理由や事例を思いつくのに苦労する

 

他にもあるのですが、今回はこのくらいにとどめます。

 

「Writingに慣れていない」「多い語数を書くのが苦手」という方にとっては少ない語数で高評価が取れるのはありがたいはず。

 

以前の形式であるIndependent Writingに対して受講生の皆さんからよく聞いたのが、お題に対して理由や事例を複数思いつくのが難しいこと。

 

例えば、以下の問題に対して Independent Writingのエッセイを書くことが求められたら、皆さんだったらどのような理由や事例を挙げますか?

 

Some school teachers give high grades (marks) only to those students who perform well on their homework assignments and tests. Other teachers, however, may give high grades to students who have worked very hard on their assignments but have not performed so well. Which approach do you think is better: Giving grades based only on performance, or grading students not just on performance but also on their effort?

 

「一部の学校の先生は、宿題やテストで良い結果を出す生徒にだけ高い評価を付けます。しかし他の先生は、課題を頑張って取り組んだが、結果がそれほど良くなかった生徒にも高い評価を付けることがあります。成績だけに基づいて評価を付けること、それとも生徒の成績だけではなく努力も含めてに評価を付けること、どちらのアプローチがより良いと思いますか?」

 

いかがでしょうか。まずはどちらのアプローチの方がより良いと思われますか。

 

とりあえずここでは、結果だけで判断する前者(performance-based approach)の方がよいと考えたとしましょう。

 

では、課題の質や試験の結果だけで生徒の成績をつける方がよい理由や事例としてどのような内容が思い浮かびますか。

 

「公平性(fairness)」が思いついたとしましょう。生徒がどれだけ努力したかを公平に判断するのは難しく、先生の主観や感覚に委ねられる部分が大きくなってします。だから結果だけで評価すべきだと。

 

公平性をその理由とする場合、事例はどのような話にしましょうか。

 

例えば、中学校の先生が成績評価に努力を含めていたが、クラスで目立つ生徒や先生がひいきする生徒がよい成績をもらい、クラス全体の士気が減った、というような話を(でっち上げて)書けそうです。

 

でも、もう1つ、2つの理由と事例となると思い浮かぶのに苦労するかもしれません。

 

しかしADの場合、100語ほどでいいので 1つの理由と事例が書ければボリュームとして十分
またADでは、教授からの質問に対してどのような内容で書けばいいか分からない場合でも、他の2人の学生の投稿内容が手助けになることもあります。

 

実は先ほどのお題は、ETSが公表しているADのPractice Questions(Q2)ほぼそのままでした。

 

» Writing for an Academic Discussion Practice Questions

 

 

以下、Professorの質問。上の質問に赤字の1文が追加されただけです。

 

This week, I want you to discuss assessment criteria. Some school teachers give high grades (marks) only to those students who perform well on their homework assignments and tests. Other teachers, however, may give high grades to students who have worked very hard on their assignments but have not performed so well. Which approach do you think is better: Giving grades based only on performance, or grading students not just on performance but also on their effort?

 

77 words

 

またADでは、2人の学生の投稿が回答を書く際の手助けになることがあります。

 

Kelly

I think grades should be based on performance only. It’s a matter of fairness. I’d be really upset if another student got nearly the same grade that I did when I turned in work that was almost perfect and the other student’s work had incorrect answers or unclear ideas. It wouldn’t matter to me if they worked harder.

 

58 words

 

Paul

Sure, evaluation should mainly be based upon the student’s performance, but hard work should count for something. A student who works hard, even when the final grade isn’t the highest in the class, builds character, which will benefit the student later in life when they go to university or apply for a job.

 

53 words

 

先ほど理由として「公平性」を挙げましたがそう思いつかなくても、Kellyのfairnessについての内容から、その流れで書けばいいと考えることができます。先ほど私は事例として「クラスで目立つ生徒や先生がひいきする生徒がよい成績」をもらう話が使えると伝えましたが、Kellyの主張にそった自分の体験談として

 

「自分の課題のクオリティは非常に高かったが、他の生徒が非常に頑張ったという理由で質の低い課題に対して私と同じ成績をもらっていて、やる気が下がった」

 

という話を書くことも可能です。

 

もちろん、2人の学生の投稿がどれだけ手助けになるかは、そのときの問題次第であり、運に左右されます。
しかし、書きやすい問題かどうか運次第なのはIndependent Writingも同じであり、ADでは他2人の生徒の投稿内容にのっかることができるかもしれないし、理由や事例は1つだけでも十分なので「Writingのお題に対するアイディアが思いつきにくい」という人にとっては、ADへの変更は歓迎すべきことでしょう。
(また100-120語くらいなら事例を書かずに、いくつかの理由とその説明だけの構成も可能です)

 

ということで、ADは問題トピックに対して理由や事例を思いつくのに苦労する人にとって、対応しやすいWriting問題であると考えます。

 

実は「高評価が取りやすい」理由はまだあるのですが、その話はまた改めて。

 

» TOEFL Writing:Academic Discussionで高評価が取りやすい理由 その2

 

 

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