以下、過去記事の再掲です。

 

先日、受講生の方との学習相談メールのやり取りの中で、その方は、常に文の構造を分析しながら、英文を読む傾向があるということが分かりました。

 

またSpeakingにおいても「『主語、動詞、次は目的語……』と考えながら喋っています」。その結果「一度だけネイティブの添削を受けましたが『文章は正しいが、スローモーションで話しているようだ』と言われました。」

 

大学受験の英語学習において、文構造の分析が重要視される部分もあり、英文に対して常に構造を分析してしまうという方は少ないながらもいらっしゃるはず。

 

英文の構造を正しく理解し、正確な意味の把握につなげることは悪くはありませんが、どんな英文でも常に分析してしまうようだと、英文処理速度が遅いままになってしまいます。そのような方が、英文処理速度を上げるためにお勧めは

 

易しめの英文で書かれたものを多量に読む

 

例えば、中2や中3の英語の教科書を読んだとしたら、いちいち文の構造を分析することはないでしょう。文の構造を分析する必要がないくらいシンプルに書かれた英文を多量に読み、英文から意味をそのまま理解し続けることによって、英文に対して常に分析するという傾向がなくなっていきます。

 

例えば、Graded Readers のような簡単な英文で書かれた本を多く読むことで、構文を分析していく癖をなくしていけるだけではなく、英文を日本語に訳さずにそのまま意味を理解する回路作りを養えます。また多量に読んでいく中で、同じ表現に何度も出会うことによって表現力を培うことができます。しかしながら

 

「簡単な英文だと分析することなく読んだり、聞いたりすることができるが、表現や構文が難しくなってくると、どうしても1文1文分析しないと対応できない。」

 

という方もいらっしゃるでしょう。

 

難しめの英文の構造を分析しながら意味を取ることは悪いことではありません。

 

例えば、Readingの「言い換え問題」(Official GuideでのSentence Simplification問題)ではハイライトされている1文の論理構造を確認し、意味を正確に把握することが求められます。

 

構文が少し複雑になると理解が難しくなるのは、単にそこで使われている構文や表現を知らないか、または構文のパターンに慣れていないから。

 

知らないものは確認して覚えるしかありませんが、慣れていないものは繰り返し読むことによって慣れを養えます。例えば、スポーツや自動車の運転方法を習い始めたばかりの頃は場面場面において何をすべきか迷いながら行うことが多いものですが、慣れてくればボーッとしながらでも的確な動きができるようになります。

 

難しめの英文だと読むのに時間がかかってしまうという方は、まず意味を理解した上で何度も読むことによって慣れを養い、その結果「意味を理解しながら、スラスラと読める」ようにする。特に「1分間何ワード」「1つのパッセージにつき何分」ということを意識する必要はありません。

 

TOEFL iBTに「速読」は必要ありません。

 

特につっかえることなく、普通のスピードで読めれば、時間内に十分解答できます。制限時間内に終わらないのは、意味を知らない単語があったり、難しめの構文があったりと、途中で止まって考えてしまうから。単語の意味を覚え、構文を理解し、結果、そのパッセージを「意味を理解しながら、スラスラと読める」ようにしていけば、Readingセクションへの対応力は着実に上がっていきます。

 

「難しめの英文だと、分析しなら読むのに時間がかかってしまう 」

 

という場合、表現・構文を理解した上で「意味を理解しながら、スラスラと読める」ようになるまで繰り返し読む。繰り返し読んでいると最初は分析しながら読んでいた構文も気にならなくなります。

 

また、繰り返し読む以外に表現への慣れを養う学習法もあります。

 

以下の投稿を参考にしてください。

 

» Writing表現力を高めるには