TOEFL Writing:Academic Discussionで高評価が取りやすい理由 その2
先日のブログ記事
» トフレのAcademic Discussionコースについて発表します & Academic Discussionで高評価が取りやすい理由 その1
で
「Academic Discussionは日本で英語教育を受けてきた人たちにとっては、適切に対応すればIndependent Writingよりも高評価が取りやすくなります。」
と伝えました。
その理由の1つとしてお伝えしたのが、高評価を取るのに多くの語数を書く必要がないこと。
英検2級のWritingでは80−100語、準1級は120−150語書くことが求められるのに、Academic Discussion(AD)では100語くらいで評価点4 or 5の獲得が可能です。
Academic Discussionで高評価が取りやすい理由 その2
今回は2つ目の理由について書きます。
「Academic Discussionは『日本で英語教育を受けてきた人たち』にとっては、適切に対応すればIndependent Writingよりも高評価が取りやすくなります。」
と書きましたが、私が考える「日本で英語教育を受けてきた人たち」のイメージは
Readingは比較的得意
Writing、Speakingの経験が少なく、慣れていない
問題トピックに対して理由や事例を思いつくのに苦労する
他にもあるのですが、今回はこのくらいにとどめます。
「Writingに慣れていない」「多い語数を書くのが苦手」という方にとっては少ない語数で高評価が取れるのはありがたいでしょう。
これまでの形式であるIndependent Writingに対して受講生の皆さんからよく聞いたのが、お題に対して理由や事例を複数思いつくのが難しいこと。
例えば、以下の問題に対して Independent Writingのエッセイを書くことが求められたら、皆さんだったらどのような理由や事例を挙げますか?
Some school teachers give high grades (marks) only to those students who perform well on their homework assignments and tests. Other teachers, however, may give high grades to students who have worked very hard on their assignments but have not performed so well. Which approach do you think is better: Giving grades based only on performance, or grading students not just on performance but also on their effort?
「一部の学校の先生は、宿題やテストで良い結果を出す生徒にだけ高い評価を付けます。しかし他の先生は、課題を頑張って取り組んだが、結果がそれほど良くなかった生徒にも高い評価を付けることがあります。成績だけに基づいて評価を付けること、それとも生徒の成績だけではなく努力も含めてに評価を付けること、どちらのアプローチがより良いと思いますか?」
いかがでしょうか。まずはどちらのアプローチの方がより良いと思われますか。
とりあえずここでは、結果だけで判断する前者(performance-based approach)の方がよいと考えたとしましょう。
では、課題の質や試験の結果だけで生徒の成績をつける方がよい理由や事例としてどのような内容が思い浮かびますか。
「公平性(fairness)」が思いついたとしましょう。生徒がどれだけ努力したかを公平に判断するのは難しく、先生の主観や感覚に委ねられる部分が大きくなってします。だから結果だけで評価すべきだと。
公平性をその理由とする場合、事例はどのような話にしましょうか。
例えば、中学校の先生が成績評価に努力を含めていたが、クラスで目立つ生徒や先生がひいきする生徒がよい成績をもらい、クラス全体の士気が減った、というような話を(でっち上げて)書けそうです。
でも、もう1つ、2つの理由と事例となると思い浮かぶのに苦労するかもしれません。
しかしADの場合、100語ほどでいいので 1つの理由と事例が書ければボリュームとして十分。
またADでは、教授からの質問に対してどのような内容で書けばいいか分からない場合でも、他の2人の学生の投稿内容が手助けになることもあります。
実は先ほどのお題は、ETSが公表しているADのPractice Questions(Q2)ほぼそのままでした。
» Prep with Confidence: New and Updated TOEFL iBT Prep Materials
以下、Professorの質問。上の質問に赤字の1文が追加されただけです。
This week, I want you to discuss assessment criteria. Some school teachers give high grades (marks) only to those students who perform well on their homework assignments and tests. Other teachers, however, may give high grades to students who have worked very hard on their assignments but have not performed so well. Which approach do you think is better: Giving grades based only on performance, or grading students not just on performance but also on their effort?
77 words
またADでは、2人の学生の投稿が回答を書く際の手助けになることがあります。
Kelly
I think grades should be based on performance only. It’s a matter of fairness. I’d be really upset if another student got nearly the same grade that I did when I turned in work that was almost perfect and the other student’s work had incorrect answers or unclear ideas. It wouldn’t matter to me if they worked harder.
58 words
Paul
Sure, evaluation should mainly be based upon the student’s performance, but hard work should count for something. A student who works hard, even when the final grade isn’t the highest in the class, builds character, which will benefit the student later in life when they go to university or apply for a job.
53 words
先ほど理由として「公平性」を挙げましたがそう思いつかなくても、Kellyのfairnessについての内容から、その流れで書けばいいと考えることができます。先ほど私は事例として「クラスで目立つ生徒や先生がひいきする生徒がよい成績」をもらう話が使えると伝えましたが、Kellyの主張にそった自分の体験談として
「自分の課題のクオリティは非常に高かったが、他の生徒が非常に頑張ったという理由で質の低い課題に対して私と同じ成績をもらっていて、やる気が下がった」
という話を書くことも可能です。
もちろん、2人の学生の投稿がどれだけ手助けになるかは、そのときの問題次第、内容の自分との相性次第であり、運に左右されます。
しかし、書きやすい問題かどうか運次第なのはIndependent Writingも同じであり、ADでは他2人の生徒の投稿内容にのっかることができるかもしれないし、理由や事例は1つだけでも十分なので「Writingのお題に対するアイディアが思いつきにくい」という人にとっては、TOEFL Writingの変更は歓迎すべきことでしょう。
(また100-120語くらいなら事例を書かずに、いくつかの理由とその説明だけの構成も可能です。そのような内容はトフレのADコースで紹介します)
ということで、ADは問題トピックに対して理由や事例を思いつくのに苦労する人にとって、対応しやすいWriting問題であると考えます。
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